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プロテイン哲学
荒波をいなすフリーランス。社員を叱咤激励し、時に優しく語りかける管理職、そして社長と呼ばれる人たち。そんなパワフルな人たちがこぞって夢中になるものがある。プロテインだ。
彼らとの雑談の中で、なぜかいつも話題は健康にたどり着く。「最近どう?」なんて質問に始まり、やがてジムやトレーニング器具の話題へ。そして最終的には食事管理、プロテインの話で締めくくられる。
独身でも既婚でも、彼らの家にはトレーニング部屋があり、ダンベルやバーベル、ランニングマシーンが立ち並ぶ。さらに、トレーニングをしながら映画を観たり、本を読んだり、絵画の鑑賞までしている。頭も身体も、同時に強化されていく。モンスターファームにも欲しかったトレーニングだ。
そういえば、会議中にプロテインシェイカーを振りながら飲んでいる姿を見たこともある。会議室の片隅で、無意識にシェイカーを振るその姿は、まるで決戦に挑む戦士のようだ。彼らは豪快で、余ったプロテインをそのままプレゼントしてくれることもある。数日後、「プロテイン効いたでしょ?力が湧いてこない?」と言われると、思わず「確かに…」と答えたくなる。もしかしたら気のせいかもしれないが、プロテインを飲んでいる間は丹田から全身に気が巡るような錯覚に陥る気がする。
では、なぜ彼らがこれほどまでにプロテインに魅了されるのか。その秘密はおそらく、男性ホルモンの力にある。日々精力的に生きる人々は男性ホルモンが活発と言われている。その活力を維持させるため、男性ホルモンは人を自己強化、すなわち筋力トレーニングに向かわせる。こうしてホルモンが更に分泌され、体だけでなく心も徐々にマッチョになっていく。そのブースターがプロテインなのだ。
今日も彼らはプロテインシェイカーを振る。己の力を信じ、未来に挑むために。