ひねくれ北欧4か国周遊記⑰My luggage hasn't come out
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17-1.人魚姫像とアンデルセン
2024年1月3日水曜日
デンマーク・コペンハーゲン
飛行機に乗るのは昼過ぎなので、午前中は少し街ブラをしようと思います。まずは人魚姫像に向かおうと思います。
世界三大がっかり名所(がっかり観光スポット)をご存じでしょうか。
・シンガポールのマーライオン像
・ベルギーの小便小僧像
・デンマークの人魚姫像
の3つです。全部、像です。像にはポテンシャルが足らないのでしょうか。でもマーライオンは国のシンボル的というか、たくさんお土産物にもなっていて、知名度的にも段違いな気がするのですが、ともかくこの3つらしいです。
今日はそんなこんなで人魚姫像に行きます。(どこも開いていない1月1日に行っておけばよかったのですが、元旦は疲れて途中で帰ってきてしまいました)
たしかに思ったより小さいですし、周りにお土産屋さんとかがあるわけでもなく、誰かが置き忘れちゃった感があります……
もう少し賑やかというか、華やかというかにしてあげてもいいのではないでしょうか。これぐらいがスタイリッシュというか、瀟洒というかなんでしょうか……
この像で話を広げるのは厳しいので、アンデルセンの話を徒然なるままにしたいと思います。
代表作があまりにたくさんあるアンデルセンです。人魚姫、マッチ売りの少女、みにくいあひるの子、おやゆびひめ、あかいくつ、はだかの王様……などなど。名作を挙げたらきりがないというか、みんなどれか3つは知ってるというか。
※ちなみに、アンデルセン童話、グリム童話、イソップ童話、で世界三大童話らしいです。世界三大がっかり名所といい、アンデルセンさんは色々とワールドクラスです。
そんなアンデルセンさん、私には全体的に説教臭いというか教訓っぽい話が多くて、しかもどれもみんな絶妙に救われない、無慈悲な話ばっかりで苦手です。ほんとに子ども向けなのかと疑いたくなります。こんなの小さい頃から読んでたらひねくれものに育ちそうです。
その中で、私は『モミの木』というお話だけは好きです。どのくらい好きかというと、手元にちゃんと本を持っているくらい好きです。
人間の一生を、モミの木の一生になぞらえているストーリーで、あまり説教臭さが無いです。もちろん他のアンデルセンの作品と同じく、救いは無いお話なのですが、まあ人生ってこんなかんじだよね、という妙な納得感があります。
上の写真はマリメッコのデザイナーをされているサンナ・アンヌッカさんがイラストを担当したバージョンです。挿絵がとてもいいです。小宮 由さんの翻訳も読みやすくて素敵です。
他にも、アンデルセンの『雪の女王』と、ホフマンの『くるみ割り人形』も、サンナ・アンヌッカさんがイラストを担当したバージョンがあります。雪の女王は持っています。(あれ、もしかしてマリメッコが好きなだけでは?)
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17-2.ゲフィオンの噴水・アマリエンボー宮殿・ニューハウン
海沿いを歩いていると「ゲフィオンの噴水」が見えてきました。こちらは北欧神話の女神ゲフィオンと牛の像なのですが、カッコいいです。人魚姫像を見るときは、ぜひこちらも一緒に見ることをおすすめします。満足度が上がります。がっかり感が減ります。
続いて、アマリエンボー宮殿に着きました。大晦日の女王スピーチの時に映し出されていた広場は、ここでした。
最後はニューハウンに着きました。ニューハウンはカラフルな建物が並んだ海近くのエリアで、デンマーク語で「新しい港」という意味らしいです。旅行ガイドブックにはこのあたりの写真がよく載っています。
アンデルセンはニューハウンに住んでいたそうです。チボリ公園といい、人魚姫像といい、コペンハーゲンの有名スポットはだいたいアンデルセンが関係していますね。
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17-3.飛行機でヘルシンキ空港へ
街ブラを切り上げ、いよいよ最後の街、サーリセルカをめざします。
コペンハーゲン空港→ヘルシンキ空港→イバロ空港→サーリセルカという旅路です。まずコペンハーゲンからヘルシンキまでは飛行機で2時間30分ほどです。フィンエアで予約し、一人2万2千円でした。
悪天候のせいで、一度、飛行機が空港に戻りました。2時間ほど遅れて、再度出発です。だいぶ遅くなりましたが、ヘルシンキ発の飛行機は夜なので大丈夫です。
しかし問題が発生しました。ヘルシンキ空港には着いたのですが、預けた荷物が出てこないのです。ベルトコンベアが何周してもスーツケースが出てきません。
誰か聞ける相手はいないかと思って探しても、受付に人がいません。外に出てしまったら手荷物受け取りのところへ戻れなくなるので、いったんその場で待つことにします。
飛行機から降りて1時間ほど待っていたら受付に人が戻ってきたので、怪しい英語で荷物が無いと伝えました。My luggage hasn't come outです。
調べてもらったところ、すぐには分からない、とりあえずこの後の旅の予定と滞在先の情報を書くように、と指示を受けました。そして、進捗があり次第メールをします、とのことでした……
つまり、ロストバゲージです……
ひねくれたことばっかり言っていたらついにツケが回ってきました。これが罪と罰ということなのでしょうか。
まあ困ったものの、幸い預けた2つのスーツケースのうち、1つは出てきました。なんとかはなります。スーツケース1個を再度預けて、サーリセルカへ向かいます。(……フラグです)
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17-4.飛行機でイバロ空港へ
ヘルシンキ空港からイバロ空港へは飛行機で1時間40分ほどです。こちらもフィンエアで行きます。一人往復で、3万4千円ほどでした。
しかし、スーツケースの預かり料金がこちらには含まれていなかったらしく、プラスで60ユーロ(9千5百円ほど)がかかりました。ヘルシンキ行きと同じ手順で予約したはずなのに不思議です。スーツケースを失って唯一よかったことは、この追加料金がかからなかったことです。
サーリセルカ行きの飛行機も遅延しておりました。今日は中々大変な一日です。今回の飛行機はプロペラ機でした。もしかしたらプロペラ機だから荷物預かりが追加料金だったのかもしれません。(予約時に私がちゃんと規約を読まなかった可能性は大いにあります)
無事イバロ空港に着きました。あとはバスに乗ってサーリセルカに向かうだけですが、さて、またしても問題が起こります。
ベルトコンベアが何周してもスーツケースが出てきません。まさかのMy luggage hasn't come out2です。
スーツケースを2つとも失い、身の回りの品だけでマイナス20度以下の世界へ放り込まれました。
絶望です……
神様、私のひねくれはこれほどまでに重い罪だったのでしょうか。
次回に続きます……