ひねくれ軽井沢②アウトレットで腕時計を買った話&G-SHOCKの魅力
前回からのつづきです。軽井沢アウトレットで腕時計を買いました。普通に買うのもむずかしい腕時計を、アウトレットで買いました。まあちょっと聞いてください。
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1.G-SHOCKの魅力:壊れない精密機器
今回購入した時計の情報を、ちょっとずつ小出しにしていきたいと思います。いわばミステリー小説風です。最後に真相が明らかになりますのでどうぞお付き合いください。
ーーとりあえず最初の情報としまして、容疑者こと私はG-SHOCKの店舗で腕時計を購入しました。
はい、ここで重要な手がかりが出ました。G-SHOCKの店では、G-SHOCKしか売っていません。これでだいぶ犯人が購入したものが絞り込まれました。
……なんだか茶番が始まる予感がしましたので、まっとうな腕時計トークに移りたいと思います。
日本人なら誰でも一度は聞いたことがあるであろう、日本人じゃなくても知っているであろう「G-SHOCK(ジーショック)」についてです。こちらはカシオ計算機株式会社の販売する、人気腕時計の名前です。
1983年に発売し一大ブームとなった歴史ある時計で、もうブログで取り上げられまくっています。もはやその存在が一般常識ともいえるような名機ですが、あえて私は取り上げたいと思います。王道を行きたいのです。
一口に腕時計好きと言っても、色々切り口があります。パッと思いつくのだけでも、
高級ブランド・社会的ステータス
機械式のロマン・歴史・アンティークウォッチ
ファッション・デザイン
スマートウォッチ・高機能
ギアとしての頑丈さ・使い勝手のよさ・ミリタリーウォッチ
改造・カスタマイズ
といった具合に、趣味が細かく分かれます。
あとはチープカシオ界隈とか、時刻の正確さが命界隈とかもあるかと思います。
ともかく広くて深い腕時計沼です。どこから入るかはあなた次第です。そしてどこに行き着くかもあなた次第です。(真実はいつもひとつではないのです。)
私は最初はファッションとして入り、1万円前後くらいの腕時計を複数持っていて、その日の服装やらTPOやら気分によって変えるのが好きでした。
ファッションとして、一番良いのは革製ベルトとアナログ表示だと思っておりました。
そんな私が一番選ばないであろうG-SHOCKになぜたどり着いたかというと、おじさんになって趣味が変わっただけ おじさんになって新しい価値に気づくようになったからです。そうG-SHOCKの魅力は、なんといってもその「タフさ・頑丈さ」です。
G-SHOCKは「腕時計の上を通った最も重い車両」という耐久性に関するギネス記録を持っており、名実ともに世界一タフな腕時計です。実際の検証動画は以下です。
ハイスペック、、、いやどう考えてもオーバースペックだろ! というその頑丈さは、男心をくすぐります。少年はいつまで経ってもやんちゃでいたいのです。やんちゃな少年たちには宝石のあしらわれた繊細な宝飾品ではなく、ボロボロになっても使えるギアが必要なのです。
3階から落として壊れない腕時計に、ニーズが本当にあるのかよ、、、
普通ならそう考えて、そこに開発予算を回すのはストップするかもしれません。(3階から時計が落ちる、、え、1発で停学レベルのいじめぐらいじゃ??
すみません、わたしの想像力が貧相でした)
しかし、「世の中にまだないものを生み出す」。そしてそれが「信頼」につながったからこそ世界的ヒット商品が生まれたというのです。
まずは、以下のG-SHOCKの生みの親、伊部菊雄さんのインタビューをご覧いただければと思います。「世の中にまだないものを生み出す」という0→1は、今はありえない夢物語を、現実的にずーっと考えて、考えて考えて考えて、ブレイクスルーを掴み取ることなのかと考えさせられます。
そして生まれた過剰なまでの商品スペックが「信頼」を生み出すというのです。詳しくは以下のカシオ計算機株式会社の斉藤慎司さんのインタビューをご覧いただければと思うのですが、圧倒的な機能が信頼を生み出して幅広いユーザーの心を掴むのだそうです。
圧倒的に頑丈。他の追随を許さないタフさ。世界初の小型計算機を生み出したCASIOが作る、実用全振りの壊れない精密機器。。。超かっこいいです。ブランディングが明確です。分かりやすくカッコいいのです。
もちろんG-SHOCKには高品質なのに値段が手ごろとか、種類が多くてカラーバリエーションが多くて誰でも好きなデザインが見つかるとか、キャッチーな魅力もたくさんありますが、それは他の時計にもある魅力なのです。
壊れない腕時計と言えば一番最初に名前が挙がり、その期待に応え続けてきた歴史・信頼こそがG-SHOCKの唯一無二の魅力だと思うのです。
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2.GMW-B5000シリーズの魅力:不易流行
さて、G-SHOCK店舗に潜入した容疑者ですが、まだ犯人を絞り込むには足りません。G-SHOCKには40年の歴史があるのです。そらまた、色んな機種があるわけでございます。何千種類もあって、しかも毎年どんどん新作が発表されて、どうやって絞ればいいんだぁああと途方に暮れます。
しかし私は王道を行くのです。悩むことはありません。GMW-B5000シリーズの置いてあるショーケースに突き進みます。
おっと、探すまでもなく、自動ドアを開けて一番最初に目に飛び込んできました。さすが王道です。王の歩く道はいつだってど真ん中なのです。。。
はい、ウィットがウィットじゃなくなって、おじさんの長い話になってくる気配がしたので、GMW-B5000シリーズの話をしたいと思います。
「GMW-B5000シリーズ」は、1983年に誕生した初号機DW-5000Cのデザインを、35周年を機にフルメタル化(ステンレス化)したというものです。
(え、エヴァですか、エヴァンゲリオンですか!! と胸熱なのは私だけではないはずです)
さらにさらに、
電波時計(マルチバンド6)
Bluetooth機能(スマホとつながる)
ソーラー機能(タフソーラー)
という3つの先進機能が搭載されました。
ここまでがまず普通のスペックの話です。
そしてここからが男のロマンの話なのですが、GMW-B5000シリーズはステンレス化したので、重さが初代の樹脂だった頃と比べて約3倍なのです。その分、落としたときの衝撃が増えたそうなのです。つまり3倍壊れづらくしたというのです。耐衝撃性がましましなのです。
(つまりあれです、前世で学んだ物理っぽいやつです。物体が受ける重力の大きさWは、物質の質量mに比例して、 W=mg、、、みたいなやつです。あれですあれです。重いと衝撃がでかくなるのです。)
そして先進機能が増えて、耐衝撃性も増したのに、デザインが変わらない、、、つまりサイズが変わらない。。。部品の小型化がされているのです、見えないところにすごい技術が詰まっているのです。
まさに、不易流行です。温故知新です。古き良きデザインに、先進的な機能をもりもり。ルネサンスです。
詳しくは、以下のFORZA STYLEさんの動画の、6:50あたりからをご覧ください。高橋一生似のイケメン開発者さんが語る、最高にカッコいい技術の話です。
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G-SHOCKの中では他のですと、「GA-2100シリーズ」とかもかっこいいです。「GA-B2100-1A1JF」とか「GA-2110SU-3AJF」とか渋いし、お手頃です。
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あとは、G-SHOCKの最上位モデルの、「MR-Gシリーズ」ももちろん外せません。最上位なので30万とか40万とかしますが、和風な派手さがあるデザインが本当に渋くて、成金ぽくないというか、弁えた富裕層っぽい上品さがあって好きです。(??)
しかし、個人的には、やっぱり「GMW-B5000シリーズ」のスクエア型(角型・八角形型)のデジタル表示が一番かっこいいと思うのです。(決してMR-Gシリーズが手が届かないお値段だからという話ではなく、、、
いやでもMR-Gシリーズにもスクエア型あるよね。。。)
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3.GMW-B5000PS-1 JRの魅力:リ・クリスタライズド……あるいは再結晶
G-SHOCK店内で腕時計を物色する容疑者ですが、ここであることに気づきます。なんと、GMW-B5000シリーズはとても人気なので、定番モデルのシルバーやブラックはアウトレットには置いてありません。
なんということでしょう。もはや確信犯です。定番の人気を買う気があったらアウトレットには行きません。私はアウトレットで売っていそうな、「GMW-B5000シリーズ」のとあるモデルがお目当てだったのです。
ということで、長くなりましたが、ついに真犯人が明らかになります。
(あれ、途中から犯人=私なのか、商品=真実だったのかよくわからなくなっています?? もう訳が分かりませんが、細かいことは気にしないでください、、、)
2023年に誕生から40周年を迎えたG-SHOCKの限定モデル「G-SHOCK 40th Anniversary RECRYSTALLIZED」シリーズ。その中のシルバーのモデル「GMW-B5000PS-1JR」が私の目的のモデルでした。(わーぱちぱち)
ーーRECRYSTALLIZED・リクリスタライズド
ーー再結晶
それがこちらのシリーズの一番のポイントです。金属を加熱すると小さな結晶が生じ、それらが次第に合体して大小さまざまな結晶が現れることを「再結晶」と言います。
この腕時計はステンレスに熱処理を加え再結晶化させることで、細かい破片を散りばめたような結晶模様をあしらっているのです。
まあ理屈はともかく、マットな感じで、ギラギラしてないのです。石みたいで超かっこいいのです。渋いのです。
他の魅力は、「反転液晶」です。
白地に黒の文字が普通の液晶ですよね。その反転なので、黒字に白の文字なのです。
反転液晶は、液晶の持つチープなデジタルさの主張が抑えられて、とてもいいかんじです。
デジタル時計ってなんとなくずっとダサいと思っていたのですが、初めて見た反転液晶に心を打たれました。視認性が普通の液晶に比べて劣るらしいですが、知りません。カッコ良さ重視です。
腕時計改造界隈では、偏光板(偏光フィルム)を自分で買って、普通の液晶を反転液晶に変えるという人もいるらしいです。わかります、わかりますとも。この世の全モデル、反転液晶バージョンを作って欲しいです。
他にも深層硬化処理や、ロゴの特別感や、色々細かいこだわりがあるのですが、まあともかく私は再結晶がいちばん胸に刺さりました。刺さりまくりました。
店員さんが仰っていたのですが、傷や指紋が気にならないという現実的なメリットもあります。てか、もともとぶつけてあるんじゃねってぐらいボコボコです。(ついでにあんまりカッコいいとは思えない「PROTECTION」「G-SHOCK」の上下の文字も目立たないです。)
金色バージョンもあります。「GMW-B5000PG-9JR」です。肌に馴染みやすいカラーです。やっぱりこの石っぽさがいいです。和風な派手さがあるデザインが、カシオの特長だと思うのですが、この石っぽさはまさにそれだと思うのです。
しかしどうにもこうにも、くどいようですが、最大の魅力はやっぱり再結晶なのです。結晶の粒の大きさは不規則で、ひとつずつ違う模様や色調、光沢感を持つそうなのです。ただでさえ限定品なのに、そこに個体差があるなんてもう、オンリーワン大好きおじさん的にはもう堪らないのです。
あと、Amazonのレビューがいいんです。AmazonのレビューはGoogleの口コミより文学的な気がします。(Googleの口コミはクレームが多くて読んでて悲しい気持ちになります。)
「無着色トタン屋根の亜鉛の結晶化の様に綺麗」とか、「火成岩をピカピカになる手前まで磨いたみたいな石です」とか。やー、同志です。みなさん素敵な表現です。
「鉱山で働く渋いおじさんが帰り道になんとなく拾って来た鉱物を、友人で職人の渋いおじさんがやれやれしゃーねーなと言いながらも丁寧に磨き上げた、そんな武骨さと繊細が入り混じる、おじさんのおじさんによるおじさんのための時計」みたいなレビューを私も考えて、
Amazonに投稿して「100人のお客様がこれが役に立ったと考えています」って書かれたいなと思います。
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4.おわりに:購入できるのはいつもひとつ
お値段ですが、昨年、2023年の限定モデルで定価121,000円。。。それが1年型落ちで、なおかつ箱がないから、84,000円です。約30%オフでした。。。! お買い得でした。
パッケージの箱だけ無いパターンは、
・箱の製造が難しくて歩留まりが悪くて、製品の数と同じだけの箱が用意できなかった
・発注数をミスったとか、在庫管理をしていたはずがいつのまにか紛失したとか謎の理由で箱だけ足らなくなった
とかが考えられますでしょうか。まあ詳しいことは分かりません。限定の商品に限定の箱ですもの。何かしらは起こるでしょう。
ーー試着室で思い出したら本当の恋だと思う。
ーーひと晩寝かせても欲しかったら、本当に欲しいと思う。
勘のいい読者様ならお気づきになりましたでしょう。
写真の腕時計の日付が、7/6であることに。。。
そう、犯人(私)は二日連続、店舗に足を運んでいたのです。
(前回、アウトレットの店員さんはこわいとかふざけたことを抜かしていたヤツがいましたが、、、
G-SHOCKの店員さんは1日目試着だけ、翌日再度来店し購入するというクソださ&めんどくさムーブをした私にもやさしく対応してくださいました。とってもいい人でした。経験則に頼って自分の体験をさも一般論みたいに言うヤツは、こうやってくるっと手の平を返すから信用できないです)
ーー試着室で思い出したら本当の恋だと思う。
ーーひと晩寝かせても欲しかったら、本当に欲しいと思う。
ーーそして、買ったら大満足で、それなのにまた次のも欲しくなるのが本当の物欲だと思う。。。
そうです、やっぱりあともう何本かG-SHOCK欲しいなと思うのです!?
特にオリジナルジーショックをつくりたいです。「MY G-SHOCK」という商品で、15,400~24,200円で、パーツを自由に選んでオリジナルのG-SHOCKが作れるのです。なんと反転液晶もあるんです!(でも電池式なんですよね。。。二倍出すからソーラーも選ばせてほしい、、、)
さて、長くなりました。前話から合わせると一万文字近いです。長すぎですね。お付き合い頂き誠にありがとうございます。
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