例の1000について、我が家の場合

少し前に最後の一本を飲んだ。賞味期限ギリギリだったから、買ったのはその日よりも二週間くらい前だったと思う。たまたま２本だけ、棚にあるのを見て、喜んで買ったものだった。

いつのまにか、売っているところを全然見かけなくなってしまった。報道によれば、結構な数が生産されていても需要に追いつかないというのだから、ビックリだ。そんなにもみんなが飲んでいるのか、これまた買うだけの人が発生してしまっているのか。

なかなか買えなくなっているけれど、我が家はとりあえず、それでもいいかな、ということになった。

何回飲んだかな。十回くらいかな、もう少し少ないかな、というくらい飲んでみて、止めることにした。400か、おんなじような他の乳酸飲料を、お腹のために飲むのでいいかな、ということにした。
なぜって？　それは、「すっきりとした目覚め」が、私たちには合っていないようだったから。

飲んでみよう、と思った動機も、まさにそれだった。ストレスの軽減だとかも謳われているけれど、睡眠の質向上、すっきりとした目覚め、に惹かれた。

もともと私は、なにかあると睡眠に支障が出るタイプではあった。そこにきて、外出を極端に控えるような暮らしになって、圧倒的に運動量が足りないからなのかな、上手に眠れなくなった。寝ても寝ても眠かったり、すぐに起きてしまったり、日々ちがいはあれど、どうにも上手に眠れない。それがちょっとした悩みごとになっていたから、例の1000の宣伝文句に、これは試してみるしかない！って思ったのよ。

そしてたしかに、例の1000を飲むと、すっきりと目が覚めた。二度寝の誘惑が襲ってくることはなく、ぱちっと覚醒する気がした。

本当に宣伝にまちがいなしだと思った。ただ、タイミングが、私の望むタイミングとはちがっていた。夜中にトイレに起きたタイミングで、すっきりと目覚めてしまうのだ。夜中の２時とか、３時とか、お布団に戻ってまだまだ眠りたいと思うタイミングで、すっきりとした目覚めを得る。もう眠くないという感じに、ぱちっと覚醒してしまうのだ。

朝までずっと眠っていられたときには問題はなかった。けれど、寝る前に飲むのがいけないのか、私の生活リズムでは、だいたい夜中にトイレに起きてしまうから、そこですっきり目が覚めてしまうと結果として寝不足になってしまう。おかしいな、すっきり目覚めたのに、なんだか疲れる、なんだか眠い。夕方、そんなふうになってしまう。

たまたまそんなこともあるのか、と最初は思ったのだけれど、何度か飲み続けるうちに、実感した。これは偶然なんかじゃない。これこそがすっきりした目覚めという効果なのだと。そしてこれは、旦那さまもおなじだった。

残念だ。夜中に一度起きることがなければ最高なんだろうと思う。でも私には、私と旦那さまには、ダメだった。

すでに出来上がっている毎日を変えていくのは難しい。飲食のタイミングやトイレのタイミングを変えることは難しい。
どんなにステキなものであっても、自分に合わなければ仕方がない。なかなか買えないものを、わざわざがんばって探してまで購入する必要はないだろう。

こうして我が家は、例の1000を卒業することにした。

でもね、ちゃんと効果は実感できたよ。

これに懲りず、また良さそうなものがあったら試したい。そうして我が家の暮らしにも合うようだったら取り入れて、簡単で快適な暮らしのブラッシュアップを続けたい。
新商品が気になるタイプの私は、次なるなにかを求めて、行きつけの店々のパトロールに意欲を燃やすのであった。