仮面病棟(2020)

最愛の恋人を事故で死なせてしまった速水(坂口健太郎)は、その恋人の兄である小堺から田所病院の当直医のバイトを引き受けることになった。

田所病院では認知症と身元不明者のみの受け入れを行っており、業務的にはなんの問題もなかったはずだったが、その夜病院近くのコンビニでピエロのお面を被った強盗事件が発生し、犯人が人質にとった女性、川崎(永野芽郁)と一緒に速水のいる病院に立てこもることになった。

犯人から川崎の治療を要求された速水は、本来使われていないはずの手術室で治療をすることになるが、何年も使われていないにしては設備が整いすぎていることに違和感を覚えた。

病院長の田所と看護師の東野・佐々木、そして速水と川崎は病院に閉じ込められ、犯人の指示に従うよう軟禁される。

速水はスキを見て川崎とこの違和感のある病院内を探索するが、ついに東野が殺されてしまう事態が発生する。

さらに探索を続けた速水は隠し扉の向こうにいる特別室の入院患者を発見するが、そこには驚くべき事実を隠した田所病院の真の姿があった。

そしてピエロの目的も徐々に明らかになり、それは想像を超えるクライマックスに発展していくのだが、速水はその事実に気づくことができるのか。

登場人物はさほど多くないものの、主要人物を演じた坂口健太郎、永野芽郁、そして高嶋政伸ら俳優陣の演技力が光り、適度な緊張感・ハラハラ感を感じさせつつ間延びしない構成となっている。

これがサスペンスの部類に入るかは難しいところだが、近年の邦画の中では比較的おもしろい部類に入る作品だと思う。