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彼女は「インターネットの歩き方」を知っている――月ノ美兎委員長のネット処世術

 月ノ美兎委員長(以下、委員長)の荒らし行為に対するスタンスや対処方法について考察してみたいと思います。

インターネット・コミュニケーション論(概論)

 委員長は時々、リスナー(動画視聴者、フォロワー)から意見やアイデアを募集する企画をすることがあります。例えば今回の記事を書く理由になった「声真似大会」企画ですとか、以前設置されていた目安箱などです。また、多くのにじさんじライバーが匿名メッセージアプリのマシュマロを使用していたりします。
 ご存じの通り、インターネットにおけるメッセージのやりとりは最も原始的(インターネットというものが存在し始めた頃からあるという意味)なコミュニケーション手段であり、電子メール(email)が昔から今に至るまで重要な地位を占めていることからもおわかりになると思います。
 しかしながら、現代においてはメールでのやりとりというのはいささか不便さもあるのが事実。というわけで上記のような方法で意見集約を行うことが一般化しております。また、匿名性を是とするインターネット文化において、メールアドレスは個人への最も基本的な連絡手段として重要です。故にあまり公にしたくないという人も多いことから、マシュマロなりアンケートなりが便利に使われるという理由もあるでしょう。
 しかしながらこうしたサービスにつきものなのが下記のような問題です。

以下、本文中より引用。

エラー排出時期がちょうど荒らし対策をする前だったことから(故意に大容量の同じ音声を何度も送るリスナーさんがいました)当時のデータの圧迫が理由と思われます。対策が遅れてしまったことも、重ねて申し訳ありません…!

 インターネットカルチャーにおいてつきものである「荒らし」、または「荒らし行為」です。

 最近はいわゆるネット掲示板等における「荒らし」というよりかはTwitterなどでバズったツイートに対してわいてくる「クソリプ」マシュマロに飛んでくるいわゆる「クソマロ」が荒らしとして認識されているように思います。掲示板の運営管理強化とそもそも文化の衰退が大きいのでしょうが・・・
 スマートフォンの登場と若年層への爆発的な普及により若い世代がインターネットに激増しました。彼ら彼女らはSNSを中心に活動し、従来までの匿名コミュニティが中心のインターネットとは隔絶した文化を持っています。一方で、古くからのSNSやネット掲示板などでは当然のごとく匿名でのコミュニケーションが中心になっており、若者がここに入り込むときも郷に入っては郷に従えの精神なのか、多くの場合は匿名でアカウントを作るようです。
 ここで若者たちが直面するのが、インターネットに蔓延る悪意です。

性悪説を地でいくインターネット

 Twitterで絵師と呼ばれる人たちをフォローして観察していると、その年齢の若さに驚かされます。20代なのは当然として、未成年なんかも結構います。彼ら彼女らは広く広大で悪意に満ちたインターネットでの歩き方を知らないままSNSにデビューし絵を投下していきます。人気になれば大量のFavがついてRTされ、pixivなんかでもバズっていくことでしょう。そうなると少なからず荒らし、あるいはクソリプが飛んでくることになります。これは、彼ら彼女らにとって非常に恐ろしい体験となります。

何でこの人たちは私にこんなことをするのだろう?何が楽しいのだろう?

 初めて遭遇した荒らしに対応する術を持たない絵師たちは、こうして無限の闘争に身を投じていくこととなります・・・

地球ならぬ、「インターネットの歩き方」

 もちろん悪いのは荒らしなのですが、古くよりインターネットでは荒らしの相手はするなというのが金言としてあり、放置する・黙って通報するのが最善手と言われています。その点から対応が非常にうまいのが月ノ美兎委員長なのです。

彼女がすごいのは、(私が知っている限り)荒らしに対して明確な批判めいたことを一切言わないのです。

 普通、自分のコミュニティやサービスが荒らされたり批判されると反論したくなるのが人間の常です。先ほど例に出した若い絵師たちがついつい反論しちゃうのも、対処法を知らなかったり若気の至りもあるかもしれませんが、人間の性でもあります。しかし委員長は言わない。彼女が語るのは、荒らされたという事実とそれに対してのリスナーへの謝罪だけです。
 委員長はただ荒らされただけで謝る必要なんて本来はないはずです。しかし私が考え得る限り、委員長のこの対応は完璧です。荒らしは無視してその荒らされる原因を特定し、修正し対策する。荒らし対応の原理原則に則ってやっています。何故彼女はここまで上手な対応ができるのでしょうか?

インターネット文化論

 答えは簡単でした。彼女はインターネットの昔をよくご存じというだけです。上のサムネにあるテレホタイムとまではいかなくとも、ADSL全盛時代に個人サイトで活動したりCGIのチャットでやりとりしたり、おもしろフラッシュを見ていた世代であればネット掲示板の荒らしを目撃したりその対応方法をググってみたり、自分で個人サイトを開設してみたりで経験を積んでいます。この経験の有無が委員長と"若い"ネットユーザーとの差なのでしょう。
 例えるなら月ノ美兎委員長はパスポートがボロボロで増補もしちゃうような旅慣れたバックパッカー、若いネットユーザーたちは初めての海外旅行で行ったローマのスペイン階段で怪しい移民から謎の花を10ユーロで売りつけられるような経験の違いです。
 旅慣れているからこその諦めの境地とでもいいましょうか、荒らしに何を言ってもしょうがないので黙々と対処するしかないと知っているのでしょうね。運営側からすれば荒らしは多少知恵のある害虫と一緒なので、無の境地で対応するしかありません。わいてくる虫に怒ってもしょうがないですからね。
 とまあこれらは私の完全な妄想に過ぎませんが、委員長の対応を見る限り、概ねこんな感じで考えているんじゃないかなという想像をしてみたというお話でした。

まとめ

・インターネットは荒らされるもの
・委員長はなすがままを受け入れる(諦め?)
・それは(悪い意味で)古き良きインターネットを知るからこその境地
・VTuberも含めてインターネットを荒らすのはやめましょうね

なんだか中途半端になったので、気が向いたら加筆します。(多分しない)

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