【MTG レガシー】ウィザードシフト完全解説:概要編
はじめまして、むーむーと申します。
レガシーは2016年頃からプレイしており、その頃からずっとオリジナルのウィザードデッキを愛用してきたプレイヤーです。
先日、ウィザードシフトを使用してLast Sun予選の権利を獲得することができ良い機会と思い、このデッキを広めるべく解説を書くことにしました。
近年のマジックではあまりない、相手の行動をロックしたり、そうかと思えば急にコンボで勝ったりと、面白いデッキとなっております。
このデッキを知らない方は勿論のこと、知っている人でも相手にした際の対処の助けになるかと思いますので、ぜひ読んでみて頂けたらと思います。
記事は完全解説しようと張り切った結果、かなり長くなってしまったので前後編に分けることとしました。
後編では
「各主要デッキ相手のサイドボーディング」
「小技集」
「現在不採用だが採用する可能性のあるウィザード」
あたりを説明する予定となっています。
なお本記事は200円の設定をしていますが、全編無料で公開しております。
初めて記事を書く為、拙い文章になりますがご容赦ください。
(もし読んでみて面白かったら購入して頂けると励みになります)
それではどうぞ。
ウィザードシフトとは?
リスト
それでは早速リストを見ていきましょう。
下記は私がLast Sunの権利獲得した際のリストになります。
デッキ概要
簡単にデッキの動きを解説すると、序盤~中盤にかけては≪守護ウィザード≫を中心としたウィザード達を展開して相手を妨害・ソフトロックをかけ、動きを抑え込むことを目指します。
相手のスペルが通らなくなるように妨害し続け時間を稼ぎ、最終的には≪パラダイム・シフト≫≪タッサの信託者≫を揃えることで勝利するデッキです。
デッキ名の「ウィザードシフト」は、この
"ウィザード"達で妨害し、パラダイム・"シフト"で勝利することから命名しております。
リストだけだといまいちつながりが分からないかと思いますので、各カードの関連、役割をまとめてみました。
なんとなくデッキのイメージはつかめるかなと思います。
細かく説明すると、このデッキの戦略には2つの軸が存在します。
それは
①ウィザード軸
②コンボ軸
です。
この2つの戦略が独立して存在しつつ、相互補完しあうことによって多様なレガシー環境でも戦える動きがとれる様になります。
戦略① ウィザード軸
ウィザード軸 では序盤からウィザードを展開し、≪守護ウィザード≫で相手の呪文を通さないようソフトロックをかけることを目指します。
とにかくウィザードの頭数を盤面に残すことが重要であり、数が多くなればなるほど≪守護ウィザード≫のロック力は強固なものとなっていきます。
レガシーはランドの枚数が少ないデッキも多く、またインスタント除去を持たないデッキは≪守護ウィザード≫が定着しやすく、拘束を解くことが難しいため、それらのデッキ相手には非常に効果的な動きになります。
例:ショーテル、ANT、Doomsday、セファブレ、アルーレン等
クリーチャーを沢山並べるものの、殴りに行ってしまうと拘束が緩まってしまうため、よっぽど並べない限りはコンボを決めて勝ちに行く必要があります。
戦略② コンボ軸
コンボ軸 では≪パラダイム・シフト≫を打ち、≪タッサの神託者≫を出すことで即勝利することを目指します。
最速3キルが可能で、狙いに行く時は主に下記のパターンでキープします。
1ターン目に≪霊気の薬瓶≫を展開、3ターン目にカウント2の状態で≪パラダイム・シフト≫
1ターン目に≪意志の力≫、2ターン目に墓地が1枚ある状態で≪パラダイム・シフト≫
非青デッキ、妨害が少ないデッキに対しては非常に有効な動きになります。
特にウィザード軸の戦略が効きづらいランプ系に対しては序盤から積極的に狙っていきます。
例:デスタク、Post、Lands、デプス系等
相手が青い場合、妨害がある場合はウィザード軸で先に盤面を作り、最終的にコンボを通す目的でウィザードを構えてから仕掛けることが多いです。
また、≪パラダイム・シフト≫は墓地の枚数が多くなってしまうと打っても勝てなくなるという弱点がありますが、そこもウィザードを並べて信心を高めることで回避が可能であり、補完がとれています。
次に採用カードについて説明していきます。
採用カード解説:クリーチャー
クリーチャーの枚数は気を付ける必要があり、あまり少なすぎると≪守護ウィザード≫のバリューが下がってしまうため、個人的にはどのような形で組んでも最低22枚は取るようにしています。
このデッキのキーカードであり、当然4枚採用です。
盤面のウィザードを全て≪目くらまし≫化させます。
タップアウトレット能力であるため、本体も召喚酔いに影響せずに即起動が可能です。
相手を止められるうちはひたすらウィザード達を構える動きが強いため、≪守護ウィザード≫を着地させたら殴りに行くのはやめましょう。
1マナ枠。
≪守護ウィザード≫と一緒に並ぶと、1枚で2マナを要求できるため、見た目より拘束力が高くなります。
例えば3ターン目にこれと≪守護ウィザード≫が並ぶと、返しの1マナスペルに対する抑止力になります。
(≪暗黒の儀式≫などの仕掛けを止めることが出来る)
序盤からテンポよく頭数を並べたい都合上、1マナ枠は6~7枚とっていると結構安心です。
今は枠の都合上2枚採用ですが、3~4枚取っても強いカードです。
1マナ枠。4枚。
占術で次のドローを良くしながら盤面を増やせるため、序盤に絶対に引きたいです。
フェアリーであることも重要で、後述する≪呪文詰まりのスプライト≫を強く使うことが出来ます。
飛行枠でもあり、苦手なデルバー系に対してチャンプブロックして時間を稼ぐという重要な役割も担っています。
4枚採用。
場に出た時にフェアリーの数以下のスペルをカウンターするウィザード。
序盤から相手を妨害しつつウィザードの頭数を増やせる動きが強いです。
瞬速が偉く、序盤はこれか≪通り抜け≫を構えながらゲームメイクしていくことになります。
そして貴重な飛行枠です。
説明不要の強力カード。
このデッキでは単に勝ち手段としてだけでなく、ウィザードである面も十二分に活用するため、4枚採用しています。
なので気を付ける点としては、出し惜しみせずに基本的に序盤は出していく方が良いです。
変則的なトップ操作能力が強力であり、信心が増える後半では概ね欲しいカードが手に入るようになります。
後述する≪ミストメドウの消滅者≫とは相性が良く、場に出したタッサを何度も再利用する目的で探しに行くことも多いです。
サイド後に特定のカードを探したいときにも有効です。
また、地味なテクとしてチャンプブロックが必要な場合は優先して差し出してください。
≪パラダイム・シフト≫は墓地をライブラリーに変えるため、後からタッサを引くことが出来るようになります。
青Xで唱え、X個の+1/+1カウンターが乗った状態で場に出るウィザード。
アップキープに1個取り除いても良く、そうした場合はカードが引けます。
取り除くのは任意なので、≪オークの弓使い≫がいる場合は引かないことも選べます。
エルドレインの森から入ってきたニューフェイスですが、これは強い!
序盤からX=1で2マナ1ドロークリーチャーとして使っても良し、中盤以降に余ったマナを全てつぎ込んでも強いです。良いマナフラ受けになっています。
念願だったドローができるウィザードであり、カードが引けるのは偉いので4枚採用です。
≪霊気の薬瓶≫と相性がちょっと悪いくらいしか気になるところがありません。
貴重な盤面に干渉するウィザード。
場に出た時に自分以外のクリーチャーかプレインズウォーカーをバウンスすることが出来ます。
また、そのターン中に自分のパーマネントを戻していたことがある場合はエンド時にドロー能力が誘発します。
プチコンボとして、≪雲の宮殿、朧宮≫と組み合わせて毎ターンドローを誘発させるのも強力です。
基本は相手への干渉に能力を使いますが、ドローするために自分のカードを戻すことも結構あります。
余裕がある場合は≪タッサの神託者≫と組み合わせて≪パラダイム・シフト≫を探し、その後バリンでタッサを回収することでコンボに向かう動きも選択肢に入れると良いでしょう。
カードパワーは高いものの、3マナと重いため、≪通り抜け≫からのサーチ目的で1枚採用です。
ユーティリティ枠として1枚採用。
機械兵団の進軍:統率者 に入っているマイナーカードですが、唯一無二の能力を持っています。
これでしか返せない局面があるため、必ず1枚は取りたいカードです。
能力はタップ状態になると、土地でもトークンでもないパーマネントを最大1枚対象とし、追放することができます。
その追放されたカードは次の終了ステップの開始時に戻ってきます。
≪ちらつき鬼火≫のようなブリンク能力をマナもかからず何度でも使うことが可能であり、色々なカードと相互作用します。
誘発条件も緩く、殴りに行った際は勿論、≪守護ウィザード≫のコストに充てた時にも誘発します。
主な役割を羅列すると、下記のようになります。
≪守護ウィザード≫と合わせて、≪突然の衰微≫のようなカウンター出来ない除去からクリーチャーを追放して守る
ブロッカーを1体追放しながら殴りに行く
上記派生で、≪秘密を掘り下げる者≫や≪浪濁の執政≫をブリンクして小さくする
≪タッサの神託者≫や≪フェアリーの予見者≫をブリンクしてETB能力を使いまわす(特に≪パラダイム・シフト≫を探しに行きたい時など)
≪パラダイム・シフト≫プレイ後に≪タッサの神託者≫をブリンクして勝利
≪倦怠の宝珠≫のような致命的な置物を一時的に追放してからコンボを通しに行く
採用カード解説:スペル
こちらも説明不要な強力カード。
劇的にテンポが良くなるため、よほどなことがない限り4枚採用でしょう。
レガシーやるなら4枚です。
サイド後抜くことは多いです。
勝ち手段。
自分のライブラリーを追放し、その後墓地をライブラリーにします。
4枚採用なのは、序盤からコンボ仕掛けたい場合は勿論、墓地が肥えてしまう後半に重ね引いても連打することでライブラリーを必ず1枚にすることが出来るためです。
サーチ枠。今は2枚採用してますが、3でも良いです。
ただし≪霊気の薬瓶≫が無い状態で引きすぎると展開するのに著しくテンポを損なってしまうため、4は入れれないかなという印象です。
ウィザードサイクリングという特殊なサイクリングを持ち、ウィザードなら何でもサーチ可能です。
サーチはサイクリング誘発なので≪もみ消し≫以外でカウンターされることもほぼありません。
まさにこのデッキではインスタントの打ち消されない≪悪魔の教示者≫となります。
ただし選択肢が広く、ある意味このデッキで一番プレイが難しいカードです。
有効な戦略を見極めて、何をサーチするのが一番良いのか常に考えてプレイが必要になります。
採用カード解説:土地
気を付ける点として、
「青マナが出る、島でない特殊地形」を4枚程度とることを意識しています。
これは青単かつ≪守護ウィザード≫でマナを縛りたい戦略上、サイド後の≪花の絨毯≫が非常に厳しく、島を置かないで展開したいためです。
また、
「クリーチャーに使える青マナ源が最低18枚」も同様に意識しています。
≪守護ウィザード≫がトリプルシンボルである都合上、これ以上減らすのはお勧めしません。
18あれば後手3ターン目には概ね3枚手に入ります。(18/60 = 3/10)
先手では少し足りないですが、≪フェアリーの予見者≫≪創意の神童≫のバックアップがあるので何とかなるでしょう。
島は10枚採用。
不毛がありそうな相手には先に出し、サイド後の緑相手なら≪花の絨毯≫ケアで他の土地から置くようにしましょう。
部族に許された最強ランド。当然4枚です。
構えている相手にこれから≪守護ウィザード≫を展開して崩していく動きがとれるのは特に強いです。
不毛も4枚。
≪霊気の薬瓶≫を置いた後に不毛する動きは、こっちのテンポ損が起きないので非常に強力です。
土地を割る行為は後々ロックする時に効いてきます。
≪守護ウィザード≫後の事を考えて、色マナより≪古の墳墓≫のような2マナランドを優先して割る場合が多々あります。
大田原は2枚採用。
縦置き出来る青マナランドでありながら、盤面触れるのは偉いです。
このカードを有効に使うには自分のパーマネントに打つ選択肢を常に持っておくことが重要です。
特にカウンターが枯れた≪創意の神童≫を戻して再利用したり、≪タッサの神託者≫を戻す動きは良くやります。
1枚採用。
≪トレイリアの大魔導師、バリン≫との噛み合いが良いです。
マナを立たせられる場合で、島がない場合は不毛ケアで先に置くこともあります。
1枚採用。
≪トレイリアの大魔導師、バリン≫をアンタップさせて2回≪守護ウィザード≫を起動することが出来ます。
採用カード解説:サイドボード
3枚採用。
苦手なデルバー相手や、サイド後に≪紅蓮破≫が予想される相手に主にサイドインします。
X=1で置いた場合に、こちらの1マナクリーチャーは≪魂の洞窟≫から唱えれば展開出来るのは覚えておきましょう。
2枚採用。
墓地対策目的としては少し重く、主にゆったり墓地を使う相手にサイドインする想定で採用してます。
デルバーや青黒想起、ウーロ要するコントロール相手によく効きます。
サイド後の勝ち手段になることも多いです。
また≪ミストメドウの消滅者≫と相性が良く、搭乗のコストにすることでブリンク能力がインスタントタイミングで自由に使うことが出来るようになります。
2枚採用。
盤面のクリーチャーを止めるのが苦手なデッキであるため、その対策に採用しています。
他にはショーテルにも入れます。
1枚採用。
リングフォージや8castに劇的に刺さりますが、メタによっては無くしたり増やしたりする枠になります。
2枚採用。
スペルコンボ系にはだいたいサイドインします。
≪意思の力≫と合わせて後手でもキープ基準になるのが心強いですね。
先手1キルしてくるような相手にも甘えたくない場合は採用しましょう。
2枚採用。
青単が取れる貴重な除去です。
2枚採用。
≪虚空の杯≫との噛み合い上、≪外科的摘出≫ではなくこちらを採用しています。
リアニ系は勿論のこと、The Spyやセファブレなどに主にサイドインします。
1枚採用。
1枚でもウィザードサイクリングから持ってこれるので問題ありません。
主に土地コンボ系相手にサイドインします。
ただし≪暗黒の深部≫相手には注意が必要で、山として置かれる際はカウンターが乗らないため、その後月メイガスが死ぬとマリットレイジが即座に爆誕してしまいます。
出来る限りケアして動きましょう。
プレイ指針
≪守護ウィザード≫が早期に出せるよう意識する
≪守護ウィザード≫は着地したら強力な反面、青トリプルのマナコストが厳しいので、意識しないと出しずらいです。
例えば2ターン目に≪魂の洞窟≫か≪不毛の大地≫のどちらを置くか迷った時は、≪魂の洞窟≫から置きましょう。
切るつもりのない≪不毛の大地≫先出しはこのデッキではあまり良くありません。
※すぐ起動するつもりなら≪不毛の大地≫を置くのはありです。
3ターン目アップキープ時、このような場面はどうでしょうか。
ウィザード軸で攻めていくなら、アップキープにカウント2の≪霊気の薬瓶≫を起動し、≪タッサの神託者≫を出して青マナ土地を探しにいくのが正解になります。
ハンドにあるコンボを崩すことに抵抗があるかもしれませんが、≪タッサの神託者≫や≪通り抜け≫後引き、バウンスや≪ミストメドウの消滅者≫での再利用など受けは多くあるので、恐れず出してしまいましょう。
ウィザードサイクリングは引き付けて使う
相手の3ターン目の終了時、こちらのマナがフルオープン、≪霊気の薬瓶≫カウント2とします。
この時、ウィザードサイクリングを打つのか、打たないのか、打つなら何をサーチしますでしょうか。
もし≪守護ウィザード≫をサーチする予定なら、終了時に打たない方が良いです。
そもそも次のターンのドローで引くかもしれないですし、場に出すには≪霊気の薬瓶≫のカウントを3に上げて展開することが予想できるので、先にサーチしてしまうと≪守護ウィザード≫を持っていることが相手にバレてしまいます。
ここでの適切なプレイとしては、相手ターンは何もせず自分のターンを迎え、相手が何か動いてきたら初めて≪守護ウィザード≫をサーチして≪霊気の薬瓶≫から出すと良いでしょう。
マナ効率的にサイクリングしたいと思いますが、先にサーチするとハンドがバレるリスクと天秤にかけてプレイしましょう。
今回はここまで
ウィザードシフトの概要編はこれで以上となります。
ここまで読んだ方、ありがとうございました。
面白そうなデッキだなと興味を持った方はぜひ使ってみてください!
また後編でも宜しくお願いします。
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