ミスiDとBar黒月
ミスiD2022卒業式が近付いてきました。
初夏にエントリーが始まったミスiD2022。
ここ最近なんだか暖かくなってきて、ミスiDと共に冬を越えたな〜…という気持ちです。
エントリーした際の目的は明確で、
『Bar黒月のことを、私達の思いを1人でも多くの人に知ってほしい』というものでした。
インターネットの宣伝や広告だけでは伝えきれない、私達の生々しく泥臭い姿をミスiDに乗せて見てもらいたかった。
審査が進むにつれ、色んな物語がありました。
それはミスiDでも、Bar黒月でも。
生きているのだから当然といえば当然ですが、7/28エントリーボタンを押した私と今の私ではまるで別人のようです。
あの日の私には想像してなかった姿がここにあります。
ありのままのBar黒月を、自分等の思いを知ってほしくてエントリーしたのに、変わっちゃったんですよ。
それはとある【気付き】があったからです。
そもそも今思うと、最初に掲げたテーマ『Bar黒月のことを、私達の思いを1人でも多くの人に知ってほしい』というのも、違うな…と思っています。
売上が悪いのは、「うちらの思いを知らない世の中のせいだ!!」みたいに聞こえません…?
聞こえないかな…。そんな風に意地悪な捉え方をする方はそんなにいないと思うのだけれど、私は過去の自分に「いやそれはなんか違うんじゃない…?」と言ってやりたい。
ミスiD2022と共に歩んだ8ヶ月、【気付き】を含めたくさんの出会いがありました。
ミスiDきっかけで働いてくれるようになったスタッフや、イベントに出演してくださることになった出演者様、会いに来てくださったお客様。
こんな素敵な巡り合いがあった時点で当初の目的で言えば達成されているのだけれど、「広告宣伝として効果があったよね〜!」とかでは絶対に片付けたくないです。
先程申し上げました【気付き】について少しだけ話します。
私が意地になって固めていた「ありのままの姿でいよう、見てもらおう」というのは、理想を語りあぐらをかいていることと表裏一体でした。
好きなことをしよう。
好きなものをみよう。
好きなものを作ろう。
好きな人たちと過ごそう。
好きな人たちと笑っていよう。
好きな人たちに楽しんでもらおう。
好きな人たちの心を守ろう。
好きな人たちの生活を守ろう。
好きな人たちの大切な居場所を守ろう……
これらは、Bar黒月を立ち上げたオープン当初から私の心にあるものです。今も変わらず大切に思っています。
だけれど、この思いだけを優先させ日々営業を続けた結果、恐ろしいくらいに経営が傾きました。
Bar黒月がなくなってしまえば、終わり。これら全てが終わりなんですよ。好きな人たちも場所も守れない。本末転倒。
『Bar黒月のことを、私達の思いを1人でも多くの人に知ってほしい』というのは本当に間違っていて……
Bar黒月のことを知らなければならないのは、私の方でした。
そもそも、自分だけが満たされるためにやっていることではなくて、みんなにとって良いものを、空間を、職場を、表現の場を作りたいと思っています。
維持するためには思いや理想だけではなく、努力しなければならないこと、変わらなければならないことがたくさんありました。
ミスiDが世の中からどのように思われてるかは、もはや第三者的に見ることは出来ないのですが。
少なからず私にとって、Bar黒月にとって絶対に必要な8ヶ月間でした。
変化した今の状態が、良かったのか悪かったのか、本当のところみんながどう思っているのかは分かりませんが…
「良」「悪」ではなく、核心に触れることが出来たのは事実だと思います。
己の目の解像度、ガシガシ上げていかないと。守りたいものも守れない。
3/21は、ミスiDの卒業式であり授賞式です。
2018で授賞出来なかった私にとって、確かに賞は欲しいけれど。すでにたくさんのものを貰っています。
ミスiD2022が終わっても、私たちの人生は続くし、コロナや悲しいニュースも日々続いちゃうかもしれないけど。
これからも、みんなでリアルのエンタメを守りたいです。
まだまだ気付けていないこと、力不足な部分もたくさんあると思いますが、この気持ちだけは何があっても変わりません。
これからも、ドキドキワクワクする空間を、大好きなものたちを、守っていきたいな。
ムンヒジュ