世界の再構築者は3匹の猫耳少女に殺される!? 2-4 非日常④

「地震だ! かなり大きいぞ!」

 職員室に誰かの声が響いた。
 どうやら地震が発生したようであるが、その場に崩れ落ちた俺にとってはどうでもよい事だった。
 だが、そんな俺にどこからか声がかけられた。

『落ち着い……て……』

 確かに俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
 ハッとその声に耳を傾ける。

『いまは……ここから離れて……』

 何度もその声が、頭の中に直接語りかけてくる。

『あなたは誰? 俺を知ってくれている?』

『そう……私はあなたを……知っている……安心して……あなたは……ひとりじゃ……ない……』

 頭の中でその声に応えると、確かにそう返してくれた。
 俺を知ってくれている。
 誰かはわからないけど、ひとりぼっちになった今はその事実だけでも膝を、心をなんとか持ち上げることができた。
 次の瞬間。

『バチ』

 スパークしたような音とともに停電が発生した。
 まだ午前中であるためそこまでは暗くはないが、担任は停電した事実自体に驚いて焦っている。

「逃げるなら今しかない。」

 担任の一瞬の隙をついて職員室から駆け出していった。
 職員室から出ると同時に揺れは収まった。
 地震は揺れが長く続いていたものの、震度はそこまで大きくなかったのか被害は出ていないようである。
 廊下は生徒たちが教室から出てきたり、友達同士で安否を確認しあったりとかなり騒ついていたため、少々走ったところで目立つことはなさそうだ。

「よし、今なら誰にも気付かれずに外に出られる。」

 廊下を一心に走っていると、昨日まで自分が通っていたクラスの前に差し掛かった。
 そこで、マサと柳原さんと目が合った気がしたが、お互い一言も発することなくすれ違い、俺は駐輪場へと駆けて行った。

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