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ひねくれ革靴③【パラブーツ】写真じゃ状態がわからんのじゃ&レモン市場&セルフ染め替え



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1.パラブーツ【万人が好きなこなれ感・こじゃれ感】

パラブーツ(Paraboot)。超有名なフランスの革靴メーカーです。革靴に興味が無い人でも、パラブーツとジーエイチバス(G.H.BASS)は知っている、という人は結構いるのではないでしょうか。

Parabootといえばシャンボードで、ローファーといえばG.H.BASSです。これは世界の常識と言えるんじゃないでしょうか!?(と思っていたら、本場フランスでは、パラブーツはミカエルやアヴィニョンの方が人気らしいです。世界は広いっす)


パラブーツは革靴業界では超有名ブランドで、これでもかというくらいたくさんの雑誌に取り上げられたり、ブログで取り上げられています。たぶんメディア露出はナンバーワンです。

メディア戦略が巧みとかっていうよりは、記事に取り上げやすい名品なのが理由だと思います。ノルウェイジャン製法、オリジナルのラバーソール、リスレザー、緑のタグ、という四つがよくあげられる特徴で、このほかにも色々深掘りしようと思えばたくさんの要素があるのですが、

ざっくり言うと、
・長い歴史があってフランス製で
・デザインがぼてっとしてて可愛げがあって
・雨に強くて滑りにくくて
というカジュアルのポイントを押さえた名作、ってことなのではないかと思います。万人が好きなこなれた感じなのだと思います。

詳細が気になる方は、誰でもパラブーツオタクになれるぐらいネットに情報が溢れているのでググって頂ければと思いますが、誰にでも書けるぶん若干変な記事もあったりするので、ちゃんとした会社が出している記事を見ていただくのがおすすめです。あとは、以下の公式本もあります。本ってカタログみたいで私は好きです。


話が戻りますが、革靴業界でメディア戦略が巧みなところってあるのでしょうか。

以下を見てください、またしても再生数が伸びていない公式動画です。。。

商品をぐるぐるしてるだけ。。。。

おいいいいい、やる気あるんかぁああああ!
フランス本社の偉い人が勝手なことすんなとかゆっとるんかぁあああ!

と思ったら、ありました。
本国の公式動画。

動画は短いし、再正解数も伸びていない。。。

おいいいいい、本国ぅぅうう! 
何をしとるんじゃぁああああ!!
今のポジションにあぐらかいて、手ぇ抜いとらんかぁああ!

と思ったら、ありました。良い動画。
みんな大好き工場動画。

これだけ再正解数が伸びてますね!
さすが工場動画です!!
53秒のところで、タンクトップ×スキンヘッド×メガネの超職人っぽいおじさんが登場するのでぜひ見てほしいです。

この動画一本あればすべて許せます。
早とちりしてごめんよ、パラブーツ広報の人。

あとはお値段がそれなりにする、というのも特徴です。日本で一番人気の、シャンボードちゃんですが、気になるお値段、税抜8万8千円です! 税込だとびっくり9万6千8百円でござんす。

おおお、消費税が1万円近くするんでごわすね。これはびっくりでごわす。

そうです、名作ゆえにちょっと高いのです。

「名品だろうが名作だろうが、1足10万?? 高すぎるわ!!」
と思ったそこのあなた。まてぃ。どー。どー。

フリマサイトに気持ちが傾いていますね?? 

ちょっと待ってください。フリマサイトのここが怖いのです。

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2.写真で革靴の状態はわからん、わからんのじゃ

まあまずは落ち着いて、私のパラブーツの思い出話を聞いてください。いわゆる購入体験記です。

私も世の一般ピーポーと同じく、雑誌やサイトにまんまと誘導され、パラブーツが欲しいなぁと思いました。どれが欲しいとかではなく、パラブーツが欲しいなぁと思いました。

パラブーツが欲しいとなったら、シャンボード、ミカエル、アヴィニョンの三択で悩みます。ウィリアムとランスも人気なものの、個人的に紐じゃない靴は別ジャンルな気がするので、選択肢には入りませんでした。

上記の三択は最初のポケモン選ぶみたいな楽しさがあります。シャンボードがミズゴロウ(水)、ミカエルがアチャモ(火)、アヴィニョンがキモリ(草)みたいなイメージです。

シャンボードは形が可愛いけど、モカ割れが許せないし、人とかぶります。超個人的な感覚ですがシャンボードの「モカ割れ」と呼ばれる現象が綺麗と思えないんです。

たとえるならミズゴロウが一番可愛いけど、人とかぶるし、水タイプってけっきょく「なみのり」なんだよなぁー、というあれです、あれ。あのなんとなく流されたくないっていう感情です。

シャンボードのコードバンモデルはモカ割れしないらしいからとても欲しいけれど、高すぎて買えません。(定価13万だとかします)

ミカエルは形が好みじゃないし、これまた人とかぶります。バシャーモはオラオラしすぎてて嫌っていう人、いるじゃないですか。あれですあれ。

アヴィニョンは好きだけど、なんかちょっと。。。「キモリ選んじゃうオレに酔ってたけども、意外と周りにキモリ選んでる奴もいたわ」みたいな感じです。わかりますでしょうか、「あ、キモリ選んじゃうオレって、こういうふうに周りから見えてるんだ……」って思っちゃうあれです、あれ。共感性羞恥的なやつです。

そこで僕は、ラルトスと旅に出たいと思います。ミツル君パターンです。ミツル君とサーナイトのコンビです。もしくはメガエルレイドのコンビです。

ということで、人とかぶるのがイヤで、しかしキモリも選べない私は、「アゼイ(AZAY)」というマイナーなモデルに決めました。日本であんまり売っていないモデルらしいのです。


上述の通りパラブーツは、どれもだいたい9万ほどします。さて、ここで某フリマサイトを覗いてみると、なんと3万円台が主流ではないですか!?

これなら3足、パラブーツが買えます。。。パラブーツを3足も買えば、あとはネットの記事を切って貼ってすれば、余裕でパラブーツブログが書けるでしょう。。。げへ。。。
新品の画像を付け足して比較すれば、買った当初からエイジングブログが書けます。。。完璧です。。。げへへ。。。

早速、シューキーパー込みで3万弱のお買い得なアゼイを見つけ、ぽちっとします。写真も綺麗で、これはラッキー! と思いきや、、、

あれ、、、

あれあれ、、、

分かりますでしょうか。。。

甲のあたり。履き皺のところが、色が変色しています。黒くなっていました。。。

これは埃とかが被った状態でほっとかれた結果ではないでしょうか。頑張ってステインリムーバーや、レノマットリムーバーを使ってごしごししてみますが、一向に黒ズミは落ちません。悲しみです。

※「そもそも他人の靴なんてよく見ないし、見たとしても距離があって全然細かくは見えない。。。こんなちょっとの黒いの気にしないだろ。。。」みたいな話はどうでもいいのです。これは趣味の話なのです。自己満足の話なのです。私が神経質なだけですね、はい。「そんなに神経質なら最初から新品買えよ」という正論もやめてください。


結論ですが、革靴の状態は、写真では全然わかりません。カメラの性能が上がっていて汚いモノをいくらでも綺麗に撮ることができますし、自然光なのか? 屋内なら照明は何色か? といった撮影した環境によっても見え方が変わります。黒と茶色が同じに見えたりもします。。。カメラアプリで自動画像補正なんかされた日にはもうやってらんないです。。。

悪意がなくても、綺麗に映ってしまう写真の力です。ここに悪意がまざったらどうなるでしょうか。。。。

まずシューキーパーを入れれば、甲の部分のダメージはかなりごまかせます。おまけにクリームを厚めに塗ったら最強です。優勝です。

そもそも写真に映りこまないように、隠している場合もしょっちゅうあります。写真がない箇所はだいたい怖いです。たとえばかかとの内側、当たり前のようにスレがひどいのに隠してたりとか。かかとのすり減りをうまいこと写真が見切れるようにしていたりとか。もうあの手この手です。

商品説明の文章も、「美品」とか「使用感が少ない」とかぜんぶウソかもしれません。どこにもそんな根拠はないのです。どれも主観で書いただけだから、保証はないのです。

ネットには、「フリマサイトで優良な出品者を見分ける方法」とかブログがたくさんありますが、正直、ケースバイケースだと思います。個人的にはたとえフリマサイト内での評価が高くても、それは要素の一つに過ぎず、品物の質を信用していい理由には足らないと感じます。

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3.中古靴×個人取引=レモン市場

レモン市場というワードを聞いたことはありますでしょうか?

ざっくり言うと、売る側にしかわからない情報があり、買う側は騙される。そんな状態が続くと、そのうち市場にピーチはなくなり、レモンだけになるよ、誰も買わなくなって市場が崩壊するよ、という話です。

レモンは皮が厚くて、外側だけでは中身がわからないので、買った後に不良品だと気づく物のたとえ。ピーチは外からわかる良いもののたとえ。
というかんじです。

レモンだらけになって市場が崩壊しないようにする対策は、法律でレモンを買わされた側は助ける、売った側には罰則を設ける、というものです。

フリマアプリは特に有効な罰則は無い印象で、ひとまずはアカウント停止ぐらいですが、買わされた側の救済としては、お金が返ってくるというのがあります。

ただこれは、そこまで救済になっているか微妙だと思います。

と言うのも、私はかつて購入した商品が破損していたときに運営に連絡して、販売者側と戦ってみたことがあるのですが、これがとてもやり取りなどが面倒で、これならもう買った自分が悪いからと泣き寝入りするほうがマシだと思うぐらいでした。

売り手側側も「アカウントを消して、また作り直せばそれでいいでしょ??」ぐらいのテンションです。

なので、実態としては救済出来ていない被害者はいっぱいいるのではないかと思います。

また、そこまで悪意がなくても、高値づかみをさせているケースもたくさんあると思います。

私が前に、一度、買ったものが商品説明と異なるので返品したい旨を伝えたところ、送料無料で返品OKときました。

しかし返品から数日後、その商品は私が購入したときより五千円ほど値上げして再度出品され、しかも商品説明はそのままでした。

1回分無駄になってしまった送料分をペイしないといけないから、価格に上乗せしてるのだと思いますが、これはけっこうひどいのではと思います、、、

文句を言わず、泣き寝入りしてくれる相手に買ってもらえるまで、延々と出品を繰り返しているのではないでしょうか、、、

まあそもそも私が返品したことが発端かもしれないのですが、、、いやでも無料返品が認められたんだから、確信犯だと思うんですけども、、、

そんなこんなで、やっぱり値付けに正当性があるのか非常に怪しいフリマサイトは、レモン市場になる可能性を多分に持っています。

「まあそれならそれで、私は新品で買うからいいし、自分は中古品を売るためだけにフリマサイトを使うよ。レモンを流す側に回るよ」って話なのかもですが、やっぱりぼったくられて泣き寝入りするひとは可哀想だと思います。それで革靴嫌いになったら悲しいです。

「本人同士が満足してるならそれでいいでしょ、これは売買じゃなくてCtoCなんです」みたいな開き直りは、詐欺と変わらないと思うのです!!


ということで、私はどうするかというと、、、

レモンをピーチにしちゃります!

立派に育てて、生まれ変わらせます!

クリームで!!笑

とりあえずミンクオイルを多めに塗りました。
見てください、
いい感じにエイジングしてるみたいになってませんか??
雰囲気、ありませんか??
エイジングと言い張れませんか??

(あれ、外面だけよくするのって、それってレモンでは、、、?)

いやいや、手放す時にもう市場には放出しないか、激安にすれば良いのです、たぶん。

それならレモンをばらまいていることにはならないのです、たぶん。

まあみんな詐欺師ってことですね🎵

この写真なら、五万で売れませんか??
いや、四万でも、、、

なんにせよ、捨てられたこいつがウチに来てくれたのも運命じゃけん。。。

このままじゃかわいそうじゃんけ?

綺麗にしてあげたいやんけ??

ギリギリ、見切れるように撮ります。。
暗闇と照明でごまかします。。

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4.セルフ染め替え ーカスタマイズすれば愛着も沸くー

中古の汚れたパラブーツを蘇生しようと思って色々クリームを塗ったくっていましたが、どうにも綺麗にならず、やけくそで詐欺師になりそうな私です。山月記なら、虎になってますね、はい。

中古なんてギャンブルなんだから、勉強代だと思って3万ドブに捨てようと思っても、ドブに捨てるには3万円はちょっと高いです。そこでです。

ーー諦めるのは早いのではないか?
ーー生まれ変わらせるんや!
ーーわての技術で!

(プロに染め替えを頼む選択肢も世の中にはありますが、1万円ぐらいかかるので私の選択肢にはありません!)

ということで、またしても、、、

クリームを買いました!!

(失敗した買い物のために、また金をかけている。。。。これが本当の安物買いの銭失い。。。。)

「イングリッシュギルド ビーズリッチクリーム」のダークブラウンを買いました。こちらは着色力が強いと評判らしいです。こいつで染め変えを試みます。

魔改造の時間です

パラブーツは磨く際、緑のタグにクリームがついて変色しないようにマスキングテープで保護しましょうとよく言われるのですが、そんなことはせず豪快にいきます。ぜんぶ焦茶にするぞという心意気で、漢らしくドバッといきます。

ドバっといきましたが、
あれ、なんか色が乗らない、、、

色がイマイチ乗り切りません。爪先なんか特にクリームが弾かれている気がします。あと、ノルウェイジャンのステッチのところ(外すくい縫いのところ)も塗ろうかなと思います。

もうあとには退かないのです。勿体ぶらずにクリームをドバドバっと行きます。爪の間まで茶色になります。小さい頃のどろんこ遊びみたいで楽しいです。

小さいブラシで塗るぜぇ。
あれ、塗りすぎたぜ??
そしてブラシが一本、寿命を迎えてしまったぜぃ。
とりあえず、一晩寝かせてみるぜぃ。
翌朝、、、ムラが凄いぜぇ。。。
も、もう一晩、寝かせてみるぜ。。。
(現実逃避、問題先送り)
さらに翌朝。。。
何も変わってないぜぃ。。。
むらだらけだぜぇ。。。


二晩寝かせてみましたが、どうにも好転しないので、押してダメなら引いてみろ作戦に出ます。リムーバーで落としてみようと思います。

みんな大好きステインリムーバーの出番です
左がアフター、右がビフォーです。
どう見ても落とし過ぎて肌色になってますね。。。

落ちちゃったら、また塗ればいい。。。
ということで、反省を生かし、クリームを薄く塗っていきます。

すると、、、

・・・おや!? 

がんばって拭いてみたり、
ブラッシングしてみたりしていくと……


『・・・おや!? パラブーツの ようすが・・・!』




『おめでとう! マロンはカフェに進化した!』

!!!!!!

いい感じになった気がするぅぅうううう!!
やりました、ついにやってやりました!

うちのレモンがピーチに生まれ変わりました。
これはもうヒンバスがミロカロスになった時ぐらいの感動があります。

これなら、将来、あの革靴ブロガーが育てた靴として高値で売れるのでは??(錯乱)


はてさて好き勝手書いてまいりましたが、一生でもうあと1つのブランドの革靴しか買えないとしたら、パラブーツを選ぶというぐらい好きです。奥深くて幅広い、特徴がたくさんある素敵なブランドだと思います。(ちょっとお値段が高いだけで。。。)あと2足買いたいぐらいです!笑

長くなりましたが今回お伝えしたいことは

中古靴はリスクだらけ・個人間取引はリスクだらけ。つまり、フリマサイトの革靴はレモン市場

ということでした!
お付き合いいただきありがとうございました!!


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