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最高のアニメ本が発売されます!
こんにちは!
嬉しいニュースです
スタジオジブリの撮影にスポットを当てた
非常に興味深い本が11月29日から発売されます
メインの奥井敦撮影監督
インタビュー枠の宮崎駿、富野由悠季、大友克洋
そして編集が野崎透氏!
野崎氏はこれまでも
「METHODS 押井守 演出ノート」
「MEMORY OF MEMORIES」
「ロマンアルバムエクストラ 風立ちぬ」
などの名著を数多く担当されてます
奥井敦&野崎透の俺得本
これは期待大です!
野崎透のアニメーション観
以下、野崎氏のこれまでの編集方針や文献から
今回発売される「スタジオジブリの撮影術」が
どのような位置付けなのか見ていきます
1990年代
ラストショットのズーム・アップに関しては、二つの意で革新的だったと言うことが出来る。
一つは、そのものずばりで、これまでセルのサイズによって密度の左右されるアニメーションでは不可能と考えられていた極端なズーム・アップが可能になったということである。 これは、もちろんトラック・アップに関しても同様で、実写で は当たり前のように行われていた遠くから近くへと1カットで寄って行くというショットが、全動画(背景も含めて全て 動画で描く方法。ただしこれを使うと画面の密度——つまり 情報量は極端に落ちてしまう)に依らなくても出来るように なったのである。これが如何にアニメーションの表現力を拡げたかは想像に難くない。
もう一つ、このシーンで革命的だったのは、アニメーションという表現の中で制御できる時間軸の幅を一気に拡大したと いう事である。意外に知られていないことだが、アニメーションにおいて1カットの時間を長くするのはまさに至難の技なのである。それは多く動きの緻密さを含めた画面密度の問題 から必然的に生じてきてしまう制約であった。押井監督が画面の密度にこだわるのも、まさにこの時間軸の拡大という演出側の本質的な欲求から出てきたものなのだ。このシーン を見てもらえば分かるように、ディジタル技術はそうした時間軸を拡大する一つの道筋を示してくれていると言うことが できるだろう。実は、このシーンも当初は今の1/3ぐらいの長さしかなかったという。それが、テストを重ねて行くう 次第に長くなっていき、遂に今の長さになったのである。
最後の一文への補足-当初絵コンテでは
オプチカル合成の予定であった
この分を参考に次の記事を書きました
(野崎氏の文を実践的に解説していますが、更に内容を深めるには知識が不十分でしたので、いずれ改訂しますm(_ _)m)
30年近く前の文献ですが、この頃は「演出ノート」のインタビューも含めアニメーションの技術論を積極的に語ったりするなど、映像に対する期待感が見られます。
「MEMORIES」ではもう一歩踏み込んだ解説も。
全体として2次元のアニメーションにおける立体表現に注目される傾向があります。
90年代半ばから、
デジタル技術がアニメ映画に用いられ始めます。
GITSやMEMORIESが1995年に公開された後
1997年に宮崎駿監督作品で初めてデジタルを試みた
「もののけ姫」が公開されます。(短編ではOn your markが先)
この頃に野崎氏はジブリとの繋がりを持ち始めたと考えられます。
2000年代
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(著者不明だが、主任編集と執筆を
されているのでおそらく野崎氏のもの)
野崎氏の中で変化があったのか、技術面を語ることに意味づけをしています。90年代のアグレッシブな感じがなく、あくまで作品理解の手掛かりとしています。本書には奥井敦撮影監督へのインタビューが載っています
また、美術手帖(2014/01)でも奥井敦撮影監督へのインタビューと高畑勲作品への言及を行っています。
相変わらずアニメの立体表現への意識が高いですが、ロマンアルバムエクストラで作品全体の解説を構成した際、「撮影技法の解説を他のジブリ作品でもやってみたい」と思われたのではないかと考えられます。
更に奥井敦撮影監督をメインに扱えば「AKIRA」「逆シャア」と言ったビッグコンテンツまで広がる訳で、これはやるしかない!といった感じでしょうか(妄想)
少なくとも、野崎透氏が編集するとなればマニアックな本であることは間違いないです。立体意識をメインとした他様々な技法の解説だけでなく、撮影台の取り扱いや進化についても言及していることを期待してます!!
楽しみーー😊