アトピーと思春期と私の民間療法について
本を読んで思い出した。
この本を読んで思い出したが、私はアトピーだった。
ちなみに、現在はアトピーは完治しており、いわゆる化学調味料等にも気を使っていないし、飲み薬もワセリンもステロイドもポチシートも使っていない。本を読むまで自分がアトピーだったこと自体を忘れていたほどの体たらくである。
しかし、いまだに「アトピー時代の習慣」が残っているし、せっかくなので治ったときの「民間療法」についても共有したい。
また、思春期時代のアトピーの辛さについての記事があまり見当たらなかったので、何かの役に立てればと思い、高校生時代のアトピー体験記についても簡単に書こうと思う。
アトピー対処法だけが知りたい方は、「やってた似非民間療法」と「継続してるアトピー対策の習慣」まで読み飛ばしてほしい。
アトピーで過ごした高校時代
高校1年生
物心ついた頃からアトピーだったが、高校に入ってからは特にひどくなった。
太ももから膝裏にかけて引っ掻きすぎて全体的にグジュグジュになっており、ポチシートを貼ってその上から包帯を巻かないと、肌とズボンが体液によって接着してしまっていた。
(包帯が体液でビシャビシャになり、包帯とズボンがくっつくこともあった。)
腕や肩はパサパサで真っ白になっており、授業中にどうしても痒いときは制服の上から強引に掻いていた。
特にひどかったのは金玉袋で、蒸れており、就寝前に掻いてしまうので、ほぼ1年を通して真っ赤に腫れていた。
思春期時代の自分にとってそんな自分の体を「受容」することはできなかったし、万が一にも好きな子と性交渉するなどということは考えることができなかった。
また、友達にも肌を見せるようなことは極力避けており、夏場の薄着でアトピーがバレるのが恐ろしかった。
念のため書くが、ずっと病院には通っており、適切な治療は受けていたはずである。
高校2年生
高校2年生のときは、太ももから膝にかけてのアトピーはある程度収まっていたが、尻が特にひどくなっていた。
また、この年は修学旅行があり、それが何よりも辛かった。
入浴時間が決められており、一人で入浴することは不可能だったので、必然的にクラスメイトに肌を見られることになった。
それでも、できるだけ目立たないように風呂場の端っこで体を洗い、浴槽に足を付けたらすぐに更衣室に戻り、アトピーの箇所が見えないようにタオルで隠しながら体を拭いて部屋に戻った。
※今思えば、適当に言い訳して風呂に入らなければよかった
身体をお湯につけなかったのは、「アトピーが見られたくないのですぐに浴場から出たい」という想いもあったが、「お湯を体液で汚してしまうのではないか」という不安もあった。
ステロイドは持たされたが塗れる時間がなかったので、寝るときは気合で我慢した。
高校3年生
高校3年生ではアトピーが顔に出た。
具体的には、目の上と下にアトピー症状が発生し、目の周辺にガーゼを付けて登校していた。
ガーゼを付けても完全に体液は防げず、家に帰ったら黄色く染みていることもあった。
友達からは微妙に距離を取られることもあった(被害妄想かもしれない)
だが、後期からは民間療法が効いたのか(?)アトピーの症状も収まり、受験には集中することができた。
大学
高校3年後期から急激に症状が改善し、大学1年生の時点でほぼ完治していた。
大学2年以降から現在まで特別なアトピー対策はしていない。
やってた似非民間療法
急激に症状が改善した時期から始めた民間療法についていくつか共有したい。
ただし、注意してほしいのは幼年期~青年期に発生したアトピーは往々にして年を重ねれば治るもことが多く、この民間療法が有効だから治った可能性は低いということだ。
アトピーの発生理由は解明されていない。皮膚バリア機能の低下が影響していること、本来寄生虫に対抗するためのTh2細胞が優位な時に発生することなどが分かっているだけで、わからないことも多いようだ。
・ 風呂場でワセリンを塗る
担当医からは、「お風呂から上がったら、肌が渇く前にできるだけ早くワセリンを塗る」ように言われていたが、塗る範囲が広すぎて肌が乾く前に塗るのは現実的に不可能だった。
そこで編み出したのが風呂場ワセリン法だ
①タオルとワセリンを風呂場の扉の前に置いておく。
②体を洗い終わったら、タオルとワセリンを取ってすぐに扉を閉める。
(できるだけ浴室の湿気を逃がさないようにする)
③風呂場内に居たままタオルで体を拭いた後にワセリンを塗る
書いてみれば何のことはないが、これを実践してから肌環境が劇的に改善した気がする。
・かゆくなったら祈る
いよいよ民間療法っぽくなってきたが、これは実践的な方法だ。
かゆくなってきたら、両手の指を絡ませて祈りのポーズをするというものだ。(恋人繋ぎの一人両手verのような恰好)
体が痒いとき、ただ我慢するのは難しいが、祈りのポーズを継続することに集中すれば、案外耐えることができる。
繰り返すが、「かゆみを我慢すること」に集中するのではなく、「手を合わせて祈りを継続すること」に意識を向けて集中するのがポイントだ。
祈っている間は、手が塞がっているので体を掻くことができないので、気づけばかゆみも収まっている。
・寝るときはラジオを聴く
経験上、一番体を掻くのは就寝直前だ。
風呂に入った後は体が火照っているし、布団の中は暖かくてかゆみが増してくる。
さらに、かけ布団やシーツがパジャマの上から体に当たるので、肌が敏感になる。
手持ちぶさたで、包帯やガーゼをいじり始めたらもうお終いだ。
そこで就寝時のかゆみ対策のために、ラジオを聴くようにした。
あまりおもしろくないラジオを聴いてれば、気が付けば寝ているので、かゆみに意識が向くこともない。
ラジオを聴く習慣がなければ、「全く興味のないゲームの実況動画」もおすすめだ。
・きたねえ部屋に住む
大学時代、一人暮らしを始めて、住環境が一気に汚くなった。
掃除機を使って掃除するのはお盆と大晦日だけだった。
それでも清潔に保っていたはずの実家よりも圧倒的に症状が改善した。
原因はわからないが、やるせない気持ちになった。
・全部偶然かも
繰り返すが、アトピーは年を重ねたり、少し環境が変われば治ったり再発するものなので、民間療法が効いたとは限らないのは注意してほしい。
仮に私の民間療法を試して症状が悪化しても責任は取れない。
継続してるアトピー対策の習慣
自分がアトピーだということは忘れていたが、無意識下でやっていたことを共有したい。
体を洗うときには絶対に道具は使わない
ボディシャンプーを付けて、手で体を洗っている。
タオルを使ってゴシゴシは洗うなどということは絶対にしない。
ゴシゴシ洗うのは、ほぼ体を引っ掻いているのと同義だし、角質が落ちると免疫が活性化してかゆみも増えてしまう。
誰が何を言っても絶対に道具で体をゴシゴシ洗ってはいけない。
服がチクチクしたらすぐ着るのをやめる
服の値段や材質を問わず、世の中にはなぜかチクチクする服がある。
(高級品だから大丈夫なはず…は罠である。自分の感覚を信じよう)
試着段階で気を付けるようにしているが、仮に買ってしまった場合は、どんなに高価でもチクチクするなら即捨てるか他人に上げている。
おわり
少しアトピーの記事を調べて気づいたのだが、アトピーの治療にオーガニック的な自然療法を勧める記事が多いようだった。
個人的な経験からするとそういった治療法は反対である。
実家に居た時はほぼジャンクフードを食べていなかったにも関わらずアトピーだったが、一人暮らしして生活習慣が崩壊してからはアトピーが完治した。
「悪い食べ物」を食べたから「悪い症状」が出るという短絡的な発想をするべきではないと思う。
冒頭で紹介した本では、「アトピーが現代の先進国で増えたのは生活環境が清潔になり過ぎたから」という説も紹介されていた。
基本的には皮膚の免疫機能全般について書かれた本だが、アトピーについては単独で章立てされているので気になる方は読んでみてほしい。
共有したいことは書き終わったので終わりにします。
読んでいただき、ありがとうございました。