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【14日目】ガリレオの気持ちと『運命』(ジンセイのトリセツ)

◆歴史は『プロセス』である

 難しい話が続いていますが、このウラにある「理論」はもっと難しくなります。ですから、上級編の最初にお伝えしたように、理論の先にある結論だけ先にお伝えしています……。今日は「運命」の話。

 その前にちょっと『時間とは何か』について復習を。

 時間というものは「起こること、起こる順番、起こる時刻」全てが宇宙全体ですでに決まっている、という構造をしていて、その中に「あなたのジンセイ」というものが組み込まれていて、その他の生き物、そしてその他の人物の「ジンセイ」もまた組み込まれていて、それらが複雑に絡まり合って【関わりの網目】のような構造をしている……という話でしたね。時間というものは、時間の「外」から見るとこういうふうに見えます。

 どうしてこう結論付けられるのかというと

「宇宙の終わり」というものがどういうかたちで起こるか

『モト』の構造から推測できるからです。

 実は……宇宙(地獄世界)の時間というものは「始まりのかたち」「終わりのかたち」が決まった状態でスタートします。
 その「始まり」と「終わり」の間の

プロセス(過程)

をどう組み立てるか? という観点で「宇宙の歴史」は組み立てられています。
 つまり、どういう終わり方をするのかが「先に決まっている」ことになります。その「終わり方」に向かって時間をすすめるために、

どんな出来事をどんな順番で起こせばいいか?

という『プロセス』が組まれる、という造りになっていると考えられます。

 バラバラの積み木があって、お城のかたちの完成図がある。こういうものが「宇宙の最初と最後」なんです。これをどうやって組むか? という

プロセス

が、宇宙の歴史になります。


◆未来は「すでにある」

 ……果てしなく難しいことを書いてますね。これ以上は次巻エキスパート編に譲ります。

 では今回のテーマ「運命」についてですが、宇宙の「時間軸」というものがこういう構造をしているがゆえに、次のことがはっきり分かるんです。

地獄で偶然起こることは一つもない

 ただの一つも、ないんです。道端に落ちている小石ですら、その時間にその場所で、あなたに発見されることが「決定」された状態でそこにあります。なぜなら、ジンセイというものはさっき書いたとおり「プロセス」だからです。宇宙から見ると、僕たちの「生まれてから死ぬまでの出来事」はすべて、ことごとく、全部が終わりに向かう(すでに決定された)プロセス(過程)なんです。

 ですから、運命というものは「あるやなしや」というレベルのものではないんです。宇宙全体を外から見ると、僕らにとって未来の出来事も

「すでに起こっている」

ことになります。終わりのかたちが決まっているんだから。


◆運命と努力の関係

 こういうことを書くと
「じゃ、僕たちが努力したり頑張ったり、未来を切り開こうと一生懸命にやっていることは、無駄なんですか?」
という質問を受けます。答えはNOです

 なぜなら、そういう「努力」をへて人々の意識が変わったり、人の暮らしが便利になって社会が豊かになったりすることも、宇宙からみると

プロセス

だからなんです。その人たちがそこで努力したことによって、宇宙が「先に進む」ことができるわけです。

 地獄のルールとして「『今』という時間しか知覚できない」というのがあるんでしたね(【7日目】)。だから結局僕たちは、宇宙の終わりのかたちがどうであろうが、今を生きるしかないんです。そこで自分自身が「今こういう努力が必要だ」と判断したら、ぜひやっていただきたいと思います。

 ひとつ、歴史の話をしましょう。

 「地球が太陽の周りを公転している」というのは今や常識です。
 ですが、最初にこれを唱えた有名な学者「ガリレオ・ガリレイ」は、宗教裁判にかけられ、有罪にされてしまいます。当時のキリスト教では神の住む地球こそが宇宙の中心だと考えられていたので、太陽のほうがその周りを公転していないと教会が困ってしまうからです。

 ですがガリレオはまじないや迷信ばかりが信じられていた社会で、すでに「科学的な根拠に基づいた事実」の大切さに気づいていたんですね。だからこそ、彼は有名な言葉

『それでも地球は周っている』

を残したのではないでしょうか。

 それから400年後の現代、地動説が常識になっていることをガリレオは知る由もなかったでしょう。でももしガリレオがいなかったら、僕たちは地動説を知らなかったことになります。だからプロセスにとって

『その時刻』に必要な努力

というものがあって、僕らは今それを一生懸命にやってることになります……運命はすでに決まっているとしても、あなたが「今」頑張っていることは、全く無駄ではないんです。


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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)