「まずは確実に行列を仕掛けよう。」(77日目)
■概要。
「英語が分からない日本人層を逆手にとって、ブロードウェイミュージカルの海外戦略を仕掛けるお話。」
※当時の「西野亮廣エンタメ研究所」の記事を、感想を追記して再掲載します。
■本日の応援者。
この記事は、「当然、国内のミュージカルも最高峰で仕掛けています。by中崎雄心」の提供でお送り致します。
■以下、本文。(2020/03/15)
3月15日(日) ※3月17日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
子供用のマスクしか売ってなかったので、ここ最近は、『ドラゴンボール』に出てくる「セル」みたいになっているキングコング西野です。
※アベノマスクかな?
さて。
今日は『日本人は英語力が低いので、海外で震えている。そこを狙え』というテーマでお話ししたいと思います。
ときどき、「オンラインサロンの使い方が分からない」と言われるのですが、他のオンラインサロンと違って、ウチは西野が毎朝2000文字~3000文字の記事を投稿しているので、基本は『1日33円のメルマガ』(読み物)だと思っていただきたいです。
時々、サロン内からボランティアスタッフを募集したり、サロン内からスタッフ(社員)を雇ったり、サロン内イベントを開催したりしております(※こういうのがあるから「メルマガ」と言いづらい)。
そんな中、西野本人は、このサロンを『メモ帳』として使っています。
仕事を進めていく上で気づいたことや、街を歩いていて「ああ、あのアイデアは転用できるな」といったことを、翌朝のサロンに記事として投稿し、メモがわりにしております。
さて。
去年だったか、一昨年だったか、このサロンに書き記したメモがあります。
「沖縄(那覇)で見つけたラーメン屋さん」の記事です。
※当時はまだサロン未加入(この時点で77日目)だったので、実は私も知らない…。。。
とっても昔の記事なので(遡るのも大変だと思うので)、ザックリ説明しますね。
沖縄の国際通りから一本入ったところにあるそのラーメン屋は、連日大行列ができています。
ポイントは「沖縄そば屋」ではなく、「ラーメン屋」です。
「南国×ラーメン」の相性は、あまり良くなさそうですし、事実、沖縄の「ラーメン屋」の数は、それほど多くありません。
(※東京はラーメン屋だらけ)
やたら繁盛しているそのラーメン屋さんのことが気になって、列に並んでみると、列の前後から聞こえてくるのは「韓国語」。
調べてみたところ、そのラーメン屋さんは国内に広告を(さほど)出さず、韓国の旅行パンフレットに広告を出されているそうです。
僕たち日本人からすると、沖縄にある「ラーメン屋」さんは「南国×ラーメン」になりますが、よくよく考えてみると『ラーメン』は日本食です。
韓国の方からすると、【日本旅行】をしているわけですから、「日本×ラーメン」で、そりゃ、選ぶわけです。
そして、その行列に釣られて、日本人の僕が列に並んでしまいました。
なるほど。お見事です。
ていうか、天才です。
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▼ 沖縄のラーメン屋さんの戦略を、どう転用するか?
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サラッと書きましたが、日本人が抱いている『南国≠ラーメン』と、韓国人が抱いている『日本=ラーメン』の隙間を突いた(競合が少ない)この戦略は、個人的には結構な衝撃で、僕が海外に仕掛ける時は、かならず転用してやろうと思っていました。
そんなこんなで、今年、ニューヨークのオフブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』です。
(※コロナの影響で開催時期がズレるかもしれませんが、やります)
まずは日本で!
オフブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』をやる上で、まず考えなければいけないことは、経営を安定させて、この作品に関わる全てのキャスト&スタッフの生活を守ることです。ここは絶対。
となると、「蓋を開けてみなければ分からない」という博打をしてはいけませんん。
確実に『集客』をして、確実に『売上』を出す。
攻めるのは、守りを固めた後です。
(※ガッカリするぐらい用心深い西野氏)
※でもココ、必ずテストに出ます。
集客を安定させれば大胆に仕掛けることができますし、人は人に集まるので(※「同調行動効果」というよ)、それこそ沖縄のラーメン屋さんのように安定した集客(韓国人観光客)があれば、新規顧客(地元の西野)が集まってきます。
僕は、毎年、ニューヨークに行っているので、「ブロードウェイに遊びに行く日本人観光客の気持ち」がよく分かります。
彼らの気持ちの整理はこうです↓
①ブロードウェイといえば、やっぱミュージカルでしょ! ミュージカルを観に行こう!
②…でも、どの作品を観たらいいのか分からない! ハズレだったら、どうしよう?
③そもそも英語が分からないから、ミュージカルは楽しめないかも…
④とりあえず「会話が多い作品」は、やめとこう。ていうか、「会話が入ってくる作品」も、どうだろう……言葉を使わない『STOMP』にしようかな?
STOMPだったら楽しめそう。
僕自身がそうだったんです。
言葉が無い『STOMP』『スリープ・ノー・モア』や、(そもそもストーリーを知っている)『ライオンキング』なんなはスンナリと入れたのですが、『ウィキッド』を観る時は、事前にストーリーを入れて行ったし、会話のシーンの多い『Dear Evan Hansen』を観る時は、事前に完璧にストーリーを入れて行きました。
実際、英語力が低い日本人向けに、「ブロードウェイミュージカルのストーリーが書かれているサイト」は山ほどあって、そこには各作品の『難易度』が書かれています。
そういうサイトがあるというということは、「そこで悩んでいる日本人がたくさんいる」ということです。
調べてみたところ、ニューヨークの日本人観光客は年間34万3000人(2017年)です。
ニューヨーク観光をする日本人のほぼ10割は、頭の片隅に「ニューヨーク=ブロードウェイミュージカル」があるし、そのうちの多くが、「ミュージカルは観たいけど、どれを観れば…」と悩んでいます。
そして、これはニューヨークに限らず「英語が話せない日本人あるある」ですが、英語が話せない日本人は、旅先で日本人を探そうとします。
現地の事情を知っている日本人と繋がって、安心したいんですね。
現地にいるサロンメンバーなら、尚更に! https://salon.jp/map
まずは、この層を確実に取りに行きます。
もちろん、作品のクオリティーで現地の人達を圧倒するのは前提です。
現地のミュージカルファンを呼び込む為に、「ミュージカルを観たいけど、どれを観よう? 楽しめなかったら、どうしよう…」と震えている日本人観光客を確実に取り込んで、まずは『集客(経営)』を安定させます。
ニューヨークの公演は、ウチの会社からは新入社員のセトちゃんが担当するそうなので、ここからはセトちゃんへの業務連絡になるのですが…
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▼ 業務連絡
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オフブロードウェイミュージカル『えんとつ町のプペル』のYouTubeチャンネルを2つ立ち上げてください。
どちらも、歌詞入りの楽曲の動画がアップされているものです。
一つは、英語圏の方が観る用のチャンネル。
そして、もう一つは、「ニューヨークに行く日本人観光客」が観る用のチャンネル。
※とはいえ、当時ニューヨークに行ける人がほぼいなかったので…観光客用の動画は、一旦お蔵入りになった模様。
後者の歌詞には必ず「日本語訳」を入れて、動画の【備考欄】には、「チケットの買い方」と、そして、「日本人(なるべくサロンメンバー)が経営している飲食店」を入れて、
とりあえず、そのYouTubeチャンネルさえ見れば、「英語力のない日本人でもブロードウェイのミュージカルが楽しめて、現地の日本人とも繋がれる(安心が確保できる)」という場所にしてください。
(※備考欄の最後に、このプロジェクトを支援しているオンラインサロンのリンクも貼ってもらえると助かります)
ミュージカルを、そのまま「ミュージカル」として売ってはいけません。
とにかく、日本人観光客に「安心」を売る。
「ニューヨークで安心したい層」を確実に取る(※英語力が極端に低い日本人ならではの戦略です)。
ここを徹底してくださーい。
現地ファンを取りに行くのは、その後です。
この順番さえ守れば、ブロードウェイは落とせると思います。
よろ。
現場からは以上でーす。
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■当時のコメント。
■今振り返ってみて。
天才かな?
気付きに対する言語化と、転用の発想と、欠点すら生かしてしまう設計と。
でも確かに、「自分にとって価値がわからないもの」に「多くの人が集っている」という状況はすごく気になる。なら答え合わせで覗いてみたくなるし、クオリティが最高峰である以上は確実に満足する訳だ。
って事は、日本版のミュージカルに行列を生む為には…
多分、値段。
最高峰のミュージカルが、なんでそんな値段で提供出来るんだ!?
という疑問を巻き起こして、世の第一人者にニュースを起こして貰うとか。
さて、どうなるかな…?
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