発酵する記憶と香る春
心のシャッターを切る場面がある
入試帰りの雪の坂道、甘いアフタヌーンティー
徒歩10分の引っ越しとカーテンのない部屋
小さな花火大会の帰り道
アーケードで歩き疲れたあとのカフェ
夏の終わりの美術館
心細い池袋のビジネスホテル、IUのpalette、泣いた夕方
交差点を見渡せるベローチェ
一人で突然行った日帰り温泉、鯖の味噌煮定食
川辺のカフェのさっくりしたスコーンと生クリーム
寄り道した街の知らない顔
抜けるような沖縄の青空、乾いた空気、優しい友人たち
母が買ってくれたヘアターバン、弟と入った適当なカフェ
いつでも世界は私に開かれている、そこに予測不可能なものがあるときに、突然に、ときめきを抱えて
例えそのときには辛くて鬱陶しい記憶だとしても、発酵して、ほのかに優しい香りをたたえる場面たち
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