29歳、普通自動車免許を取る(原付編①)

クルマの免許なんて、今乗らなくても高3や大学生で親に取らせてもらってる人がいれば、それはとても素晴らしい親御さんだと思います。
(別にそれ以外が素晴らしくないわけじゃないよ)

私も自分に娘ができたら、歯の矯正と車の免許と脱毛は時が来れば即させたいと思ってる。

そんな私は、歯並び悪くてアゴ曲がってて普通にしててもたべる牧場ミルクのウシみたいな歪み具合だし、車の免許もずーっと持っていない。
まあその時歯の矯正したいとも思ってなかったし、チャリがあればどこまででも行ったし、歩くのも苦じゃなかった。

高校生になると周りは原付免許を取ってたし、私も原付乗りたくて父ちゃんに許可を取りに行ったら
「あぶないからあかん」
っと言われた。
ぶっちゃけ周りが取ってるから私も欲しいくらいのレベルの欲しさだったしチャリあるし、
友達に「免許取らへんの?」と聞かれたら「父ちゃんにアカンって言われてん。」って言えば終わるしで、
私もそれ以後しつこく取りたがることもなかった。

後に、この「あぶないからあかん」の意味がわかることにもなった。

上京して10年後の28歳の時、引っ越しをした。
引っ越しと言っても生活圏の変わらない、坂の上の方から坂の下の方への引っ越しだったのだが
この坂というのが長く急で、自転車だと電動アシスト付か、
野球しかしてこなかった男子高校生の立ち漕ぎかでしか登れなそうな坂だった。

うーん、電動アシスト自転車買おうかな…え?10万もするの?超高い!
今までドン・キホーテで一応ギアくらいは付いてますレベルの2万以下の自転車しか買ったことがない私にとって特に興味のないチャリにそんなお金はかけたくなかった。

ここで気が付いた。

あれ?10万出すなら原付免許取って安いバイク買ったほうが良くね??

この考えは原付免許を取った今でも全く変わっていない。
いつぶりかに勉強をし、いざ、府中試験場へ。
子どもの頃に見た西成の職安の風景と瞬間リンクするレベルの並びようだった。
よくわかんないけどとりあえず並んだ。

自分のことしか考えていない私は、全員原付免許を取りに来てるもんだと思いパニックになった。
え?このおじさんも原付免許取りに来たの?え?この人も?とハテナが止まらなかったが中に入った瞬間謎がとけた。

受付に行ったら「卒業証明書だしてください」と言われ、「えっ高校のですか?」とか今考えると訳わからないことを言ったが、「あっ原付か、どうぞー」とそのまま対応してもらえた。
学科は、ちゃんと勉強したので難なく受かった。
受かったのは8人。1人だけ落ちてた。

その後は座学と、外に出て実際にバイクにのる講習があったのだが、これが大変だった。
私以外高校生か大学生くらいの男の子で、なぜか私だけ他の人とはかなり距離が空いた場所に指定された。
これは女だから危ないとかそんな感じか?舐められたもんだな、と思ったがすぐに感謝することになった。

乗り方、運転の仕方、ウインカーの出し方など教わったのだが、アクセル操作がうまく行かず私だけぶっ飛んだ。
「おい!それ以上アクセルひねるな!スピード違反だぞ!!!」
「ひねってないんです!!!(ひねってる)」

というやり取りを何回かした。
全然うまくならないまま時間が来た。
誰やねん自転車乗れたら乗れるって言うたやつ。

「ちょっと練習してから公道でるといいよ(ニコッ)」
と、元警察官らしい、おじいちゃんに片足突っ込んでるくらいのオジサンに超爽やかに言われた。

で、免許貰った。

え?いいの?こんなやつに免許あげていいの??!
この制度ヤバくない?!!

と、内心思った。

でももうあんな怖い思いは二度としたくないと思った。

つづく。

29歳、普通自動車を取る(原付編②)

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