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ウマのいないウマ娘ワールド この世界はいかにして発展してきたか

家畜の歴史

 古来より我々ヒトは様々な生き物を家畜化してきました。もちろん、生まれながらにして人間の家畜として生まれた生き物はいません。人類が長い歴史の中で飼育の体系化を行い、脈々を受け継ぎ発展させてきたおかげで、現代の生活が成り立っています。家畜技術がなければほとんどの肉は簡単には食べられませんハチミツは超高級食材、そして18世紀に蒸気自動車が発明されるまで他の動力を利用した移動手段を人類は持っていなかったことになります。

 世界最古の家畜をご存じでしょうか?これはイヌと言われていて、野生のタイリクオオカミを家畜化したと言われており、次にヒツジが続くと言われています。有名なところですとブタイノシシの家畜化によって生まれた動物と言われていますし、日本では馴染みがありませんがトナカイアルパカラクダなどもそれぞれの地域で古くより家畜とされてきました。

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これはウシ

昆虫も家畜

 養蚕で用いられるカイコ(カイコガ)も代表的な家畜です。特にこのカイコはあらゆる生物の中で唯一、野生への回帰能力を失った生物であり、野生に解き放ってもそのまま死んでしまいます。これは長い養蚕の歴史の中で、完全に人間によって家畜化されてヒトに飼育されることでしか生きながらえない存在となった希有な例です。養蚕によって作られる生糸(絹)は我が国日本の重要な輸出品目であり、合成繊維が生まれるまで日本の経済を支え続けてきました。

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 このように、現代においても重要な家畜産業ですが、ウマ娘の世界では動物のウマという生物がいないようですので、当然ながらウマは家畜化されていません。ウマ娘の生態を見る限り、普通の人間と同じ扱いをされているようですし、またウマを家畜化する最大の理由である移動手段という点ではウマ娘に乗れない以上、理由がありません。
 しかしながら、我々人類は自動車に乗って移動したり必死に自転車を漕いできた歴史より、遙かに長い年月をウマという動物にまたがり移動してきました。この点において現実の現代とウマ娘世界は決定的な乖離をしています。
 果たして、ウマの存在しないウマ娘世界は現実の2021年現在の地球のように近代化発展することが可能なのでしょうか?

ウマのいない世界史はあり得ない

 ウマが家畜化された紀元前4000年頃と言われており、最初は食肉目的と考えられています。その後、モンゴルにおいて騎乗の技術が生み出されて以来、前述の通り蒸気機関の開発まで人類が持つ最速の移動手段として君臨し続けます。

 勘のいい人はこの辺で気がつきますが、モンゴル人がウマに乗れなかった時点で世界史が大分予測不可能になることが分かるかと思います。というかウマなしで長距離荷物を持った移動することがかなり困難なので、民族の移動などが生じなかったヨーロッパとか想像できませんし、戦車や騎兵なしでどうやって戦争したのか謎です。

じゃああの世界はどうやって発展したのか

 正直に言ってウマが存在しない世界で、(恐らく)西暦2020年前後に現在の日本と同等の発展を遂げている可能性はかなり低いんじゃないかと思います。ウマの代わりにウマ娘という存在はいますが、

・ヒトの母体から生まれる
・人語を解し、ヒトと同程度の成長をする

という点から、直ちに家畜として扱われるかというと難しい気もします。異民族や異文化でウマ娘という存在に出会うのであればまだしも、同じコミュニティ内において一定の確率でウマ娘が誕生するのであれば、ある程度は存在を受け入れるのではないでしょうか。現に母親がお腹を痛めて産んだという事実もありますしね。
 そもそもウマという生物はその形状からヒトが騎乗したり荷物を載せることが出来て便利なのに、ウマ娘はヒトに極めて近い形をしていることから、こうした輸送業務にはかなり不向きでしょう。

と思ったら、どうやらロバはいるらしい

 興味深いですね。ロバの耳という言葉があると言うことは、ロバという動物は存在しそうです。ウマがいないということは、ウマ科の動物全部が存在しないのかと思ったら、どうやらノウマの仲間たちだけが存在しないと言うことなのでしょうか?すると大分前提が変わってきますね。ウマ科の生き物は他にロバとシマウマがいます。シマウマはほとんどヒトに懐かないと言われているため、ウマと並んで古くより家畜として用いられてきたロバがウマに変わって重要な地位を占めていることは想像に難くありません。

 きっとウマ娘世界では、ナポレオンもロバにまたがっている姿が現代に伝わっていることでしょう。

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結論

 ウマ娘の世界はウマの代わりにロバが主役として大活躍してできた世界説を推していきたいと思います。

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以上

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