職員室の内側8ー変わる授業ー
前回の記事では高校において変わらぬ授業の話をしましたが、2019年以降授業に大きな変化が見られるようになりました。変化の要因は、GIGAスクール構想のもと生徒一人一人がICT端末を持つようになったこと。アクティブラーニング(AL)の考えが広まったこと。そしてコロナ禍である。ICT端末は先行する学校では既に行われていたが、全ての学校・生徒に行き渡った影響は大きかった。東京都ではOfice365を導入しているため、教員同士、教員と生徒がteamsでつながることができるようになった。課題の配信、課題や授業振り返りの提出、授業動画の配信、オンライン授業が簡単にできるようになった。これらの機能を使って生徒の意欲を引き出し、主体的な学びに導くような授業をする教員も出てきた。生徒の積極的授業参加と協働的な学ぶを動かすアクティブラーニングもここ数年で活用する教員が増えてきた。個人ワークとグループワークを組みわせることで生徒の思考の深化を促し、思考力や判断力・表現力の育成に役立っている。2020年からのコロナ禍ではオンライン授業や教員の授業動画作りが急速に進んだ。ICT端末の配布が進んでも、その活用に躊躇していた教員も否応なく取り組まざるを得なくなった。
ZOOMを使った授業、YouTubeへの授業動画のアップが信じられないほどのスピードで進んだ。2019年。私はドイツを研修で訪問し、日本におけるICT端末を活用した授業を紹介した。その当時のドイツではICT端末活用に懐疑的な教員が多く、伝統的な講義型の授業がまだ多く残存していた。そのドイツもコロナ禍でICT端末の活用が日本同様に一気に進んだ。コロナ禍は世界全体の教育のあり方を大きく変えたといえる。
授業で活用できるアプリも増え、それらを活用することで、生徒の意欲を引き出したり、授業の効率化も図れるようになってきた。
しかし、前回の記事でも述べたようにいわゆるチョーク&トークのスタイルはまだまだ多い。教員自身がICT端末の活用を学ぶ機会が少ないのも事実である。ICT端末の活用が進んだ学校と進んでいない学校との間にどのような結果の違いが出るかは検証する必要があるが、活用度にあまり大きな差があることは問題だと考える。