「便利にすると、逆に満足度が下がる場合。」(72日目)
■概要。
「星のや/頓堀宿泊室を例に、世界観を守らないと全部が終わる、というお話。」
※当時の「西野亮廣エンタメ研究所」の記事を、感想を追記して再掲載します。
■本日の応援者。
この記事は、「逆に、”予めAmazon欲しいものリスト”なりを使って差し入れを指定するのが実はスマートだよね。by中崎雄心」の提供でお送り致します。
■以下、本文。(2020/03/10)
3月10日(火) ※3月12日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
街中で「僕、西野さんに似てるって言われるんですよぉ~」と声をかけられても、「お、おお…」としか答えられないキングコング西野です。
#なんて言えばいい
#なんも言えねぇっす 。
さて。
今日は「『自由』は時に凶器だよね」という、タイトルで、最近の体験談をお話をしたいと思います。
先月、ふと思い立って、竹富島(沖縄)に行ってきたんです。
宿泊したのは星野リゾートさんが運営されている『星のや竹富島』なのですが、そこが本当に最高だったのが、“何も無い”んです。
厳密に言うと、「何も無い」を作っているんです。
竹富島の夜って、メッチャクチャ暗いんですね。
「そういえば『夜』は不安で、怖いものだった」と教えてくれるぐらい暗いんです。
実際に旅行に行かれた方のブログより抜粋。
なので、「月明かり」や「外灯」や「遠くに見えてきた宿の弱い光」に安心させられるんです。
すっかり忘れていた「光の温度感」や「光の安心感」を思い出させてくれるんですね。
『星のや竹富島』も、その文脈上をキチンと守っていて、敷地内に入っても、まだ「暗い」んです。
部屋は一軒ごとに「離れ」になっているのですが、フロントから、自分の部屋に行くまでの道がキッチリと暗くて、移動する時は、部屋に付いている『懐中電灯』を使って、足元を照らさなくちゃいけない。
ちなみに、最近、懐中電灯で足元を照らして歩かれました?
歩いてないですよね。
これは、まさに、「暗い」に価値が生まれている瞬間なのですが、オーナーのサービス精神から敷地内に外灯なんて設置してしまったら、この価値が下がるわけじゃないですか?
外灯なんて設置したら、「懐中電灯で足元を照らして歩く」というエンタメと、暗い場所から明るい場所に辿り着いた時に生まれる「安心感(感情の揺らぎ)」を、根こそぎ奪ってしまう。
竹富島に行く理由が一つ無くなるわけですね。
ちなみに、島のガソリンスタンドも屋根が赤瓦になっていたのですが、全体を通して持った感想は、
「竹富島は、ずいぶん俯瞰からデザインされているなぁ」
でした。
だいたい、日本の地方(田舎)って、東京に憧れたオジサン達が、地元民しか喜ばない東京のコピペのコピペのコピペみたいな糞建築物を量産して、外から来る人を減らして、お金が落ちなくなって、死んでいくじゃないですか?(※口が悪いぞ!)
しかし、竹富島には、それがありません。
原風景をキチンと残しつつ、住民の生活を守りつつ、キチンと島にお金が落ちるように設計されています。
この機会にいろいろ調べてみたのですが、『星野リゾート』さんも、地元の方々と3年近く協議を重ねられたそうです。
更には、竹富島の景観条例を読んでみたのですが、結構、厳しめに書かれていました。
なるほど、なるほど。
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▼ どうなる、えんとつ町
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一昨日、スナック『CANDY』で、サロンメンバーさん達と呑みました。
その中のお一人が大阪ミナミで新たに「民泊」を運営されるらしく、そこを『えんとつ町』テイストにしたいのだと。
内装デザインは済んでいて、来月か再来月には着工されるそうです。
そして出来ました。
その流れで、部屋に置く『テレビ』の話になりました。
いわゆるテレビを置いてしまうとシラけるので、画面の外枠を作って『えんとつ町テイスト』のテレビを作られようとしていたのですが、そもそも、「お金を払って、わざわざ『えんとつ町』の部屋を選んで泊まりたい人(※日常から少し離れたい人)が、日常を発信してくるテレビを観たいか?」という問題があります。
「機能性を求める人は、アパホテルを選ぶんじゃねぇの?」という話です。
僕だったら、テレビなんて絶対に要らなくて、その代わりに、世界で、その部屋にしかない『えんとつ町の巨大な風景画(油絵)』とかが壁にドーンと欲しいし、
宿泊客によって、その油絵がインスタにアップされ続けて、集客装置になるでしょうから、経営のことを考えても、そっちの方がいい。
民泊のオーナーさんは「おー!なるほどー!そうします!」とおっしゃってくれていたのですが、おそらく全国に散らばっている『えんとつ町』テイストの空間は、各地で「竹富島に外灯を設置する」みたいなことをやっていて、魅力と集客力を落とされていることでしょう。
以前、スナック『CANDY』に来たお客様が、店の中に飾る花を持ってきたことがあって、お断りしたんですね。
お客さん的には「良いこと」をしているつもりだと思うのですが、空間を販売している側からすると、美術品の持ち込みは『犯罪行為』で、ルーブル美術館に展示されている『モナリザ』に自分なりの絵を付け足しているようなものです。
世界観が壊れ、シンプルに「売上」が落ちて、そこで働いている人達が食えなくなるんです。
ここの自覚がお客さんにも無ければ、実は、空間オーナー側にも無いのが『えんとつ町』テイストの建物で、
この辺は「みんなで作る」とは言いつつも、そろそろ「景観条例」を設けないと、守ってあげられなくなってきたなぁと思っています。
場合によっては、「店に飾ってくださーい!」と持ってこられた『えんとつ町にあるハズがない花』を断れないオーナーさんもいるので。
なので、マルコの花には特別さが増している。
(※本当は、オーナーさんは持ってこられた花によって、売上や集客力がどれだけ落ちるかの算盤をはじけなきゃいけない)
「自由」は時に凶器で、「BBQにもルールがあるぞ」という話ですね。
「『えんとつ町』が何を大切にしていて、そこには何があって、何が無いのか?」といった理念、そして「ここの価値は何なのか?」ということを詰めて、共有し、その中でも皆で作り上げていけたらいいなぁと思います。
現場からは以上でーす。
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1234
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■当時のコメント。
■今振り返ってみて。
こっちが綿密に組んだ作品に、良かれと思って差し入れをされた場合…
やはりちゃんと説明せねばならんだろうね。お気持ちはありがたいけれども、この一線を越えてはならん、と。
※それでもゴリ押してくるようなら、ほぼほぼフリーライダー。
相手の影響力にただ乗りして、自分の作品をドヤりたい人だ。
(そんなんだからソイツの作品はゴミなんだよ。どんだけ審美眼が無いのか自覚さえない。)
即切り捨てないと直ちに汚染されるので、常連になられると手遅れだ。
ダイエットしているご婦人に差し入れを試みるのは、決まって醜いデブである。
相手にその下品さをアピールさせない為にも、ここはちゃんと切り捨てるべし。
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■オマケ。
実は2021年の12月〜3月にかけて、世界観を大事にしている「黒川温泉」にリゾートバイトに行ってみた。(コロナの余波により、実質軟禁生活にはなったが。)
ここのおばあちゃんには、兎に角お世話になりました!
ドリンクのクオリティはさておき、お話と生き様がめちゃくちゃ面白い。
もし立ち寄る機会が有れば、是非お訪ねを!
そしてそこでは、やはり建物の景観に厳しめの規制があったし、うまく言っている地方創生代表の「大分県竹田市」の場合は「町の景観にあった建物を新設する際には大きめの補助金が出る」という制度もあり。
んで持って更に、実際に「星のや 竹富島」で働かれていたスタッフさんとも仲良くなれた。
当時のサロン記事を見せたら、めちゃくちゃ喜んでくれたよ!
やはり西野さんの着眼点は本物だった!!
もし黒川温泉に立ち寄る場合…
少し遠いけれど、深山山荘と、黒川荘の日帰り温泉が特におススメ。
ちなみに絶対おススメしないお宿は、
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▼『お喋り』はstand.fmで配信中!(朝10:30に毎日更新) https://stand.fm/channels/5eed41ab9c38bc03262bcf1b 実は割と、爽やかな声をしてる(らしい)。 ギャップが気になる方は、是非どうぞ!