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竹花貴騎〜インスタ運用の実際〜

はじめに

 インスタグラムは、今日のデジタルマーケティングにおいて最も効果的なツールの一つである。特に、ビジネスや個人ブランドがフォロワーと直接つながり、信頼関係を築くためのプラットフォームとして広く活用されている。しかし、インスタグラムの運用を成功させるためには、ただ単に投稿を行うだけでは十分ではない。計画的な集客戦略とコンテンツの最適化が重要である。本稿では、インスタグラムで効果的に集客し、ファンを顧客に変えるための具体的なステップとポイントについて詳しく解説する。

▼インスタグラム集客と運用の概要▼
 SNSコンサルティングとしての独立が可能となるような運用方法を習得すれば、自社でのセルフオペレーションが実現可能であり、さらに長期的なファンを構築することができる。そのためには、以下のような大まかな流れに沿って運用を進めることが推奨される。


①全体誘導設計

 全体的な誘導設計において重要なのは、まず基本的な理解を深めることである。ビジネスの性質にかかわらず、どのような起業でも成功の可能性がある。しかし、成功するためには単に「良い商品」や「美味しい食べ物」だけでは不十分である。顧客が感じる「雰囲気」や「期待感」がそのビジネスを評価する要素として非常に大きい。

 たとえば、ある実験では、普通のお弁当のミートボールが高級イタリアンレストランで提供されると、92%の人が「美味しい」と答えた。つまり、同じ商品でも、そのプレゼンテーションや提供される場所によって人々の評価が変わるのだ。

 また、顧客が他店へ移動する理由も特に大きな変化がない限り「なんとなく」という理由が多い。実際に、美容院に通う8割の顧客が「なんとなく」で他の美容院を選び直すというデータもあり、逆に言えば、顧客が他の店から自分の店へ移る確率も高いということを意味する。

 このような人々の行動原理を理解し、集客設計に反映させることが肝要である。また、インスタグラム運用においては、顧客一人ひとりが実際に目の前にいると考えて接することが大切である。ストーリー投稿やフィード投稿においても、画面の向こう側にいる顧客を意識し、彼らに向けたメッセージを発信することで信頼関係を築くことができる。

②プロフィール設計

 プロフィールはインスタグラムの顔であり、最も重要な要素の一つである。プロフィールを見た人の74%が5秒以内に離脱するため、その短い時間で興味を引くことが求められる。具体的には、以下のポイントを押さえることが重要である。
 • 誰に向けたプロフィールかを明確にする。
 • 興味を惹きつけるタイトルを設定する。
 • URLの動線を完璧に設計し、訪問者がすぐに行動できるようにする。
 • 内容は箇条書きでシンプルにする。

 投稿内容に関しても、統一感を持たせることが重要である。12枚ごとに色や編集スタイル、世界観を統一することで、訪問者にブランドとしての一貫性を感じてもらうことができる。また、顔出しをすることで、フォロワーとの信頼関係を深めることができる。顔出しが難しい場合でも、「6歩バックの法則」を活用し、背後にある風景や世界観を通じて自分自身を表現することが可能である。

③タグや文章、コンテンツ

◾️ストーリー投稿 

 インスタグラムのストーリー投稿においては、以下の3つを心がけることが推奨される。
 1. information: 有益な情報を提供する。
 2. opinion: 自分の意見を発信し、共感を得る。
 3. Daily: 日常の出来事をシェアする。
 飲食店の店長であれば、料理に関連する情報や、日常でのちょっとした工夫をシェアすることでフォロワーとのつながりを強化する。ストーリー投稿で共感を得られる情報を提供することで、フォロワーは日常的にアカウントに興味を持ち、ブランドに対して親近感を抱くことができる。これにより、長期的なフォロワーの維持が可能となり、最終的には集客につながる。

◾️ブロックストーリー

 「ブロックストーリー」を使って感情に訴えるストーリーテリングを活用することも効果的である。ディズニーのストーリーに見られるように、誰かが困難を乗り越えた経験や理想像を描写することで、フォロワーに深い共感を与えることができる。

◾️コンテンツ投稿

 コンテンツ投稿においては、単に「美味しい」「楽しかった」という感想だけでなく、有用な情報を加えることが重要である。たとえば、ある飲食店の投稿で「パンケーキが美味しかった」だけではなく、「ふわふわにするためにサイダーを加える」というような情報を付け加えると、エンゲージメントが高まる。また、広告投稿については非常に注意が必要であり、インスタグラムでは直接的な商品宣伝は避け、自然な形でブランドや商品への関心を高めることが重要である。

◾️ハッシュタグ

 ハッシュタグの運用についても工夫が必要である。5つのハッシュタグのうち、2つは関連性の高いキーワードを含めることで、インデックスされやすくなり、検索結果に表示される可能性が高まる。例えば、映画に関する投稿だったら、「映画」「映画鑑賞」とハッシュタグをつけると良い。

④運用の方法

 効果的なインスタグラム運用のためには、200人を対象にした好感度実験で示された「単純接触効果」を活用することが重要である。毎日ストーリーを投稿することで、フォロワーが親近感を感じ、実際に会ったことがない人でも知り合いのように感じてもらえる。また、インスタグラムの「マブダチ」のような存在になるためには、21日間連続で投稿を行うことが推奨される。
 継続的にフォロワーと接触するために、以下のステップを実施することが推奨される。
 • 毎日投稿するための仕組みを作る。
 • タグづけを積極的に行い、フォロワーとのエンゲージメントを高める。
 •ゲストを招待し、月に一度はコメントやDMを通じてフォロワーと交流する。
 • DMを通じてフォロワーと直接的なコミュニケーションを図ることで、エンゲージメントを高める。
 特に、DMでのやり取りを行うことで、フォロワーの関心が高まり、リピート顧客としての関係が強化される。また、フォロワー数よりもエンゲージメント数が重要であり、フォロワーとの密接な関係を築くことが最優先される。

⑤集客の方法

◾️モニタリング体制

  集客を成功させるためには、モニタリング体制を整えることが必要である。お客様がどのような媒体を通じてビジネスを知ったのかを確認し、インスタグラムが重要な役割を果たしていることを実感させる。また、プロフィールを訪れた人のうち何人がフォローしたかなどの数値を定期的に確認し、その結果に基づいてプロフィールやコンテンツを改善していくことが必要である。

◾️CV理解 

 インスタグラム上での「CV(コンバージョン)」理解も重要である。お客様がアカウントに気づき、フォローし、定期的に閲覧し、実際に店舗を訪れてリピートするまでの流れを理解し、その流れに沿った運用を心がける。たとえば、インスタライブやタグづけを活用し、フォロワーに自発的にアクションを促すことで、アカウントの認知度を高めることができる。
 ※「CV」とは「Conversion(コンバージョン)」の略で、マーケティングやビジネスにおいて重要な指標の一つである。特にWebやSNSでの運用においては、特定の行動(購入、問い合わせ、ダウンロード、メルマガ登録など)を達成した回数を指す。
 例えば、インスタグラムの運用においてCVとは、フォロワーが実際に商品を購入したり、サービスを予約したりといった具体的なアクションに繋がった場合を指す。このように、ただフォロワー数を増やすだけでなく、フォロワーがどの程度自分のビジネスに関与しているか、行動に移しているかを測る重要な数値がCVである。したがって、インスタグラムや他のSNSでの集客活動の最終的な目標は、このCVを高めることにあり、エンゲージメントやフォロワー数が増えても、CVが低い場合、集客や売上に繋がらないという課題が生じる可能性がある。

まとめ

 インスタグラム集客と運用を成功させるためには、計画的かつ持続的な取り組みが必要である。プロフィール設計や投稿内容、ストーリーでの一貫性を保つことにより、フォロワーとの信頼関係を築くことができる。また、単なる商品やサービスの宣伝だけではなく、日常の中でフォロワーに共感を呼ぶ情報を発信することで、長期的にエンゲージメントを高めることが可能である。
 さらに、フォロワーとの接点を増やし、DMやコメントを通じた双方向のコミュニケーションを重視することで、リピート顧客の増加に繋げることができる。これにより、インスタグラム上でのエンゲージメント数が増加し、ビジネスの成長を促進するだろう。
 最終的には、インスタグラムを効果的に活用することで、集客の成功だけでなく、顧客との信頼関係を強化し、ブランドの認知度を向上させることができる。したがって、SNS運用をする際には、フォロワーを「顧客」としてではなく「パートナー」として位置づけ、信頼関係を築きながら長期的な関係を維持していくことが成功の鍵となる。

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