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新規事業における営業に必要な考え方とは?

新規事業特化の営業コンサルとして、ベンチャー〜大手まで20社以上の支援をしてきました。
今回はその経験を通して感じた「事業立ち上げ期に必要な営業」に関して私なりの考えをまとめました。
事業立ち上げ期において困っている企業/営業パーソンの方がこのnoteで、新しい気付きや、次の行動に繋がる何かを得ていただけたら幸甚です。

特に以下の方に向けて書いていきます。

<経営者/事業責任者>
・営業経験があまりなく、どう営業を進めていけばいいか分からない方
・営業を採用したがあまりうまくいっていなく、今後どうすればいいか考えたい方
・営業職を採用していきたいが、どういう人を採用したらいいか分からない方

<営業>
・営業キャリアを積み新規事業の営業に飛び込んだが、営業の進め方を他のメンバーに理解/信頼してもらえず悩んでいる方
・営業でキャリアを築いた後、事業責任者になりたい方

DeNA出身の新規事業営業コンサル

簡単に自己紹介をさせていただきます。

DeNAでECの既存営業と営業マネージャー、LITALICOでWebメディアの新規営業を経験し、現在は営業組織のコンサルティング事業を行うMULTIS(マルティス)という会社を経営しています。

営業リスト作成/アポ獲得を外注することはあっても、商談実施や営業戦略を正社員以外が行うということは少なかったように思います。
最近は徐々に、商談実施までを含めて外注するケースも増えてきているように感じます。

その中でMULTISは、事業立ち上げ期に特化した営業コンサルティング事業を行っています。

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なぜこの領域での事業を開始したか?は別の機会にお伝えできればと思います。

トップセールスでなくていい

新規事業の責任者/経営者の方から聞くことが多いご相談がいくつかあります。

・優秀な営業経験者を採用したいが、市場に全然出てこない
・営業職を採用したが、売上が期待通りに上がらない
・営業組織を拡大したいが、ナレッジが体系化されていない

一方で、営業の方に話しを聞いていくと以下のような課題感が上がることがあります。

・こういうプライシングにしたら、売れると思う
・××をターゲットにした方が、売れると思う
・サービス/製品が完全でないから、価値/使い方を啓蒙していかないといけない

これらのご相談は少しずつ異なるように見えますが、「売るために必要なこと(要件)」の輪郭が曖昧であるということに感じられます。

このフェーズでは、トップセールスであることは原則必要ないというのが私の持論です。
では、事業立ち上げ段階において必要なことはなにか。

1、チーム内で正確な共通認識の仕組み

「ターゲット/顧客ニーズ/提供価値/サービス要件」
この4項目が合致すると、小手先の営業テクニックなどではなく、再現性のある形でサービスが成り立ちます。

まずはチームでこの4項目を整理してみることをオススメします。
この段階でチームメンバー内で認識のずれが少しでもある場合、間違いなく事業の立ち上げスピードが落ちます。(※ここでは職種ではなく、機能として)マーケ/営業/企画/開発に一貫性が無くなることで、サービス成立の要件の欠落箇所が埋もれてしまうためです。

そして、「ターゲット/顧客ニーズ/提供価値/サービス要件」の4項目それぞれについて、
「顧客の発言としての事実」「顧客の行動としての事実」「営業の所感」この3つを明確に分けることがとても大事です。

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私の肌感としては、「営業の所感」>「顧客の発言としての事実」>「顧客の行動としての事実」という順でチーム内の認識ができてしまうことが多く発生します。

ただし実際には、全く反対の順で正確なニーズ/顧客像が見えてきます。

これは決して事業立ち上げ段階以外の営業にとっても言えます。
しかし、事業立ち上げ段階においてはサービスを作りながら営業を進めるため、ここが整理できていないとサービスも的外れになり、影響範囲が非常に大きいと考えています。

上記を踏まえて、最終的にはチームで「ターゲット/顧客ニーズ/提供価値/サービス要件」の仮説を更新していくことで、確実に事業として前に進んでいくことができます。

2、刻一刻と変わる状況に合わせた目的/課題設定

事業立ち上げに関わる多くの人が知っている「Running LEAN」という本があります。
事業立ち上げに必要な観点を抜けもれなく考え、実現性/収益性のリスクが高いところから検証をしていきましょうという考え方です。

おそらく読んだことがある人は多いと思います。
しかし、営業パーソンが実際にこの考え方を理解し、実践/応用することは一筋縄でいかないことが多いと感じています。
私自身、数々の新規事業の営業に携わっておりますが、教科書どおりに進まないことの方が多いです。

特にベンチャー企業では、バーンレートを踏まえた上で意思決定/決断を迫られます。
そのため、事業状況を踏まえて、その時々で適切な目的/課題/意思決定の基準を定めていくことが重要だと考えています。

・想定していた顧客ニーズにサービスが当てはまらなかった。
・コアメンバーが急遽抜けてしまい、戦力が限られてしまった。
・競合が大幅な値下げをしたことで、戦況が大きく変化した。
・資金調達の見通しが悪くなり、数ヶ月で確からしい成果を上げなくてはいけない。
etc.

880万人いると言われている営業職の多くは、顧客/課題がある程度パターン化している状況でのグロース(売上拡大)フェーズでの経験者がほとんどです。
このフェーズでは、特定の目標に向かって地道に行動し続けることが、成果最大化で最も有用かと思います。

一方で、事業立ち上げ期は、その時点時点での目的を設定し、必要な行動を設定するという新しい思考/行動が求められます

大事なことは、刻一刻と変わるその時点の状況/情報を踏まえた目標設定、精度の高い仮説立て、スピーディーな実行(営業)を行うことです。

最後に

さて、今回初めての投稿になりますが、要点を絞ってまとめました。
「いろいろなケースが存在するから、一概に言えないな。」
そう思ってしまう性格もあり、対外的に発信することはしてきませんでした。
ただし、これを読んでいただいた方で少しでもなにか発想のヒントになってもらえたらいいなと思い、書いてみました。
ご質問/ご意見/ご相談なんでも大歓迎ですので、なにか感じられた部分がありましたら是非コメントいただけると嬉しく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆様の事業/営業が一歩でも前に進みますように。

会社紹介 〜株式会社MULTISとは〜

株式会社MULTISは新規事業営業コンサルティングの会社です。
営業を中心に、ベンチャー〜大手企業の新規事業立ち上げのコンサルティングを行っています。

代表略歴:
須々木 龍太
DeNAに新卒で入社後、EC事業部の営業に配属され、全月営業目標を達成。当時史上最年少となる一年目でマネジャー就任。20名以上のマネジメンメント〜大手小売企業のアライアンス営業、新規事業のプロジェクトマネージャーを歴任後、ヘルスケア事業、ゲーム事業にて、Web/アプリサービスの企画・運営に従事。その後、LITALICOを経て、2018年フリーランスとして独立し、新規事業特化の営業コンサルとして活動。2020年株式会社MULTIS設立。

営業の方/企業の方からの無料相談も随時受け付けています。お気軽にご連絡ください!
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