シングルマザー恋愛事情

恋愛なんて10年くらいしていない

21歳で子供を産んで、その1年後にはスピード離婚。
そこから、一度も恋愛はしたことはない。

恋愛は絶対したくない。傷つきたくない。建前はそうだったけど不安で押しつぶされそうな夜は何度もあった。
1~2年は、怖くて仕方なかった。勉強も何もしてこなかった私が、子供を産んで一人で育てていく。

キャリアも、親の助けもなにもない。

本当は誰かに助けてほしかった。

私は自分の心の叫びに、蓋をした。


強い女性

子供を産んでから私はよく、強い女性と言われるようになった。
『無名ちゃんってたくましいね』『隙がないね』

そんな事を言ってくる彼らに対し私は、不思議でならなかった。
逆に何故、『自分以外の人間に弱さ』をさらけ出せるのか。
羨ましいと妬む反面、私にはやっちゃいけないことのように思えた。

そして彼らは何も知らないくせに私が、『強い女性』だなんてどうしてわかった気でいるんだろう。


仕事と子育てだけをしていく間に、恋愛の仕方なんて忘れたし、シングルマザーでましてや、子育てに追われ、色気のない女に対し、男も寄ってはこない。

それが、当たり前になっていく。


世帯で大人は私だけなのだ。
この世帯の中で私は、子を守るために母にもなり、父にもなる。


近づいてきた人

それでもなぜか、寄ってきた男はいた。

同じ職場で、私のことを特別扱いしてくれる人だった。

私は、その『向けられた感情』を気持ちの悪いものとして捉えてしまう。
邪悪で気持ちが悪くて、生々しいもの。


私も好意を相手に向けられるまでは、相手に対し『いい感情』をもっていたと思う。


ただ、私にとって、好きという感情を『相手に向ける行為』はキラキラしたものでも何でもなくベタベタした気持ちの悪い汗のような感覚だったのだ。

そして自分のやっと築けた場所を侵略されている感覚もあった。
相手に応えてしまうと、失ったときに昔の自分に逆戻りしてしまう気がした。



シングルマザーの恋愛

バッドニュースばかりに目を向けて『シングルマザー恋愛するな』という意見が多いが私は、シングルマザーほど今の時代、恋愛はした方がいいと思う。

それは、収入面であったり、女性のメンタルの安定の面であったり、メリットはいろいろある。

ちゃんとした『相手』を選べばいいだけなのだ。


そう思う反面わたしは、もう恋愛はできないだろうと思ってる。
大人になればなるほど、自分の中に、相手を踏み入れることがとてつもなく怖く感じるし、どこまで踏み入れていいかどうかもわからない。


私は、今まで時間経過でしか癒せない傷に対し
上書きするように同じもので重ねてきた。
そのやり方しか知らないから、やっとの思いで立て直しをした今、次に踏み込むのがとてつもなく怖いのだ。


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