竹花貴騎〜モチベーションが上がる株の授業〜
株式の歴史と仕組みについて知っておこう。どうやって株が誕生したのか、中学生でもわかるような内容でまとめた。株について知ることで、今すぐに株を始めたくなるに間違いない。
1.株で稼ぐ人たち
どの業界が一番儲かるか、IT業界、教育業界、どの業界だろうか。実は、株式投資。株式投資は莫大な利益を得ることが可能である一方で、大きな損失を抱えるリスクも伴う。株の歴史は非常に古く、東インド会社というオランダの大企業が世界で最初に株式を発行したことで始まった。この会社はインドをはじめとする植民地との貿易を行い、軍隊を保有するほどの影響力を持っていた。
2.株式誕生の背景
東インド会社が行っていた貿易活動、特に船旅は、海賊や嵐などの危険に満ちており、船旅を実行するには莫大な資金が必要であった。途中で海賊に出会ったり、嵐が起きたり、リスクが大きすぎた。このリスクを軽減するため、船長たちはリスクを分散し、利益を投資家と分け合うというアイデアを生み出した。これが株式の始まりであり、投資家たちは資金を提供し、その見返りとして株券を受け取り、成功した場合に利益を分配するという仕組みが確立された。
例えば、船旅に100万円の資金が必要である場合、1枚の株券を1万円とし、投資家たちから資金を募った。そして、船旅が成功し、1000万円の利益を出した場合には、投資家たちは10倍のリターンを得ることができたのである。
3.株について
◾️株のリスクと報酬
株式投資は、リターンが大きい反面、リスクも高い。例えば、ドナルドという架空の人物が存在し、彼がある事業に対して資金を集めたが、そのお金を私的に使い、最終的に事業に失敗したとする。投資家は大激怒したが、ドナルドは責任を取ることなく事業を終わらせた。このような事態を防ぐために、企業や投資家は経営の透明性を確保し、事業内容が信頼できるものであることを確認する必要がある。
◾️株式市場とIPO
企業が投資家から資金を集めるために、株式を公開することを「IPO(Initial Public Offering)」という。IPOによって、企業は投資家に対し、経営の透明性を高める義務を負い、投資家はより安心して投資できる環境が整う。さらに、企業は毎年の経営状況を報告し、どのように利益を得ているかや、投資家の資金をどのように使っているかを公開しなければならない。このような情報開示を「IR(Investor Relations)」と呼ぶ。
◾️株主のメリットと責任
株主になることにはいくつかのメリットがある。まず、株主は「有限責任の原則」により、会社が倒産しても投資した金額以上の責任を負わない。また、投資による利益に対して税金が安く設定されている国も多く、株式投資は効率的な資産運用手段として魅力的である。さらに、株主は企業の成長とともに自分の投資が増加し、大きなリターンを得る可能性がある。
4.株式で利益を得る3つの方法
株式投資で利益を得る方法は主に3つある。
◾️ 株式配当
企業が利益を上げた際、その一部を株主に還元する仕組みである。株主総会で配当金の額が決定されるが、配当が少ないと不満が出ることもある。一方で、企業の成長が見込まれる場合、株主は配当が少なくても納得することが多い。
◾️ 株主優待
企業が株主に対して、自社製品やサービスを提供する特典を与える制度である。これにより、株主が株式を売らずに保持し続けるインセンティブが生まれる。例えば、100株を持っている株主に対して、自社製品がプレゼントされるといった形だ。
◾️ 売却益
株式を安く買い、高く売ることで利益を得る方法である。この手法で多くの投資家が利益を上げているが、株価が下がった時に売却すれば損失を被るリスクもある。市場のタイミングを見極めることが重要である。
5.株式投資の一手法とその仕組み
◾️株価が下がることで得する仕組み(空売り)
株式市場において、株価が上がることで利益を得る投資家もいれば、株価が下がることで利益を得る投資家も存在する。
竹花さんは、あるレストランの接客が悪く店内が汚れているという理由で、将来的に株価が下がると判断したとする。この時点でそのレストランの株価は1株1万円である。竹花さんは、ジョニーという証券会社から1株を借り、半年後までに返却する約束を交わす。そして、竹花さんは借りた株を1万円で売り、その売却先は市場であるマイケルとなる。マイケルはその株を1万円で購入し、竹花さんは1万円を手にする。
数ヶ月後、竹花さんの予想通り、そのレストランの業績が悪化し、株価は1株6000円まで下がる。ここで、マイケルは株を売りたくなる。竹花さんは、6000円でその株を買い戻し、ジョニーに最初に借りた株を返却することとなる。最終的に竹花さんは、最初に1万円で売却した株を6000円で買い戻したため、差額の4000円が利益となる。一方、マイケルは1万円で買った株が6000円で売却されるため、4000円の損失を出すこととなる。この手法は「空売り」と呼ばれ、株価が下がることで利益を得ることができる。しかし、逆に株価が上がった場合、竹花さんは損をする可能性が高い。
例えば、もしレストランの業績が予想外に好調で、株価が1株2万円に上昇した場合、竹花さんはその株を2万円で買い戻す必要がある。結果として、竹花さんは最初に1万円で売却した株を2万円で買い戻すこととなり、1万円の損失を被ることになる。このように、株価が下がることで利益を得る手法である空売りには、株価が上昇した際のリスクも伴うことになる。
◾️重要なマインド
株式投資において重要なのは、感情に左右されず冷静に市場を見極めることである。株式市場では時に大きな変動があるが、それに流されずに判断することが必要である。例えば、サイコロを9回振ってすべて奇数が出た場合、次に偶数が出る確率はどうか。これは50%であるが、多くの人は「9回連続で奇数が出たから、次は偶数が出るに違いない」と考えてしまう。しかし、実際にはサイコロの確率は毎回独立しており、どちらが出るかは依然として50%である。このような誤解は株式市場でも起こりうる。
例えば、アップルの株価が急落した際、焦って売却を決断する投資家もいるが、そうした行動は短期的な視点に基づいている。アップルという企業の本質的な価値や将来的な成長性を冷静に見極めることで、短期的な株価の変動に左右されずに判断を下すことが求められる。企業の成長性や技術力、経営の安定性を考慮すれば、たとえ株価が一時的に下落したとしても、長期的な利益を見据えて投資を続けることが合理的である場合も多い。
株式市場では、株価の上昇によって利益を得る方法だけでなく、株価の下落を利用して利益を得る方法も存在する。しかし、いずれの手法であっても、冷静な判断力が求められることに変わりはない。株式市場の動向は予測困難であり、感情に流されることなく、リスクを管理し、適切なタイミングで決断することが成功への鍵であると言える。
まとめ
株式投資には、株価が上がることで利益を得る方法だけでなく、株価が下がることを利用して利益を得る「空売り」の手法も存在する。竹花さんの例では、株価が下がると予想し、証券会社から株を借りて売り、後で安く買い戻すことで利益を得る仕組みが説明されている。この方法は、株価が下がった場合には有効だが、予想に反して株価が上がると大きな損失を招くリスクもある。
株式投資で重要なのは、冷静に市場を見極めることだ。短期的な株価の変動に動揺せず、企業の本質的な価値や将来の成長性を考慮して判断することが求められる。感情に左右されず、リスク管理を徹底することが、株式投資で成功するための重要な要素である。
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