ひねくれ革靴②【バーウィック】サイズというよりラストが問題&革靴初心者小1の壁
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1.バーウィック【スペイン発・最強コスパ】
バーウィック(Berwick1707)はスペインのコスパがいいことで有名な革靴です。「ブランド名に1707って入っているのに、1707年創業ではないぜ」という件についての詳細な説明等は、たくさんの方がYouTubeで動画をアップされているので興味がある方は検索頂ければと思うのですが、一つだけご紹介したいのが、「公式の工場動画」です。
バーウィックは有名な評判の良い革を使っていて、グッドイヤーウェルテッド製法という手間のかかる製法も取り入れているのに、なぜ安く靴を作れるのか? その秘密は、最新の効率化された工場で一貫生産をしていることです。ここだけ聞くと「ただの工業製品なのね、はいはい、大量生産ね」となってしまいかねませんが、下の動画を見て頂くとわかります。
あれ、、、て、手作業じゃん、、、と。
もちろんレーザー裁断機とか最新の機械は色々入っています。しかし機械で効率化をするところはしながらも、職人が一足一足大切に仕上げているということがよくわかります。
たくさんの機械が入りながらも、整理整頓がされ、綺麗に整えられた工場の動画は見ているだけでとても楽しいです。なぜこんなに素晴らしいのに再生回数が伸びていないのだろうと不思議です……
とてもとても面白いのでぜひ公式動画を見て頂きたいです。ブランドの紹介はいったんこんな感じで、つづいて私の持っているバーウィックの靴についてです。
バーウィックといえばタッセルローファーですが、私が持っているのはプレーントゥーです。スペインといえば赤というイメージがなんとなくあり(闘牛なのか、ワインなのか?)このカラーにしました。
私が持っている上記は、現在は廃版になっている「3680」のコードバンモデルです。アルゼンチンのロシナンテ社のコードバンを使っています(現在のモデルは、イタリアのロカド社のコードバンに変わっております)。
最初のうちは固くて履きづらいし、どうしてこんなに評判良いのだろうと不思議でしたが、色んな革靴を知ってから改めて履くと、しっかり作られている良い靴なんだなと1周回って思います。
きっと革靴好きな人はもう30周ぐらいした上でバーウィックが素晴らしいと言っているのだろうけれど、1周ぐらいでもわかる素晴らしさです。
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2.革靴のコスパって何??
ここまで明言を避けてきましたがバーウィックの価格帯はざっくり、8万円前後、4万円台、3万円台になっているかなぁと思います。ちょこちょこ価格改定しているので何とも言えないのですが、だいたいこの3ラインぐらいに分かれています。
「安くて三万円、、、これでコスパって、、、」
そう思ったあなた、まてぃ。
コストパフォーマンスは相対的なものなんです。海外製の本格革靴で3万円台って安いのです。関税が3割ぐらいかかってこのお値段なのです。
本格的な革靴は
・3~5万ぐらいがお手頃。
・5~10万ぐらいが一般的。
・10万越えると、高級ライン。
という感覚でおられる方が多いのではないかと思います。
つまりスペイン製で、良い革使ってて、グッドイヤーウェルト製法で、3万円台ならとてもお手頃なのです。
「いやいや相対的にいくら安かろうが、これは高すぎる!」
と思ったそこのあなた。まてまてまてぃ。
フリマサイトに気持ちが傾いていますね??
ちょっと待ってください。フリマサイトのここが怖いのです。
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3.サイズ選びがシビア
革靴はとてもサイズ選びがシビアです。というのも、「ラスト」と呼ばれる木の型に沿って革靴はつくられ、靴の内部の形が最終的に決まるのですが、メーカーによって異なるラストを使っており、サイズという同じ物差しで比べることが出来ないのです。
たとえばバーウィックだと、
・マヨルカラストは、甲の高さが低い
・ジャパンラストは、甲が高くて横幅が広い
そんな特徴があります。
なので甲が高い人だと、マヨルカラストだと25㎝だけど、ジャパンラストなら24.5㎝がいいとか。横幅はけっこう広いけど、甲はそこまで高くないという人は、ジャパンラスト25㎝に中敷きを入れるのが一番いい、とか。そんなことが起こります。
個人の感覚もあるので、実際履いて歩いてみないと分からなかったりします。スニーカーなら0.5㎝の差ぐらい誤差というか、気にならない人が多いと思うのですが、革靴はフィット感がとても重要で、履き心地や皺の入り方に大きく影響を与えます。そのため、0.5㎝違うだけで天国と地獄が決まり、サイズ選びがとてもシビアなのです。
また革靴は履いていくうちに沈み込みが起こって、サイズ感が変わるので、ちょっときつめのほうがいいとかそういうのもあったりだとか。歩き方のクセによっても変わったり、体重の変化の影響を受けたりだとか、もう本当に複合的で難しいです。シューフィッターという資格があるのも納得の難しさです。
つまり、安易にネット購入をせず、基本的には販売員さんと相談して、試着して買うのが一番です。
(そこで「店舗で試着だけしてフリマサイトで買う」というアイデアを思いついたあなた。私この件、とても熱く述べたいことがあります。しかし、この話は長くなりそうなので後回しにします。5話までお付き合いください)
ともかく革靴はサイズ選びがシビアです。私はこのバーウィックのプレーントゥーが最初、横が痛くてきつくて、全然履けませんでした。①ミンクオイルを塗る、②シューキーパーのネジを最大限に緩める、③週に1回だけ履く、という方法で2か月経ってからようやく履けるようになりました。
最終的に履けたからよかったものの、履けない期間は精神的にも参りました。足の痛みよりも、精神の方がやられます。既製品なのだから仕方ないですけれども、自分の足にぴったり合う靴というのは中々見つかりません。
極端に言えば、シンデレラになるぞと探し回るか(あれ逆?)、中敷きやらタンパットやらで調整するかしかありません。そして明確な解決策がなくて、妥協点を自分なりにどこに置くか? みたいな話になる気がします。
私なんて、右と左で足のサイズがけっこう違うのでもうお手上げです。ブログで一儲けしてビスポークがしたい今日この頃です。
自分の足の形にあった革靴のオーダー(ビスポーク)は安くても20万円とかします。1年に1足、5千円の靴を買う人からしたら、20万円は40年分ですね……
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4.革靴初心者小1の壁、シューツリー
革靴に興味を持って、初めて黒のストレートチップじゃない、趣味の革靴を買ったとします。最初にぶつかる壁は、まず脱ぎ履きだと思います。
これまで「靴紐なんて絞めっぱなし。かかとつぶして無理やり足を捩じ込むぜぃ」という方が、
「毎回きちんと靴紐を結ぶ、緩めてから脱ぐ。小さなシューホーンを持ち歩く。脱いだらシューツリーを入れてブラシをかける」
となるのは大変です。革命です。この辺が革靴一年生が不登校になる理由じゃないでしょうか……
ところでシューツリー(シューキーパー)ですが、バーウィックのものがこれまたコスパが良いと評判です。
靴が1足3万、4万でコスパがいい、っていうのは初心者には分かりづらい世界ですが、シューツリーは分かりやすいはず(?)です。
1セット3,960円です。これは安いのです。靴の数だけ買いたいものです。バーウィックじゃない革靴に入れるとしても、とてもおすすめです。
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5.革靴初心者小4の壁、革底(レザーソール)
小1の壁を乗り越えたと思ったら、次にやってくるのは革底(レザーソール)だと個人的に思います。
私はこの壁、未だに乗り越えられていません。分数の割り算と同じくらい意味がわかりません。挫折しています。
まず革靴の中には、靴底(ソール)が革(レザー)になっているものがあります。こんなかんじです。
これが、めちゃくちゃ滑ります。
ーーなんでこんなに滑るの??
ーーなんでみんな滑らないの??
ーー普段、絨毯の上しか歩かない生活してるの??
ブチギレたくなるぐらい滑ります。
具体的には1時間で2回すっ転んだことがあります。
ネットで対策を調べても、歩き方が悪い?! とか出てきます。
無理です、そんな次元じゃ無いよこれってぐらい転びます。そんな次元じゃないよってぐらい歩き方が悪いのか……
このバーウィックのソールは、ドイツの最高級の「JRソール」という廃版になったやつらしいのですが、転びまくった私は恐怖に支配されています。勿体ないし申し訳ないけれど、このまま履かなくなってしまうよりはいいだろうと、ハーフラバーをリペアショップでつけてもらいました。
あと個人的には、革底で綺麗でないお手洗いに行くのがイヤです。革から染み込んできそうで恐怖です。
ということで、革底の靴は、絨毯の上しか歩かない、綺麗なトイレにしか行かない日。つまり結婚式とかパーティの時だけしか履かないと思っています。
はてさて長くなりましたが今回お伝えしたいことは、二つです。
・革靴はサイズ選びがシビアなので、ネットで買わないで。試着して。
・バーウィックの公式のYouTube見て。
以上です。お付き合い頂きありがとうございました!!