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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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全力で楽しむ『メガトン級ムサシW(ワイアード)』ストーリー考察篇


※注意
こちらは『メガトン級ムサシW(ワイアード)』のストーリーのネタバレが含まれます!

 メガトン級ムサシW(ワイアード)とはレベルファイブが手掛ける大逆襲ロボットアクションRPGです。Nintendo Switch、PlayStation4、PlayStation5、Steamのプラットフォームで好評発売中です。また、クロスプレイとクロスセーブにも対応しており、世界中のプレイヤーと対戦や協力が楽しめます。是非遊んでください!

 『メガトン級ムサシW(ワイアード)』には通常版であるスタンダードエディションと、特装版であるデラックスエディションの2種類があります。デラックスエディションはスタンダードエディションの内容に加え、限定特典が付いています。
 



 

 また、『メガトン級ムサシW(ワイアード)』には今回追加されたストーリーだけでなく、『メガトン級ムサシ』と『メガトン級ムサシX(クロス)』のストーリーも含まれています。過去のストーリーについても考察しているので良かったら過去の記事をご覧下さい!
 






はじめに

 今回は『メガトン級ムサシW(ワイアード)』ストーリー考察です。今までも何度かシーズン3の予想として記事をまとめましたが、今回は遂にその答えが明かされます。それでは感想と考察をお楽しみください!

第24章『共鳴』感想

・浅海未来とザスカー・ダイン

 クロス完結から1年後、浅海輝の娘である浅海未来が主人公として動きます。この1年で急成長した未来の頭脳と肉体は16歳ほどになっていました。遺伝的には親子ですが、見た目は年の近い兄妹のような不思議な関係です。子供時代が短いのは悲しくもありますが、奇跡の子の宿命でしょうか。肉体も丈夫で頭脳も明晰、学校の成績上位3%と言っている事から学校にも通っているそうです。15年分の知識はコンピュータや書籍から得たようです。その短い間に得た知識をここまで使いこなしているのは凄いですね。
 また、輝を食事に誘っている点から食事も普通にすると見ていいですね。明るくて元気な子といった見た目の印象通りでした。

 KJ(キング&ジョーカーズ)のメンバーがオブリビオンベイのメンバーとして参加したのは驚きでした。本州浩二と九州成人はパイロットとして出撃していました。また、北海道徳と四国泰輔はメカニックとして配属されているそうです。
 KJはストリートギャングですが、元々は霧島ジュンの親衛隊です。シーズン2ではトラウマになったジュンを励ましていました。その時に雨宮零士からシェルターの事情をを知り、それをきっかけにオブリビオンベイに参加したのだろうと考えられます。

 未来、浩二、成人は伊伏銀太と共に瘴気発生源をパージします。パージ(purge)とは英語で追放する、除去するという意味で、その名の通り瘴気発生源をローグで除去していました。

 未来は輝に憧れ、ファーストチーム(ローグの戦闘を主とするチーム)に参加しようとしていました。輝はそれを止めなかったのでしょうか。急成長して自分と同年代になれば驚くのも無理ないですよね。

 それから、輝に関しては1年の月日を経て少し大人びた容姿になっていました。早すぎる隠居生活で疲れている様子です。もしかすると未来の成長に輝の生命力も使われたのかもしれませんが、急激に老化した訳でもないのでそこまで影響は無いのかもしれません。

 サイモン・レイダー博士によると、外部(恐らくはエフィンロア)のコントロールで急成長しましたが、16歳になった地点で落ち着き、それからは普通の人間のようになりました。人間の活動のピークともされる時期で止まった理由はなんでしょうか。エフィンロアがそうした可能性もありますが、後述する描写から未来自身の意思でエフィンロアのコントロールから外れた可能性も考えられます。

 仲間と共に瘴気発生源をパージする未来ですが、浩二を庇った事により、未来は洞窟の奥に飛ばされてしまいました。
 そこで出会ったのが放浪の身のザスカー・ダインです。彼は戦いが終わった事を知らず、未来に銃を向けました。未来を見て『テラーシュ(地球人)』とザスカーは認識しましたが、未来にはシドル人の血も混じっています。それは分からなかったのでしょうか。
 そういえば、後の戦いでザスカーは牙の形態になりますが、未来はシフトの力だけで牙の形態にはなっていませんね。もしかすると使えない力もあったりするのでしょうか?

 ザスカーを導いた青い血のトカゲは、自らを犠牲にして洞窟にある遺跡に眠っていた『カムウの兵』を目覚めさせました。アダムが言う『パンドラの箱』で『遺物』の『カムウの兵』、実はゲーム内で『レリックレジェンダリー』として登場します。以前にも考察しましたが、レリック(relic)とは英語で遺物の事。その名の通り遺物として蘇った機体という事ですね。

 そして『パンドラの箱』とはギリシャ神話に登場する災いを封じた箱(元々は壺だったらしい)です。パンドラという名(パンドラとは全ての贈り物という意味がある)の少女が箱を開けた事によって、この世界に災いがもたらされるようになりました。ですが希望だけが箱に残り、人々は災いの中でも希望を抱いて幸せを手にすることが出来るようになりました。

 ザスカーに銃を向けられた未来ですが、突然クラゲのような生物に顔を呑まれてしまいます。その生物にナイフを刺し、未来を助けたザスカーですが、クラゲの粘液塗れになりました。そのクラゲについての詳細は不明ですが、もしかするとシドルの生物かもしれません。

 その後、ザスカーは『カムウの兵』の意思に呼ばれ、機体に転送されました。そして何かを呼び出そうと角を天に掲げました。

・『二つ星同盟』VSアニマス

 場面は転換し、地球人とシドル人で結成された二つ星同盟の話です。二つ星同盟はサンクチュアリことオルテガ・マザーベースに本拠地を移していました。また、アーシェムの部下のシノアグ・ヴァレスやベローア・ギデスも二つ星同盟の一員になっていました。ストーリーには出てきませんが、ユグラ・デファングルとミーシス・ナタールも機動兵上級コマンダーとして二つ星同盟軍の一員になっています。

 二つ星同盟は、宇宙戦艦アメノムラクモから発する『アステロイドビーム』でドーナッツ地球の穴を埋めていました。
 アステロイドとは、aster(ギリシャ語で星の)と-oid(ようなもの)を組み合わせた言葉です。数学では星芒形と呼ばれています。

 そうなるとアステロイドビームは星を構成する物質で地球を埋めると考えられますね。

 オルテガはスペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガゼットから取られていると考えられます。
 オブリビオンベイに新キャラが居ました。岬梨花と機原アノンです。アノンはハルマ・リュウセイの元でチーフエンジニアとして活動している青年でで、スペシャル特番に登場していました。

 二つ星同盟の前に現れたのは全長2kmの謎の生命体、その名は『角のアニマス』です。アニマスとは『異次元に生息する神の獣』で星の地殻を形成する要素、そして星の生命でもあります。アニミズム(精霊信仰)の自然神のようなものと捉えて良いでしょう。


 彼らは強い力を持ちますが、本能のままに動きます。また、他者との接近を嫌う性質もあります。そして、呼び出した者の意思によって動きます。また、現世と異空を繋ぐワームホールを渡って移動しています。
 アーシェム・ライアが終盤で召喚した蝶型のアニマスは『羽のアニマス』と呼ばれていました。『羽のアニマス』同様『角のアニマス』も強大な力を持っています。そんなアニマスが、オルテガ・マザーベースに近づいていました。

 そこで出撃したのは新機体ムサシクロスZ(ゼノン)とマキシマスブレイズT(タイタン)です。ゼノンはギリシャ神話の主神ゼウスが由来の名、タイタンはそのゼウスと戦った巨人の名です。神話では戦っていたゼウスとタイタンがここで共闘しているのは面白いですね。ムサシクロスZは久世正宗、外山小次郎、土方龍吾の三人という異色のトリオが操縦しました。マキシマスブレイブTの方はジュンモモこと霧島ジュンと早乙女萌々香の操縦です。


 そうして、『角のアニマス』に立ち向かう5人でしたが、歯が立ちません。そこでアーシェムが名指ししたのが我らが主人公一大寺大和です。大和が操縦するのは、シドル機体の『ゴッドハンマーⅡ』です。
 大和は、破天荒で優れたパイロットですが、まさか敵機体だったゴッドハンマーを操縦するとは驚きです。シドルの機体と地球のローグは、同じ技術で作られていますが、ゴッドハンマーは巨大な機体なので、操縦は非常に難しいはずです。そのゴッドハンマーを今まで使ってきたかのように操る大和、流石です。
 大和の機転で『角のアニマス』を持ち上げ、腹部を露出させたゴッドハンマーⅡですが、力尽きてしまいました。その隙にムサシクロスZの『クロスゼーンブラスター』マキシマスブレイブTの『ターゲットミサイル・オメガ』でアニマスを攻撃しました。力尽きたアニマスは光の粒子となって消滅します。


・『創世記教団』

 『角のアニマス』を呼び出したのは『創世記教団』でした。デガート・ディクセンベルグは役目を終えたというのはマーク・デミオドネラ・ランダー、オッドー・バッチ、ミグス・ローン、創世記教団のメンバーです。彼らは地球の文明をリセットする為にアニマスを呼び出していました。
 特異点のゲートを刺激してアニマスを発生させる。特異点とは、様々な意味がありますがここではブラックホールの重力が無限大になる点を指していると思われます。重力とは、自然界に存在する4つの力の1つで、唯一時空を歪ませられます。
 『メガトン級ムサシ』のストーリー内で、宇宙戦艦『アメノムラクモ』によって人工ブラックホールを形成していました。この世界では異次元(余剰次元)に干渉する為にブラックホールを使っているのでしょうか?

 


・ザスカーと『カムウの兵』

 『角のアニマス』を呼び出した『カムウの兵』でしたが、失敗し、牙の形態になったザスカーを取り込もうとしていました。『カムウの兵』は機械ですが生物のような印象があります。目覚めた『カムウの兵』は何がしたかったのでしょうか。もしかするとエルゼドに反旗を翻そうとしていたかもしれません。
 今回、『創世記教団』と『カムウの兵』は同じタイミングで『角のアニマス』を呼び出しました。『カムウの兵』が呼び出したのは1匹で現れた『角のアニマス』ですが、『創世記教団』が呼び出した方は何でしょうか。恐らく次に登場する『角のアニマス』の大群だと考えられます。

 

第25章『月が落ちる』感想

・『要塞巨星パルムドゥーラ』

 エルゼドの本拠地『要塞巨星パルムドゥーラ』では、カムウと地球の話がされていました。かつて地球で暮らしていたカムウはアニマスの力を使っていましたが、アニマスを暴走させてしまい、増殖したアニマスによって滅んでしまいました。この出来事が『滅びの節』です。特番では隕石の衝突で地球に存在した古代の人類は滅んだとされていましたが、この『アニマスアルマゲドン』で滅んだのが正解のようです。

 アルマゲドンとはハルマゲドンの英語読みです。『新約聖書』の『ヨハネの黙示録』16章に登場します。神による世界最後の戦いで、そこから世界の最後を意味する言葉になりました。ハルマゲドンの語源はパレスチナにあるとされるメギドの山です。

 カムウが滅んだ地球を捨て、宇宙に出たエルゼドは星間国家『銀河帝国エルゼド』を建設したと考えられます。そして古代の人類の派生種に対し、無益なものは滅ぼし、有益なものは支配しました。侵略を繰り返した結果、エルゼドは宇宙最大の星間国家になったのでしょう。

・『二つ星同盟』

 『角のアニマス』を倒した二つ星同盟ですが、新たにアニマスの大群が接近しました。アーシェムはシドルを滅ぼしたのはエルゼドである事を明かし、エルゼドとの決戦が近づいていると明かします。
 『メガトン級ムサシX(クロス)』のエルゼド戦でアーシェムはエルゼドを冥王星宙域に抑え込んでいましたが、この1年で地球に近づいていました。
 冥王星は楕円軌道のため、地球からの距離が冥王星の位置によって大幅に変動します。最も遠いときは75億km、近づいたときは42億kmの距離になります。ちなみに、地球と太陽の距離が約1億5000万kmなのでそれと比べると相当離れていますよね。



 アーシェ厶は2つの星のひとときの安らぎのためにエルゼドの存在を隠していました。ですが、エルゼドの本格的な侵攻によってそれどころではなくなりました。

・再び『創世記教団』

 イブの介入によって『創世記教団』はアニマスの誘引音波を発動し、アニマスの大群を呼び寄せていました。ですが、エフィンロアの指示によって直接介入は禁止されているようです。エフィンロアは浅海未来の誕生に介入しましたが、それは直接介入に入らないのでしょうか。

・『銀河帝国エルゼド』

 『銀河帝国エルゼド』は聖地であり故郷である地球を取り戻そうと侵攻します。イブは聖地の文明をリセットするために『創世記教団』を指示しました。聖地を取り戻す為に現地民と戦うという考えは、十字軍や大航海時代の欧州列強国に酷似しています。


 ファーザー・メドスが求める究極種、とはなんでしょうか。ファーザー(father)というのは英語で父を指します。エフィンロアがエルゼドの母性を司る存在だとすれば、ファーザー・メドスは父性を司る存在なのでしょうか。

 そしてエルゼドのアダムとイブの名は最高司令官の役名であることが明かされました。そうなると、当代のアダムとイブこと執政官ナンバー6117と7543以外にもアダムとイブが居たのでしょうか。番号で人間が管理されている事からエルゼドは管理国家の可能性が高いですね。後述しますがエルゼドの純潔を守るために人々を管理しているのでしょうか。

・アダムと大和

 アダムは大和を匿ってから、地球人とシドル人について考えていました。大和は自らを犠牲にし、仲間を救いましたがアダムにはそれが理解出来ません。エルゼドには集団の絆が薄いのでしょうか。
 この宇宙は滅びようとしている。だがそれを救う鍵があるかもしれない。アダムは卑下していたはずの派生種に、自身が求める可能性を求めて戦います。
 そんなアダムが使う武器はヴィアドレンこと『ムサシワイアード』、エルゼドと地球を繋ぐ存在で、大和が乗っていたムサシを元に造られました。

 ワイアードには様々な意味がありますが、この『ムサシワイアード』には有線で繋ぐと言う意味が込められているのかもしれません。


・『二つ星同盟』VSエルゼド

 遂に二つ星同盟とエルゼドの戦いが始まります。パイロットを引退した浅海輝もムサシで駆けつけました。また、『カムウの兵』に乗ったザスカーも助太刀します。

 圧倒的な力のエルゼドを前に輝は突き飛ばされてしまいます。『お前だけは絶対に許さない』父親を傷つけた憎しみか2つの星の力でしょうか。未来を覚醒させます。
 大和は究極カブキファンクション『月落とし』を決行します。『アメノムラクモ』で人工重力を発生させ、月を地球に落とします。

 大和が月を落とそうとしたのは浅海未来の『未来を見せる力』で見た未来を知ったからでした。
 大和は『アメノムラクモ』で死線を超えた結果、他人の力が見えるようになりました。浅海未来にはシフトの力『サイキックによる強力なディフェンスの力』を持っていましたが、それだけでなく2つの星が与えた『未来を見せる力』を持っていました。それによってエルゼドの侵攻を予知した訳です。
 これはエフィンロアの意思に反した力です。なぜならそれでエルゼドの侵攻が止められたからです。エフィンロアの意志が、この力を与えたのならエルゼドに有利になるような未来を見せるか、エルゼドの侵攻の未来を見せないという可能性もあったはずです。
 もしかすると未来はエフィンロアの意思に背き、2つの星の味方をしたのかもしれません。浅海未来の力が無ければ、地球はエルゼドに侵略されていました。
 大和は月を落とす一歩手前でそれを止めました。更に『未来を見せる力』をアダムに使い、アダムを追い詰めました。地球とエルゼドの両方を騙すハッタリで、結果的にエルゼドを追い詰めました。

・原種と究極種

 地球に居た人類は『エル・ゼダル』という源種から派生しました。『エル・ゼダル』はカムウとエルゼドに分かれ、戦いを繰り広げました。
 エルゼドは『エル・ゼダル』の正当種として純潔を保っていました。しかしエルゼドは既に『エル・ゼダル』の力を失った派生種に成り下がっていました。その事実から目を背ける為に、エルゼドは派生種を虐殺しました。
 シドルとテラーシュ(地球人)はエルゼドにとって卑下する派生種です。ですが、彼らこそ究極種『エル・ゼダル』ではないかとアダムは考えます。『エル・ゼダル』はエルゼドが失ったものを持っています。その答えを求め、アダムは大和と戦います。

『非合理で愚かで混じり合う事を恐れぬ 他を思い、認め、受け入れる』

 アダムはエルゼドが失ったものを知り、地球を去りました。輝もザスカーも無事でした。エルゼドが去った地球とシドルの本当の復興がようやく始まります。
 

  

・5年後の世界

 それから5年後、大人になったアーシェ厶と大和の間に子供が生まれました。アーシェ厶はシドルを復興させるため旅立ちます。
 地球人と共生する決断をしたシドル人ですが、母星シドルはエルゼドによって滅んでいます。それを復興させるとすると、新たに別の惑星に移住するか、人工惑星としてシドルを復活させるのではないでしょうか。
 確かに地球はシドル人も地球人も生活出来ますが、生態が異なる2つの種が共存を続けるのは難しいかもしれません。これから人口も回復するでしょうし、もしかすると地球人も宇宙に移住する話もあるかもしれません。

 実際、別の惑星に移住をする計画は構想されています。ですがそれは長い年月が必要です。地球は現段階で地球内の生物が活動出来る唯一の惑星です。その環境を保つために行動しないといけませんよね。

『一つの星から生まれた命は派生した それでも人々は一つでいようとする』
 現段階での『メガトン級ムサシ』の物語はここで幕を下ろします。

考察篇

・地球に瘴気が満ちている理由

 『メガトン級ムサシ』の地球は瘴気源から発生する瘴気で覆われていました。瘴気源はクラウド型、ロック型、クラーケン型等いくつかの種類に分かれています。
 さて、その瘴気とはなんでしょうか。『メガトン級ムサシ』の地球はドラクター(シドル)によって滅亡し、文明だけでなく自然界にも甚大な被害をもたらしました。その自然界の自浄作用が瘴気、人体にとって有害な物質や微生物を含んだ空気を発生させているのでしょう。また、シドルが持ち込んだ生物も地球の生態系に影響を及ぼしているかもしれません。シーズン2では汚染した空気から『赤地病』という病気が蔓延していました。

 宮崎駿監督の作品『風の谷のナウシカ』は環境破壊によって文明が崩壊した地球が描かれました。その地球も有害な瘴気で覆われています。自然界の自浄作用が結果的に人体に影響のある物質を放出しているという点で、このムサシの世界の元になったかもしれません。


・浅海未来について

 浅海未来はエフィンロアの意思と、2つの星が生み出した存在です。今までの考察では未来はエフィンロアの意思で闇堕ちするのではないかと予想しましたが、今回は終始味方でした。ですが、物語は続く可能性はあるのでまだ安心出来ません。
 未来は急成長しましたが、そうした理由は何でしょうか。エフィンロアの意思でしょうか、それとも、2つの星がエルゼドに対抗する為に準備したのでしょうか。

・『銀河帝国エルゼド』について

 『銀河帝国エルゼド』は宇宙最大の星間国家です。ストーリーの説明でも話しましたが種の純系を保つ為に管理されているのではないでしょうか。
 また、有益な派生種や星は支配しているそうなので、支配下に置かれてる派生種とエルゼドの交雑は禁じられている可能性があります。

 エルゼドは他種族との共鳴は禁じていますが、否定はしていません。もしかするとエルゼドも他種族と共鳴する可能性があります。また、エルゼドも他種族と交雑出来るかもしれません。

 雨宮零士は出自が明かされていませんが、見た目の特徴や能力からエルゼド人の可能性があります。もしかすると他種族と共鳴したエルゼド人か、エルゼド人と派生種の両方の血を引いている存在かもしれません。

・アニマスとカムウについて

 カムウの文明はアニマスによって栄えました。カムウはシドルの祖先なので、地球の数百年先をいっているシドルの技術力はカムウの技術が元になっている可能性があります。『カムウの兵』はシドルの機体や、それを元にしたローグに似ています。カムウの技術はアニマスの生態を元に生み出されたのでしょう。
 カブキファンクションとアニマスが消失する時の粒子が似ているので、『物質転送技術』と『質量拡張技術』はアニマスの顕現の仕組みを使っているかもしれません。
 シドル人はワープ航法で地球を訪れましたが、もしかするとアニマスの移動手段である異空と現世を繋ぐワームホールを元にしているかもしれませんね。

・アニマスを構成しているのはなにか

 アニマスは他の機体や生物と明らかに異なる特徴を持っています。異次元獣アニマスを構成するのはなんでしょうか。個人的にいくつか予想します。
①暗黒物質
②ホログラフィー
③異次元の物質
④ある設計図を元に一時的に構成されたこの世界の粒子
 
 まず①の暗黒物質ですが、宇宙の約4分の1を占める正体不明の物質です。私達が物質と認識しているものは、宇宙全体のわずか5%以下しかありません。また、宇宙の大半(約68%)を占めるのはこれもまた正体不明のダークエネルギーです。暗黒物質は他の物質とは異なる特徴があります。
①質量を持つ
②電磁波で観測できない
③非常に安定している
 
 暗黒物質の候補はいくつか存在しますが、はっきりとした事は明かされていません。ですが、日本を含めた世界中で暗黒物質の研究がされており、正体が判明すれば宇宙や素粒子の研究が大きく進展するとされています。
 アニマスがその暗黒物質で構成されている可能性はありますが、電磁波を通さないので、仮にアニマスが暗黒物質で構成されているなら目視は出来ないでしょうね。
 
 次に②のホログラフィーです。2次元の画像を3次元に見せる技術の事で、アニマスもその原理で顕現しているのかもしれません。ですが、ホログラフィーの像はあくまで私達の目がそう見せているだけなので、物理的な干渉は難しいでしょう。ただ、最近は触れるホログラフィーもあるそうです。


 続いて、③の異次元の物質です。異次元は余剰次元という考えで存在しているという理論がありますが、その余剰次元はこの世界と物理法則が違うと考えられているので互いに干渉は難しいでしょう。
 また、多元宇宙論で考えられているマルチバースも、物理法則が異なる宇宙が考えられているので、互いに干渉は難しいとされています。

 

 最後に、④のある設計図を元に一時的に構成されたこの世界の粒子、です。これはカブキファンクションの仕組みとよく似ています。この考えだと、一瞬で消失するアニマスと、物理干渉出来る点が両方説明出来ます。また、既にある物質が材料になるので、生物のように増殖も可能です。イメージとしては3Dプリンターのような感じでしょうか。

・アニマスが活性化した理由

『角のアニマス』は何故突然活性化したのでしょうか。

①アニマスの誘引音波
②地球の核の復活
③カムウの兵の呼びかけ

 ①のアニマスの誘引音波は、創世記教団が使っていました。これによってアニマスの大群が現れたので活性化の原因の一つと考えられるでしょう。

 ②の地球の核の復活は、地球の重力が変化した事によってアニマスが居る異次元にも影響を及ぼしたのではないかという説です。重力は、時空(時間と空間)を歪める力があるので、アニマスにも影響があるかもしれません。
 また、アメノムラクモは人工ブラックホールを形成出来ます。ブラックホールは大きさにもよりますが地球よりも大きな重力を持っているので、アニマスの出現にも影響があるかもしれません。


 
 最後に、③のカムウの兵の呼び掛けです。カムウの兵も、アニマスを呼ぼうと角を天に掲げていました。


・アニマスと余剰次元

 アニマスは異次元の存在です。異次元は、物理学の世界では余剰次元と呼ばれ、その存在が予想されています。
 
 余剰次元はコンパクト化されているという説と、大きな余剰次元が存在しているという説があります。大きな余剰次元の代表的な例が『ブレーンワールド』です。
 ブレーンワールドとは、この世界は膜(メンブレーン)で覆われており、その外側に大きな余剰次元が存在しているのではないかと考える理論です。

 余剰次元がどれだけあるかは様々な説がありますが、重力を量子力学に取り込んだ『量子重力理論』の候補の一つ『超ひも理論(超弦理論)』は素粒子を点ではなく1次元のひもと捉える理論です。
 その理論で考えられている次元の数は9次元(10から11次元という説もある)という説があります。『超ひも理論』は4次元(3次元+時間の1次元)だと成立しないからです。


 現在の量子力学では重力だけが上手く説明出来ません。自然界には電磁力、強い核力、弱い核力、それから重力の4つの力がありますが、重力だけは他の力よりも明らかに弱い事が分かっています。その弱いはずの重力は、不思議な事に宇宙を支配しています。

 その重力の仮説のひとつに、重力だけは次元を超えて伝わっているのではないかという話があります。大きな重力の歪みは重力波として伝わりますが、その力は次元を越えられるのではないかと考えられています。
 先程登場した『超ひも理論』のひもは2種類あるとされています。開いたひもはブレーンの中でしか動けませんが、閉じたひも(輪ゴムのような形)はブレーンをすり抜けられます。量子力学では、4つの力を伝えるゲージ粒子というものが存在しますが、重力子(重力を伝達するゲージ粒子)は閉じたひもでブレーンをすり抜けられると考えられています。

 また、アニマスが居る異次元が多元宇宙論のマルチバースである可能性もあります。実際、レベルファイブの中にはパラレルワールドが存在する作品もあるので、もしかすると『メガトン級ムサシ』もそうかもしれません。



(物理学の説明は過去の記事でもしています)


・『滅びの節』

 特番では、隕石の衝突によってかつての地球の文明は滅んだと明かしていました。ですが、エルゼドのアダムとイブによると、かつての文明は『アニマスアルマゲドン』によって滅んだのが正解のようです。
 もしかすると、隕石の衝突と『アニマスアルマゲドン』の両方が古代の地球に起きたのでしょうか。そうなると文明が崩壊するのも納得ですよね。

・改造された『ゴッドハンマーⅡ』と『アメノムラクモ』

 二つ星同盟によって『ゴッドハンマーⅡ』と宇宙戦艦『アメノムラクモ』は改造されていました。どちらもかつて敵側の機体でしたが、有効活用してくれて良かったですね。『ゴッドハンマー』は『メガトン級ムサシX(クロス)』で何度も倒した覚えがあります。

・月と地球の関係

 地球の衛星である月は、地球上の生物に影響を与えています。潮汐力は半分は月の引力、もう半分は太陽の引力が働いていますが、月が少しでも遠ざかると潮汐力が変わってしまうそうです。実際、月と地球の距離は少しずつ離れているようです。
 また、月は地球の隕石を防ぐ自然の盾でもあります。月があるからこそ地球は隕石の影響を気にせずに生物が活動出来ると考えられます。


・異種族の『共鳴』

 異種族の『共鳴』は『メガトン級ムサシ』シーズン2の最後でエフィンロアが既に明かしていました。別の種族同士が出会うと種の共鳴が起こり、強大な力が目覚めるのでしょうか。
 シドル人と出会うまで現在の地球人は、宇宙に飛び出したかつての兄弟達を知りませんでした。それと出会ったことである者は特殊な能力を手に入れ、またある者は互いを愛し子供を産みました。

 また、エルゼドは種の純潔を保つ為に意図して他種族と関わらないようにしているようです。ですが、種の交雑を恐れない地球人とシドル人は、種を超えた力と絆を生みました。

・アーシェムと大和の子供

 5年後の世界(クロス本編から6年後)の世界ではアーシェムと大和に子供が生まれていました。二人の子供の性別は明かされていません。
 もし、女の子だとするとその子は女王の後継者として生まれた事になります。一方、男の子だとすると女王としてシェダを産む力が無いかもしれません。
 もしかすると、地球人の血が入った事で、シドルの女王にも変化があるかもしれません。地球とシドルの両方の血筋を持つ浅海未来も特別な力を持っています。アーシェムと大和の子供も強大な力を持っているかもしれません。
 もし、アーシェムの血筋であるライア家が女王にならなかった場合、別のシドル人のリテルが新たに女王としての力を得るのでしょうか。それとも、女王を必要としない新たなシドルのコロニーが生まれるのでしょうか。

MUSASHI World Cup 開催! 

 『メガトン級ムサシW(ワイアード)』の発売を記念して『MUSASHI World Cup』が開催されました!各国のゲームメディアによるエキシビションマッチで、8カ国をイメージした限定機体でコロシアムを実施します。
 この大会を記念したキャンペーンの実施や、限定機体が貰えるアチーブメントが予定されています。



MODEROID『メガトン級ムサシ』予約開始!

 グッドスマイルカンパニーからMODEROID『メガトン級ムサシ』が発売されます!プラモデル化されたムサシを組み立てるチャンスなので是非予約してください!予約は2024年6月26日までで、2024年11月ごろに発送されます。価格は8900円(税込み)で一人3個まで予約出来ます。


あとがき

『今のレベルファイブが子供向けという制約を外した作品を作るとどうなるのか』
 私が『メガトン級ムサシ』を本気で考察しようとした理由はそこにあります。『メガトン級ムサシ』は元々妖怪ウォッチやスナックワールドのように玩具が計画されていましたが、路線変更されました。
 私は今まで『妖怪ウオッチ』や『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』といったメインターゲットが小学生のレベルファイブばかり追っていたので、そうではない作品を観るのは初めてでした。


 『メガトン級ムサシ』は発表された後、何度も路線変更されました。その為、設定が練られています。私は今までレベルファイブ作品を見続けていましたが、『メガトン級ムサシ』のストーリーは歴代最高と言っていいでしょう。
 そんな経緯がある『メガトン級ムサシ』ですが、『滅亡した地球を取り戻す為ロボットで戦う』という大元は変わってません。
 『メガトン級ムサシ』で伝えたかった事は何なのか、何度も路線変更してまでも完成させたかったのは何故なのか、その答えを探す為に私は考察をしていました。

 様々な愛の形、逆境にも立ち向かう強い精神、それからシーズン3でアダムが話していた言葉『非合理で愚かで混じり合う事を恐れぬ 他を思い、認め、受け入れる』、
それこそムサシで伝えたかった事なのではないでしょうか。

 この『メガトン級ムサシ』の物語はここで終わるかもしれませんし、まだ続くかもしれません。私は一時期『メガトン級ムサシ』と同じく日野晃博さんが手がけた『ガンダムAGE』は観ていましたが、あまり追えませんでした。
 『妖怪学園Y』から私はレベルファイブ作品の考察をSNSで始めましたが、ここまで本気で考察したのは初めてです。まさかレベルファイブ作品をきっかけにロボアニメやSFに興味を持つとは思いもしませんでした。
 この本気を次の考察にも繋げたいと思います。私は『イナズマイレブン英雄たちのヴィクトリーロード』と『デカポリス』の考察もやろうと計画しています。私は過去の栄光だけでなく今のレベルファイブの本気が見たいと見たいと願っています。

 レベルファイブさんへ、頓挫する中で『メガトン級ムサシ』をこの世界に送って下さってありがとうございます。これを生かして次の作品に繋げてください。私は微力ではありますがこれからも応援していきます。
 長くなりましたが最後まで見てくださってありがとうございました。それでは、次の記事で会いましょう!


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