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「クエスト攻略」case.5「食べて応援からの絶望」

自粛中はまだ希望があったかもしれない。

さて、案外こういった考えを吐き出す事が楽しくなって来た第5回。そんなテンションと裏腹な、えらく物騒なタイトルで申し訳ない。基本、私のスタンスは「予防」「解決」だ。不安を煽る以上、その対策も考えさせて頂くので、どうかご容赦を。それでは始まり始まり。

緊急事態宣言の解除を受けて。

さて、本日5/14日(木)。仙台駅周辺でも、多くの商業ビルが限定的に営業再開に踏み切った。勿論、各お店ごとに感染症対策は継続中だ。

ユニクロは入店前の体温を測ってから店内に入店許可を出していた。
東急ハンズでも入店可能な客数に制限をかけていた。
スターバックスは現在もお持ち帰りのみの営業だ。
珈琲の焙煎ショップも、事前予約のみの手渡しだけに限定している。

まぁ限定的ながらも、以前の3〜4割のパフォーマンスで現地営業は再開出来たのだ。これで徐々に制限が解除されれば、きっと以前の賑わいが戻って来るだろう。いやぁ良かった良かった。

…。

まぁ、あくまで誰一人騙せていない事を除けば、の話だが。

自粛期間を支えた希望は何か。

改めてここを整理しようと思う。外部から思いつく内容は3つ。

①政府から補償金が出る可能性。
②「食べて応援」というファンの存在。
③「きっと元の世界に戻れる」という仮初の未来。

では、この3つを順に解体しようと思う。

①遅くはあるが、制度自体は成立している。

ここは当然、本職の経営者の方が詳しいだろう。当然足りていないし遅すぎるが、とはいえ無いよりマシではある。最優先で調べて申請しているだろうから、割愛させていただく。

②ーA,ファンの財力も限界が近い。

当然ながら、応援する側には「まず余力ありき」が鉄則だ。応援した分の現金は商品と交換出来たが、そもそもの顧客の収入が増えていた訳では無い。

直接影響が少なかった職種であっても、「取引先が潰れれば間接的に収入が減る」のは必須。「潰れた企業が存在する=誰かにとってのお客さんが居なくなっている」からだ。

たとえ国内の紙幣の総量が変わっていなくとも、肝心要の「循環」「流通」が停滞した以上、本質的な国内の「富」は消え去ってしまったのだ。

②ーB,「作品」が応援の為の「手段」に堕ちていないか。

一番懸念しているのはココだ。「食べて応援」自体は立派だが、いつの間にか無意識に、「応援の為に仕方無く食べる」にすり替わっている気がする。全くの悪意なく、「施しという上から目線」、「この代金は生活費に使ってください」という「傲慢」へ転じていないだろうか?

元々は、西野亮廣さんがYouTube上でクリエイターを支援の際の配慮だった。受け取る側が申し訳なくならないように、という思いからの「寄付者にだけ許される使い道の指定」だった筈だ。

どうもココで感動した人が、「応援したらお金の使い道を指定して良い」という勘違いを抱いてしまった様に思えてならない。

ビックリマンチョコでいえば、
「応援」=目的のシール
「受け取った商品」=ゴミ箱行きのチョコ

という無自覚な罰当たりが起きているように思えてならないのだ。

※追記。AKBの握手券のCDみたいなものだろうか?ダブったCDが開封すらされずにゴミ箱へ叩き込まれるような。「貴方を応援します!貴方の作品には価値を感じて無いけれど!」という「暴挙」に近い思う。(いやコレ、サイコパスでは。)

もしかしたら、既に希望を剥奪された応援者が「正義の仮面」を被れる機会であるが故の「暴走」かもしれない。本末転倒な「擬似的な善行」による「ジョブ」によって己を保っている。悲しい事に、絶望の連鎖が起きているのかも。

③トドメの「希望が叶ってしまった現実」

で、冒頭の「制限だらけの現場営業」に戻るのだが…厄介な事に、過去の栄光、「自分たちの努力の証」が比較対象だ。

加えて既に、

1、一部顧客がオンラインに流失済み。
2、当の現場のクオリティもガタガタ。

自分たちがいくら頑張って以前のお店に戻しても、世界の仕組みのせいで復旧さえ見込めない。多分本当に心が折れるのはここから。「もしかして自分の仕事はお情けで許容されていただけで、とっくに世界から必要無かったのでは」という呪縛は、非常にたちが悪い。

その呪縛から抜け出す為のファンは既に財源不足だし、何より「応援」という形態が「施し」として更にクリエイターを追い詰める。単に今の形態の不具合というだけだというのに、こういう視野狭窄は得てしてろくな結果にならない。

つまる所、ヴィクトール・フランクルの「夜と霧」のラストエピソード。あらゆる困難に耐えうる人でも、支えとした「希望」が潰えた時には耐えられないのだ。

じゃあどうするか。

もうシンプルに「コロナ時代の戦い方」をシェアするしかない。鍵になるのは「他店の実績」と「信用出来る知人」の二つ。この二つを持って「そのお店の価値」を現代流に引き出してあげるしかない。

具体的には、「西野亮廣エンタメ研究所」で学んだ方が手取り早い。が、それでもやっぱり「友の助言」以上に響くものはない。

本来なら「絶望によるサナギ化→手放しによる羽化」は進化の王道だが、根源的な「生活の安全」がないと流石に危険だ。そもそんな知人が居なかったから今だに死にかけているとはいえ、そのまま死なせるのも忍びない。「積極的な情報のシェア」。やる事は単純だが、「知らない他人の言葉では届かない」。どうか「彼らの信用する友人」である貴方が、彼らに届けてあげてほしい。幸運を祈る。

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中崎雄心
▼『お喋り』はstand.fmで配信中!(朝10:30に毎日更新) https://stand.fm/channels/5eed41ab9c38bc03262bcf1b 実は割と、爽やかな声をしてる(らしい)。 ギャップが気になる方は、是非どうぞ!