ぬいぐるみ🧸が親友だった
【0歳から小学校低学年①】
小学校中学年まで一人っ子だったので、たくさんの人形やぬいぐるみとままごとをしていた。その数はちょっとやそっとじゃない。まずはリカちゃんハウスをベースにした、リカちゃんファミリーその他大勢だ。当時のリカちゃんの親友は、「はるみちゃん」だった。コテコテの日本人の名前だ。時代を感じさせる。まぁ昭和50年代全般なんてそんなもんだろう。
加えて、バービー人形のような八等身の人形も加わる。スタイルが良いが、そばかすだらけだったので、私のつけたキャラは三枚目キャラだった。そして、ぬいぐるみ🧸たち。大小混ぜれば20くらいはあったと思う。私の一番のお気に入りは、母方の祖母にねだって買ってもらった白猫のぬいぐるみ。いつも一緒だったので、手垢で薄黒くなり「くろにゃん」と名前をつけた。その後15年近く、生死をさまよう入院生活の時も、「くろにゃん」は、いつも私のそばにいてくれた。
話を元に戻す。ままごとの最初はいわゆる普通のアットホームな家庭のやりとりを模しているのだが、必ず悲惨な事故や裏切りや、人間関係の足の引っ張り合いが起こる。ときには命の危険までおこる。長板を滑り台代わりにして、わざとすべるように靴下を履いて、まるでたけし城のように命がけで、地獄の海に落ちないように「くろにゃん」や「リカちゃん」片手に私は何度も上り詰めるのだった。
ときにはリカちゃんのパパが悪役になり、殺人事件や誘拐まで起きるありさまだ。
私はどんどんどんどん、一人芝居の物語にのめり込んでいき、感情極まって泣いてしまう時も多かった。