「未熟で選ばれた罪を、それでも背負えるか。」(181日目)
■概要。(2020/06/27)
「第3期インターン生の応募募集を締め切った事を受けて、西野亮廣よりの応援と慰労を届けるお話。」
※当時の「西野亮廣エンタメ研究所」の記事を、感想と転用例を追記して再掲載します。
■本日の応援者。
この記事は、「初代の彼は、今でも変わらず背負っている。by中崎雄心」の提供でお送り致します。
■以下、本文。
6月27日(土) ※6月29日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
蜷川実花さんの映画制作の美術セット作りのボランティアに正面から応募したキングコング西野です。
#メチャクチャ楽しみすぎる
昨日はゴリゴリのビジネストークをさせていただきました。
「プロダクトが売り物になりにくくなる未来」は確実にやってくるので、昨日の記事は頭の片隅にでも置いといてください。
さて。
今日はビジネストークは一旦お休みさせていただいて、今現在、このサロンの中にいる【若手メンバー】に向けてメッセージを贈りたいと思います。
娘のピアノの発表会を見守る母親のような、ほがらかな顔で、お付き合いいただけると嬉しいです。
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▼ タイミングと責任
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いきなり自分の話から入らせていただきます。
僕が20歳の時に『はねるのトびら』という番組かスタートしました。
ビートたけし、明石家さんま、ダウンタウン、ナインティナイン…といった時代を代表する芸人が「8年周期」で現れていることを受けて、フジテレビがナインティナインに次ぐスターを輩出すべく『めちゃイケ(元・めちゃモテ)』から8年後に立ち上げた番組です。
この時のフジテレビの気合いの入りようは半端なくて(ホント、凄かった!)、番組レギュラーのオーディションは全国で(1年間かけて)開催され、当時、全ての芸人がこのオーディションに参加しました。
ブラックマヨネーズさんも、フットボールアワーさんも、チュートリアルさんも、おぎやはぎさんも、劇団ひとりさんも、品川庄司さんも…本当に全ての若手芸人が。
この番組に選ばれると運命が変わることを知っていたので、皆、殺気だっていました(笑)
当時、僕はまだ19歳で、つい先日まで田舎の普通のハンサム高校生です。
当然、先に挙げさせてもらった先輩方のような才能も実力もありません。
ところが最後(オーディション開始から一年後)に決まったのは僕らで、僕は別室に呼ばれて「この番組は、お前が真ん中でいくから」と言われました。
もちろん嬉しかったです。
ですが、
僕は、自分達よりもオーディションでウケていた(スタッフさんから笑いをとっていた)先輩方の姿を見ているので、この結果が自分達の実力によるものではないことを知っています。
「実力」ではなく「将来性」を買っていただいことを知っています。
オーディションを受けた全ての芸人の中で、キングコングが最年少でした。
そのタイミングで『はねるのトびら』のオーディションが始まったのです。
生まれてくるのが、あと1年早かったら、同じ結果にはなっていなかったでしょう。
もちろん、そこに至るまでにはたくさんの努力を積みましたが(※血を吐くほど努力したよ)、最後の決め手となったのは、「若手だけでゴールデンを張る番組を作る!」というフジテレビの理念と僕の思惑といった二つの相性、そしてタイミングでした。
それでしかありません。
「実力で選ばれたわけではない」と思う度に、レギュラーに選ばれなかった才能ある先輩方に対する申し訳なさが湧いてきました。
そして、叶わなかった多くの人の願いの先に、自分のような半端者が立たせてもらっている重圧も。
とくに20代前半は「自分みたいな者が、こんな場所に立たせてもらっているからには…」という責任と覚悟だけで走っていたように思います。
未熟な自分を走らせてくれたのは、「選ばれなかった人達」でした。
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▼ 選ばれた者の責任
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昨日、『株式会社NISHINO』の学生インターン(3期生)の募集が終わりました。
応募総数は357名で、過去最多。
一般に募集をかけなくて(サロン内だけで募集をして)本当に良かったですが、採用を担当する社長のヤン君は即死しました。
『株式会社NISHINO』の応募が増えた背景には、1期生や2期生の頑張りが大きく影響していると思います。
彼らが、挑戦する姿の美しさをキチンと見せられたのだと思います。
(#偉いぞ #奢ってくれ)
一方で、インターン生の応募数の多さは、彼らに大きな重圧を与えています。
まだ何者でもない人間が、ヒョンなキッカケで、実力不相応なステージに立たされる重圧を僕は知っています。
そして、それが責任となり、覚悟となり、走る力に変わることも。
それは罪深いことで、彼らは『選ばれなかった方々』に申し訳なさを抱き続け、深く感謝し、結果でもって周囲を納得させることで、その罪を償うしかありません。
「アイツが選ばれて良かった」と思われた時に、その罪が消えます。
映画『えんとつ町のプペル』では、選ばれなかった者(アントニオ)が、ラストシーンで「終わらせてくれ!」と叫びます。
厳密に言うと「お前に抱いているこの嫉妬を終わらせてくれ」です。
選ばれなかった者(アントニオ)は、「お前が中途半端なところにいるから、いつまでも嫉妬してしまうんだ!」と苦しんでいます。
これらを終わらせるのが、『選ばれた者』の責任だと僕は考えています。
これは、ウチの若手スタッフに向けたメッセージです。
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▼ 挑戦をしたキミへ
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今回、インターンに応募してくれたキミにお話しします。
もうお気づきかもしれませんが、357名も応募がきてしまうと、ほぼ受かりません。
「100人に一人受かるか受からないか?」という、どう考えたって狭すぎる門です。
僕からお伝えしておきたいことは、今回の結果がどうなろうと、それは今の会社とキミの相性・タイミングによるもので、キミの能力や存在を否定するものでは一切ありません。
事実、今現在、ウチのインターン生で頑張ってくれている「べぇ君」は、能力値でいうと東日本最下位です。(※群馬流氷科学センター調べ)
しかも、彼は一期生の時に一回落っこちてます(笑)
「リベンジだ!」とかワケの分からないことを言って、二期生に応募してきました。
事務所総出で潰したい存在です。
そういうポンコツがイケシャアシャアと働いている現場なので、純粋に能力だけで判断させてもらっているわけではありません。
どうか、結果を重く受け止めないでください。
「べぇ君」が二度挑戦し、「オマエ、また来たの?」となったように、会社は、応募してくれたキミのことを覚えています。
(※僕はアル中&発達障害気味なので、人の名前と顔を簡単には覚えられないので、3~4回現れてください!)
挑戦することを選んだキミを僕は心から尊敬しています。
そして、チームに責任と覚悟を与えてくれたキミに深く感謝しています。
インターンに応募してくれて本当にありがとう。
多少なりとも僕の人生に巻き込んでしまったので、募集画面をスクショして残しておいてください。
西野が呑んでいる時に、印籠のように出してくれたら、キミに、お酒を奢ります。
同じ席で呑んで、一緒に面白いことを考えましょう😁
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▼ 最後に
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まだまだ未熟な新入社員やインターン生、そしてサロン内の学生の挑戦を優しく見守り、投稿にコメントをくださり、ときには御飯を御馳走したりしてくれているサロンメンバーさんに、深く感謝します。
僕らは僕らで、いい感じの老人ホームと、イケてるゲートボール場を作りましょう😁
明日からも様々な挑戦が続きますが、応援宜しくお願いします。
そして、ときどき巻き込まれてください。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
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■当時のコメント。
■今振り返ってみて。
うん。
なのでまぁ、インターン生として受かったのに「よくも裏切ったな。」と思われれば、普通に嫌われるし憎まれるし「いなかった事」にしてしまうサロンメンバーがいたとしても…それを責める事は出来ないし、決して咎められるべきではないと思う。
※少なくとも、彼らの第3世代もよく頑張った。発信の頻度はガクッと下がったが、そもそもまーちゃん達と比較するのが酷というもの。現場の苦労は、どうしても彼らの胸の内でしか推し量れない。
要は「コイツがこれだけ向き合った以上は仕方ない。」と納得させられるなら、どれだけの失敗があったってイイ。
「彼ら先人の屍の重みを、決して軽んじるな。」
その上で七転八倒するのなら、それはきっとイイ物語が出来るだろうさ。
■今後への転用!
・「無名時点」:依頼者の方々が頑張るうちはちゃんと応援するし、地雷を踏み抜きそうになったらちゃんと叱る。見応えのある物語を紡いでくれるなら、失敗なんて全然咎めない。
・「過去ログまとめ」: 正直、毎度自分のサービスの為の宣伝を仕掛けても仕方ない。こういう時は、ちゃんと正直に想いを白状するべきだろうね。
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