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【3日目】カラダとココロと『恋愛スイッチ』(レンアイのトリセツ)

◆ココロとカラダとアタマ、という新しい「切り分け」

 前回まで

「恋愛の気持ちがなぜコントロール不能なのか?」

という話をしてきました。もちろん『モト』という新しい概念を通してです。
 モトという概念を通して考えると、ココロとアタマは「別もの」だとハッキリわかるのでしたね。復習になりますが、ココロは「モト(粒子)の集まり」という実態のあるもので、アタマは脳の機能(ソフトウェア)なんです。
 恋の気持ちというものは、カラダがココロを直接動かして起こる気持ちなので、アタマが「この人と恋をしようかな」なんて考える余裕もなく「落ちてしまう」ものでした。ロメオとジュリエットの話も思い出してください。

 では、この「恋」という状態になると、ココロとカラダがどうなるのか? をモトという視点から詳しく見ていきますね。


◆【恋愛スイッチ】と『恋愛ホルモン』

 さて、恋というのは「落ちる」ものだと書きました。アタマからすると「ある日突然始まるもの」なんですよね。ではこのとき、ココロとカラダは実際にどう動作しているのでしょうか?

 実は

【恋愛スイッチ】

のようなものが本当に「ある」んです。これはカラダについている仮想的なスイッチなんですが、このスイッチがONになると恋愛の状態になり、OFFになると恋愛の状態が解除される、という『仕組み』があるんです。

 このスイッチを入れるのは「カラダ」です。前に書いたとおり、恋というのは「性欲」を源にしますので、性交渉するのに適した相手を見つけると(ときに同性であっても)カラダがこのスイッチを「ON」にします。

 恋愛スイッチをONにする具体的な方法は

『ホルモンを出す』

ことです。たとえば

・エストロゲン(女性ホルモン)
・テストステロン(男性ホルモン)
・オキシトシン(幸せホルモン)
・セロトニン(安心ホルモン)

といったいわゆる「恋愛ホルモン」と呼ばれるものを、無条件にドバドバ出すんです。

 そうするとそれらが脳に作用して直接「ココロ」を動かします。動かされたココロはとても「幸せな気持ち」になります。多幸感につつまれる、という言い方もありますね。


◆恋のマジックは『二番目のモトあつめ』だ

 ここでご存知「好き嫌いゲージ」の出番です。

 ココロが幸せを感じているときというのは「好き嫌いゲージが上がっている」ときでした。つまり、恋の幸せ感を味わっている、ということは、好き嫌いゲージが「好き側MAXまで上がっている」ことを意味しています。だって「好き」なんだから。
 好き嫌いゲージが上がっている、イコール「モトが増えている」のでしたよね。つまり……カラダが恋愛スイッチを入れると、ココロのモトが

勝手にドバドバ増える

んです!! どうしてそんなことが起こるのか、というのは、入門編でお話した「二つのモトあつめ」の方法のうちの一つ

『二番目のモトあつめ』

自動的に始まるからです。好きなものに触れているときは、好き嫌いゲージが「好き」側に動く=ココロがモトを生み出している、でしたね。

 ココロが持っているモトの量が増えると、人間は幸せな気持ちになります。だから恋というものは、素晴らしい体験なんですよね。


◆恋という体験と【恋愛中毒】

 このように、恋というのはときに素晴らしい幸せをもたらすものです。だから、世の中を見渡してみるとラブロマンスのストーリーであふれているし、それらに触れることで恋愛を「疑似体験」するという娯楽が存在するわけです。幸せな気持ちになれるからです。

 そしてそういう

「ドラマティックな恋がしたい!」

とか考えちゃうわけです。

 だけど、よく考えていただきたいんですけど……恋というのは、先ほどのメカニズムで起こるものであって、要するに「相手がいるから落ちる」ものだと言えます。
 ですが、ロマンスを求めすぎるあまり「恋に恋する」ような状態、もっというと「常に誰かに恋をしているのが当たり前で、相手がいないことが寂しくて耐えられない」ような状態におちいることもあるものです。それも、よくあるものですよね。

 僕はこの状態を

【恋愛中毒】

と呼んでいます。次回はこの【恋愛中毒】というものを見ていきますね。

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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)