【『声』の話】
自分の声の話をします。
興味ない人はごめんなさい。
中学時代の最初についたあだ名は
『冷静なムンさん』。
野球部の男子が「ムンさん”あいうえお”って言ってー!」と絡んできたのがはじまりで。
声が低いから、何を話しても、”あいうえお”と言うだけでも冷静に聞こえるのが面白かったらしい。
(後に小林司さんからも、「”あいうえお”と喋るだけでもいい声」と褒められる。みんな私に”あいうえお”と言わせがち。)
14歳で始めて路上ライブをやったときは、「14歳とは思えない歌声だね〜」と言われ、背伸びをした曲ばかりを歌っていた。
昔からみんな、声に引っ掛かってくれる。褒めてくれる。覚えてくれる。
冷静な、包み込むような声だよねと言ってくれる。
実際の私は全然そんなことないのに。
心はいつも揺れていて、常に感情的であるし、いい歳こいて嫉妬だってする。
今も、声に追いついていないんだよね。心が。
逆に、そんなつもりはないのにこの声で話すと変に伝わってしまったりということもあったり…。
家では母であるし、自分のお店では店長だし。
それこそこの声のように、冷静で包み込むような心が私には必要なんだよね。
だけど追いつけないんだよな、まだまだ。
自分の声がすごく好き。
好きだからこそもどかしい。
それでいて、声がフューチャーされたり注目されたりするような世界にずっと居座っているから、さらに自分の声への解像度が高まってしまいその心との微妙な差とか違和感とかアンバランスな感じが引っ掛かってしまう。
よく、その声を活かしたほうがいいとか、磨きをかけて欲しいと言ってくれる方がいるのだけれど、
私が磨かなければならないのは、心、なんだよね。
まずは、心が声に追いつかないと。
磨くのはそこから…。
ムンヒジュ