撮影現場で名無しくんにならないために。
『REC押すだけなら誰でもいいんだよ』っと知人が後輩くんに言っていた。
私からしたら『REC』さえも確実にならない人だっているので、REC押す以上に何ができれば次の現場にも呼んでもらえる誰かになれるのだろうと思って聞いていた。
昨日知人が後輩くんの五臓六腑に染みわたるように話していた内容はこんな感じ。
1 クライアントのことを知り尽くしてから現場に行け。
例えばクライアントがスポーツ選手ならばチームカラーを取り入れた洋服を着ていく、ミュージシャンならば、曲およびMVのディレクターリサーチは完璧にしていく、などだ。
これは、仮に1アシスタントに過ぎないような立場の人でも、実施すべきだと私も思う。現場での会話を理解するのが楽だし、なにより突然訪れるクライアントとのコミュニケーションに必要だ。
2 自分の責任を全うすること
先輩、後輩、ディレクター、プロデューサー、そんなの関係ない。
そのカメラのREC、その収録のREC、その照明。それぞれの責任があるのは君。撮影に支障が出るようなことがあれば責任を持ってディレクターに伝えなくてはならない。また、その責任としての意見をも伝えるべきだ。
後輩くんは、収録を担当しており外部音が入ってしまっていたのにも関わらず、ディレクターが確認しない限り自らそれを報告し撮影を止めることはなかった。
『それなら誰でもできるよ』ということだ。音声を担当しているのは後輩くんただ1人で、音声として使えない、最高のものでない限りは、きちんとタイミングを見て報告し、対処してから撮影を再開すべきであった。
それを、ディレクターや制作側が『止めた方がいいんじゃないのか?』と不安になって声をかけるまで報告できなかったのには、もちろん私たち制作側の空気もあったであろうが、後輩くんなりの責任を全うしてほしかった。
大きくはこの二つ。
どちらもものすごく当たり前のことかもしれないけども、これはこの後輩くんに成長して欲しくて、きちんと教えたらできるようになるとわかっているから知人はとても厳しく話していた。
『もう現場にあの子は呼ばない』そう決めた途端に全く何も言わない人だっている。
誰でもいいやじゃなくて、あの人にお願いしたい。そう誰かに思ってもらいたい成長中の誰かのために、このメモ書きは有効活用されるといいな。