ケルティック・クリスマス
【過去の演奏会より】
日時 : 2023年12月1日(金) 18時
場所 : 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
・ダーヴィッシュ(アイリッシュバンド)
・ルナサ(アイリッシュバンド)
・デイヴィッド・ギーニー(アイリッシュダンス)
【演目】
ケルティック・クリスマス
(妖精の国・アイルランド発 アイリッシュ音楽とダンス)
アイリッシュの音楽は数年前のヨーロッパの店でも路上でも聴くことができた。陽気でテンポが上がって盛り上がる。とても楽しい印象で、私は今回の演奏会を楽しみにしていた。
まずは第1部のルナサ・ステージ。フルートやティンホイッスルのケヴィン・クロフォードさんが日本語を交えての絶口調を見せ、つかみはバッチリ。彼とイリアンパイプで作曲家のキリアン・ヴァレリーさん、フィドルのショーン・スミスさんがアイリッシュの色をつけ、ベースのドレヴァー・ハッチンソンさんとギターのエド・ボイドさんが音楽を支える。やはり街中の連中とは技術はともかく、楽器が違う。とてもいい音で、それが重なるから、演奏は精密さに迫力を加え、アイリッシュ音楽の魅力を満載した、とても聞き応えのあるものだった。
第2部のダーヴィッシュはなんといっても、ヴォーカルのキャシー・ジョーダンさん。彼女は打楽器のバウロン、動物の骨を合わせ叩くボーンズ、そしてウクレレのような小型のギター、MCも達者。でもやはり彼女の歌は絶品。ヴィヴラートの少ないストレートでピッチが気持ちのいいソプラノはバンド音楽のメインだった。そしてアンコールで歌われたソロは、まるで日本民謡を思わせるこぶしを回すような歌い回しで日本とアイルランドのつながりを感じさせた。このバンドでもフィドルのトム・モロウさん、アコーディオンのシェーン・ミッチェルさん、そしてリアム・ケリーさんがアイリッシュらしい高速弾き、それを支えたのが、マンドーラのブライアン・マクドナーさんと、ブズーキのマイケル・ホルムスさん。ベースが薄目で少し音楽が軽めかと思ったが、打楽器のバウロンがしっかり低音で音楽を安定させていた。
アイリッシュダンサーのデイヴィッド・ギーニーさんは紹介さえていた数々の受賞記録通りのダンス技術と相反する人柄の良さを見せて、さらにダンスは輝きを見せた。金属のヒールで踊るタップの速さと正確さは圧巻だった。
舞台はまるで緑の島“アイルランド“の森の中にいるような大木と緑に囲まれたセットで、スクリーンには大自然を動画で映し出し、まるでそこにいるかのような臨場感だった。また、後半では“ケルティック・クリスマス”の雰囲気を出すセットで、とても見応えがあった。
兵庫県立芸術文化センターの中ホールはこうしたオンマイクでのコンサートに程良い響きと大きさで、また中ホールでの催し物を見に行こうと思った。
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