ハドソン川の奇跡(2016)
民間航空機がエンジントラブルによる故障のため、急遽ハドソン川に不時着水したが、誰一人として犠牲者を出さなかったという、まさに奇跡のような実話を元に製作された映画だ。
バードストライクによるエンジントラブルからわずか208秒後にはハドソン川に着水したというから、いかに素早い判断で安全な選択をしたのかがこの経過時間からも窺い知れる。
ただ、この物語で注目されたのは、奇跡の着水を成功させた機長の英雄談ではなく、実はパフォーマンスでハドソン川に着水させたのではないかという事故調査委員会のあらぬ疑いだった。
ただでさえ、乗客155人の命を預かったフライトで生死を分ける判断をし、それを成し遂げたあとだというのに、あまりにも過酷な疑いだ。
事故調査委員会では、なんどシミュレーションしても無事空港に帰還することができたと主張しているのだが、果たしてどうやってその主張を覆したのか?
主演はトム・ハンクスで、実際に機長がそうであっただろう心情をリアルに表現している。
作られた映画もおもしろいが、ストーリーとして実話に勝るものはないなと感じた作品だった。
自分の仕事で、これだけ差し迫った状況になることは100%ないので、自分にとっては作られた話と同じようなもんだが、映画としても事実を忠実に再現しているのでいい作品だと思う。