ひねくれドラマ&鞄〜年末年始に一気に見てほしい最高のドラマ&年末年始じゃなくても聞いてほしい個人的な鞄の話
年末なので、年末年始に一気に見てほしいドラマを紹介します! いつでも好きにドラマが見られるっていい時代になりましたよね。
1.『俺のダンディズム』概要
今回ご紹介する『俺のダンディズム』は、滝藤賢一さん演じる主人公・段田課長(41歳)が、腕時計、万年筆、革靴など、ダンディな商品とその歴史を教えてもらいながら、少しずつダンディになっていく、、、というわざわざ紹介するまでもない、超有名なドラマです! テレ東の深夜枠で滝藤賢一主演です、面白いに決まっています! しかし、どうしても紹介したいのです!!
だってまず放送されたのが「2014年」なのです。もう10年も前なのでいくら有名と言っても、知らない人もいるのではないでしょうか。
たとえば2014年に20歳だった人は、学生とか社会人なりたてでしょうし。まだこのドラマの面白さに気づいていなかった、という人は多いと思うのです。
しかしそんなフレッシュな人々も今ではしっかりアラサーになって、おっさん予備軍になっていて、このドラマの面白さに気づいてくる頃合いです。
つまり今回は再発見・温故知新なのです!
ルネサンスなのです!!(カッコつけました、、、はやくダンディになりたぁあい!!)
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こちらのドラマ、年末年始に一気見! と言いましたが、別に各話のストーリーは繋がってないので、気になる商品の回だけ見るのもとてもオススメです。「第5話・眼鏡」は興味無いけど、「第7話・財布」は気になる、、とかあると思うので、好きなもの・気になるものだけでも是非見て頂きたいです。どれか1話を見て、面白かったら最初から全話見て頂きたいです!
今回取り上げるのは「第6話・鞄回」です。なぜかというと、、私がこのドラマを見て、、
カバンを買ってしまったからです!
フフ、単純にドラマの紹介をすると、ネタバレとかに配慮して中身がなくなったりするじゃないですか。。?
しかし今回は違うのです。。。
ドラマの話に見せかけて、、
ただ鞄を買っただけの話をします、笑
ネタバレも満載です。でもストーリーより滝藤賢一の顔芸重視のドラマなので、ネタバレなんていうものはそんなにありません。
ドラマの紹介になるかは不明ですが、まあちょっと聞いてください!!
個人的には「第10話・スーツ」の回も好きなのですが、今回は第6話に全力です!!
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2.第6話を鑑賞しながら、カバンを選ぶ
会社用のカバンが欲しいなと思った私は、『俺のダンディズム』第6話を見ながらカバンを吟味します。
まずドラマによると、トートとか、肩にかけるタイプは若い子向けらしいです。個人的には両手が空くので肩掛けが好きなんですが、ダンディじゃないなら仕方がありません。はやくダンディになりたぁい、のでそこは諦めないといけません。
それに、たしか肩掛けは服の生地が擦れて痛みやすいとかも聞いたことありますし。スーツの元々のシルエットが変わってしまってかっこよくないという話も聞いたことがありますし。
(果たして元々の体形が美しくないのに、シルエットなんか気にして何の意味があるのか、、?カバンを買う前に痩せろ! 鍛えろ!
そんな声が聞こえてきそうですが無視です、、、)
ドラマの 序盤の茶番 ウィットに富んだ小粋なトークが終わると、いよいよ最後の三択です。このドラマは終盤に、1番おすすめの3つの商品を紹介し、「この中のどれかを絶対に買いなさい?」と迫ってきます。最初のポケモンを選ぶのと同じで、拒否権はありません。ここからダンディズムの冒険は始まるのです。
鞄回の最後に出てくる選択肢は、
①トゥミ(TUMI)
②オロビアンコ(Orobianco)
③大峡製鞄(おおばせいほう)です。
②オロビアンコは、個人的にタグのイタリアカラーの自己主張が激しすぎるように見えます。パラブーツのタグがぎりぎり許せるラインな私には厳しいです。
①トゥミがいいかなぁー、と思います。こちらのリュックを持ってる人、街でよく見かける気がします。でもあえてリュックじゃなくブリーフケースを選ぶというのはダンディな気がします。
※ちなみにドラマで紹介されたBeacon Hill Branchというモデルは現在、廃番のようです。
でもひとつ気になるのが、トゥミは経年変化はしないんですよね。。
やっぱり長く使えて味が出る経年変化が好きなので、、素材は革がいいなと思います。。
うーん、悩みます。。
このドラマを見たことがきっかけに色々調べていて思うんですが、毎回最後に段田一郎が選ぶのって、なんだかんだですごくちゃんと落としどころを探っている感じなんですよね。
彼が悩んで悩んで最後に選ぶどの商品も、しっかり堅実なところに落ち着いているかんじがあります。この選択肢しかないというか、、時代で色あせない選び方というか、、10年経っても知る価値のある情報がこのドラマにはある気がします。そんな信念がある気がします。
、、ということで決めました!
段田課長と同じく、③大峡製鞄(おおばせいほう)にします!!
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3.大峽製鞄とは
『大峡製鞄』は1935年(昭和10年)創業で、皇室御用達として知られる国内最高峰の鞄メーカーです。ランドセルが有名で、土屋鞄と双璧を成す超高級ブランドです。
詳細は公式YouTubeをぜひご覧ください。
ちゃんと再生回数が少ないのです。再生回数が多いのは信用できないのです。これは期待できます。。。(??)
とてもいいです。特に曲がとてもよかったです。。。(??)
ハワード・ハーパー・バーンズさんの「Refined Enlightenment」って曲らしいです。全然知りませんでしたが、すごく気に入りました。2分と短いのもいいです。
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4.段田一郎とお揃い♪
届きました、嬉しいです。段田一郎課長とお揃いです。厳密には段田課長はブラウンなので色違いです、ペアルックです♪
マダムMによるとこんな鞄だそうです。いいです、しびれます、ふるえます、ダンディです。
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5.実際買ってみて、、、良いところ
やっぱりマダムの言う通りダンディなところがまず最高です。ダンディ過ぎて、私には豚に真珠というか、身の丈に合ってない感があります!?
あと、鋲(びょう)がしっかりしてていいなと思いました。肩掛けはあきらめるとしても、「雨の日の電車で床に置ける」という条件は譲れなかったので、鋲(びょう)がついてるのはとてもいいなとは思いました。
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6.実際買ってみて、、、悪いところ、、ではなく、ダンディなところ
ぶっちゃけたところ、使い勝手が良いとは言えないです。まず革の鞄あるあるですが、重いです。収納もあまりできず、中身も取り出しづらく、お世辞でも使いやすいとは言えません。。。
でもこれがダンディズムでしょう。。。
第2話でも引用しておりました
「ダンディズムとはやせ我慢である」by阿久悠
便利じゃない、、それもいいじゃないか。(?)
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7.もちろん中古です。
もちろん中古で買いました。まったくダンディじゃない なので、ちゃんとボロいです。 年季が入ってます。手入れしていきます。
通勤鞄って最悪、誰かの吐瀉物や自分の吐瀉物がかかる可能性もあるものだと思うんです。(まったくダンディじゃない話ですか)
そこまでは言わなくとも、満員電車でぶつかられたり蹴られたり踏まれたりの可能性は否めないわけです。
だからあんまり高いもので神経質になるより、多少ゲボかけられても笑顔で許せるような、進んで介抱ができるほうがいいと思うのです。
余談ですが、こちらの鞄、現在は廃番になってしまったのか在庫がありません。すなわち中古だからこそ、段田一郎とペアルックが出来たのです!(おじさんのペアルック??)
※【1030-BTL-P】オールレザーブリーフ
税込¥165,000
チャック等の金具がゴールドなのですが、こちらは廃番みたいです。
※【1030-2-BTL】オールレザーブリーフ(ブラック-シルバー)
税込187,000円
金具がシルバーです。チョコ・ネイビーの新色があって良さげです。ただ品番に2とつくだけあって、ちょこっと値上がりしてます。
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8.誰得!? サンタクローチェ・ハードの話
誰得!? 読み飛ばし推奨!? な革の話をしたいと思います。
先ほどちょろっと書きましたが、こちらは「色止め」をしていないんです。
色止めとは染料を固着させることで、公式サイトによると以下とのことです。
奥が深いです。この革のことをもっと知りたくなります。
公式サイトによるとこの鞄の素材は
「サンタクローチェ®カーフ(仔牛・ハード)」
とのことですが、大峡製鞄オリジナルのネーミングらしく詳細が不明です。
ネットで調べると、
サンタクローチェハード=「ブッテーロ」
と出てきます。
ブッテーロは、成牛(ステア)のショルダー(肩)部分が使われるらしいので、
仔牛を使っているなら、大峡製鞄の素材は正確にはブッテーロではないのかもしれません。
ただ、バケッタ製法でつくられた「バケッタレザー」であることは間違いなさそうです。
バケッタ製法は、1000年以上も前から受け継がれるタンニンなめしの伝統製法で、とても手間のかかった製法です。
イタリア・トスカーナのサンタクローチェ地方にあるコンツェリア・ワルピエ社(Conceria Walpier)が、バケッタ製法でつくるイタリアンレザーが、バケッタレザーなのです。
サンタクローチェハード=「バケッタレザー」
と言うのは間違いないはずです!
※ちなみにバケッタレザーの「vaqueta(バケッタ)」とはスペイン東部のカタルーニャ語で、「牛」や「牛革」を意味します。
本当にこの話、誰が興味を持ってくださるのだろう、、、というか、誰が読んでくださるのだろう。。?
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9.このドラマ、現代のコンプライアンス的には、、、
さてさて脱線が長くなりましたが、『俺のダンディズム』の話に戻ります。
こちらは2014年のドラマなのですが、今ではちょっと放送しづらい内容があります。
まず、妻子もいるのに、高いものを買ってダンディになって、会社の若い子にモテたい、、、っていう話自体、だいぶコンプライアンス的にアウトな気がします。
公式サイトにも『ちょっとだけダンディになった自分を、若い女性に褒めてもらいたくもなる。』って書いちゃってますし、確信犯です。。
他にも『課長、とってもダンディですよ』と言う若手女性社員、、、今時だと叩かれそうです。これはおっさんの歪んだ欲望がどうのこうのとか言われそうですし。。
第2話の最初でコンビニの店長をディスるようなシーンは、今ではかなり職業差別っぽくてNGだろうし。。
第4話で既婚者のおっさんを映画に誘うんですよ。。?
23歳女性社員が41歳既婚男性社員を誘うんですよ。。。??犯罪です。。。
第7話の最初のオタク蔑視もアウトだろうし。。
第9話でばばぁと叫ぶのもあれですし。。。
あれなところが多めです。もうツッコミどころしかないです。不適切にもほどがあるです。ふてほどです。
10年でこんなに時代って変わるんですね。。。
そういえば、第4話で出てきた紙の手帳なんて、もう今じゃ使ってる人あんまり見ないですよね。。。
あと、このドラマ、CM多いです。。これも時代でしょうか。。。
本編34分くらいしかないのに やたら引っ張るので、 CMがたくさんあるので、動画配信サイトでCM飛ばして見られてハッピーな現代です。。
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10.おわりに
今回紹介した『俺のダンディズム』。私にとっては思い出のあるドラマで、以前、上司に「面白いから見てみ」と言われたドラマなんです。
昔のことなので細かい記憶があやふやな部分もあるんですが、感想とか言い合って、
楽しかったことだけはなんとなく覚えてる。。。みたいな思い出なんです。
ということで、今回のブログの個人的裏テーマは温故知新です。おじさんというのは、どう温故知新をするかが命題だと思うのです。
今までの経験をどう温かいまま他の人に届けるか? どうすれば年老いていく自分をアップデートしつづけられるか? そういう宿命を背負っているのがおじさんという生き物だと思うのです。
おじさんになるというのは、飲み会で話が長くなるとか、奥さんに冷遇されるから職場の若い女の子に褒められたくなるとか、
そんなのではなくて、、、いやもちろんおじさんも人間なので、そういう側面があるのは当然なんですが
年相応の風格とか、身だしなみとか、誰かを庇うとか、誰かの代わりに謝るとか、そういうのがダンディだと思うんです。
高い給料もらうのは、責任を取るからなのです。年齢を重ねてよりカッコよくなるのは、落とし所を見つけて解決に導くからなのです。
ガワだけダンディを探す段田一郎課長は、とても逆張りなのです。全おじさんへのアンチテーゼなのです。
このドラマを見て、「こいつよりは俺の方がちゃんとした上司をやってるな、、、」ってみんな安心するんです。
日曜劇場は、どいつもこいつもすごすぎて、こんな自分にはなれないよ、、、って世のおっさんたちは凹むかもしれませんが、
『俺のダンディズム』は、こいつよりは俺はマシだぜ、って思えるんです。
そう、つまり本当の意味で、大人のドラマなのです!
身に着ける品で虚勢を張るような、ダンディでない自分をさらけ出し、
自虐的な笑いに昇華することで、実は視聴者の満足度を相対的に向上させるという、ひどく現実的な嗤いを提供しています。
なんてウィットに富んでいるのでしょう。
名作です。脱帽です。
これが(コンプライアンス含め)色んな意味でアウトだという前提で、ジョークとして楽しむのが、真の意味で大人だと思うのです!
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はてさて、、
熱く! 長く! 鬱陶しく! おっさんらしく!?
楽しく語らせていただきました。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!! ぜひ、1話だけでも見てみてください!!