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竹花貴騎〜インスタグラムで埋もれないために〜

 現在のビジネスにおいて、情報の到達率が極めて低くなっている現状において、SNSを効果的に活用することは必須である。現代の情報社会において、個々の投稿が受け手に届く確率はわずか0.1%とされており、情報の洪水の中で目立つためには、戦略的な集客手法が求められている。これは、SNSを単なる趣味の延長で運用するだけでは、決して成功に繋がらないことを意味している。

 SNSでの集客は、単にフォロワー数を増やすことではない。むしろ、フォロワーをいかにサポーター、さらには顧客に変えるかが重要である。そのためには、SNS上での世界観の確立が重要であり、この世界観を形成する際には、「ビジュアル(Visual)」、「感情(Emotion)」、「情報(Information)」の3つの要素をうまく組み合わせる必要がある。そして、それらの軸はコンセプトでできている。


1.SNSでのビジュアルの重要性

  視覚的な要素、すなわちビジュアルは、アカウントの印象を瞬時に決定づける要素である。インスタグラムなどのSNSでは、ユーザーが投稿を見た瞬間に、そのアカウントが魅力的かどうかを判断する。具体的には、アカウントのプロフィールが最も重要であり、ここでの離脱率は5秒以内で74%にも達するとされている。つまり、最初の数秒でユーザーの関心を引かなければ、フォロワー獲得のチャンスは失われてしまう。
 ビジュアルにおいては、サムネイルや投稿写真が特に重要である。文字を多用せず、視覚的に引き込む要素を強調し、生活感を出すことが推奨される。特に、初めてアカウントを訪れるユーザーにとって、サムネイルや最初の投稿が印象的であるかどうかが、フォローするかどうかの判断材料となる。

2.感情を動かすコンテンツ作り

 感情に訴えることが大切である。感情を動かす投稿は、ユーザーに共感を呼び起こし、ブランドや商品に対する強い結びつきを生む。たとえば、ユーザーの問題を解決するようなストーリーや、感動的なエピソードを投稿することで、フォロワーはそのアカウントに親しみを感じ、信頼を築くことができる。
 感情に訴える内容を作成するためには、ユーザーのニーズや悩みを理解し、それに対する解決策や共感できるメッセージを発信することが重要である。これにより、フォロワーは単なる観客ではなく、ブランドのサポーターへと変化していく。

3.情報提供の戦略

 情報提供の側面も欠かせない。インスタグラムなどのSNSでは、ユーザーにとって有益な情報を提供することが、フォロワーの信頼を得るためのカギとなる。ここで重要なのは、トレンドに基づいた情報、発掘された情報、そしてまとめ情報の3つのアプローチを使い分けることである。

  1. トレンド型: 最新のニュースや流行に関する情報を提供する。これにより、フォロワーはそのアカウントが常に最新の情報を発信していると感じ、興味を持つようになる。

  2. 発掘型: 古いが有益な情報を再発見して共有する。これは、他のアカウントでは見られない、ユニークな情報を提供するための手段である。

  3. まとめ型: 複数の情報を整理し、ランキング形式やリスト形式で提供する。たとえば、「渋谷のおすすめカフェ5選」などの投稿は、多くのユーザーにとって便利で価値のあるコンテンツとなる。

 このように、情報提供においては、他人が発信した情報を単に転載するのではなく、自らの視点で解釈し、フォロワーにとって有益な形で発信することが重要である。トレンド型、発掘型には時間をかけずに、まとめ型で投稿していくのがポイントである。

4.コンセプトの構築

 ビジュアルや感情、情報の要素を組み合わせる際には、すべての中心に「コンセプト」が必要である。コンセプトとは、そのアカウントが何を提供し、どのような価値をユーザーに届けるのかを明確にしたものである。このコンセプトをしっかりと確立することで、アカウントの一貫性が保たれ、ユーザーの信頼を得ることができる。

 コンセプトの設定においては、HARMという4つの分野に焦点を当てることが推奨される。HARMとは、健康(Health)、夢や将来(Ambition)、人間関係(Relation)、お金(Money)という、ユーザーが興味を持ちやすいテーマである。これらの分野に関連するコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を引きつけ、集客に結びつけることができる。

◾️ブランディングと信頼の構築

 SNSにおける集客の成功は、信頼の構築に大きく依存する。ブランドの信頼性を高めるためには、プロフェッショナルな外見や実績、そして信頼できる情報を提供することが不可欠である。たとえば、プロフィール写真やアイコンをHARMに関連する内容に合わせ、専門的な立場を強調することで、信頼性を向上させることができる。
 信頼は一夜にして築かれるものではない。SNS上で継続的に価値ある情報を発信し、フォロワーとのコミュニケーションを大切にすることで、徐々に信頼が積み上げられていく。特に、フォロワーからのコメントやメッセージに対して真摯に対応することが、信頼関係を築くための第一歩となる。

◾️ネガティブ情報の活用

 人間はポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応する生き物である。この特性をSNSの発信に取り入れることは、フォロワーの関心を引き、行動を促す有効な手段となる。例えば、ヘルシア緑茶のマーケティング戦略は、このネガティブ情報の活用の好例である。ヘルシア緑茶は、単に「健康に良いお茶」というポジティブなメッセージを伝えるだけでなく、「メタボリスクを軽減する」というネガティブな側面を強調した。メタボ(メタボリックシンドローム)は、多くの人々が日常的に気にしている健康リスクであり、それを解決する手段としてヘルシアを提案することで、商品の必要性をより強く感じさせることに成功した。

 この戦略は、商品そのものではなく、ユーザーが直面している問題、つまり健康リスクを前面に押し出している。具体的には、「メタボリックシンドロームの予防に役立つ」「内臓脂肪を減らす可能性がある」というメッセージを使って、健康に関心のある層をターゲットにしている。このアプローチにより、単なる飲み物という枠を超え、健康管理の一環としてヘルシアを取り入れる必要性をユーザーに感じさせたのである。

 しかし、SNSでこのような企業のメッセージをそのまま取り上げることは逆効果であることが多い。企業からの発信はしばしば宣伝と見なされ、ユーザーの関心を引きにくい。そこで、個人のSNSアカウントでは、リスクや問題を強調しつつも、フォロワーに寄り添う形での情報発信が求められる。例えば、「運動不足や不健康な食生活が続くと、メタボリスクが高まる」という事実を伝えつつ、「簡単に取り入れられる対策」としてヘルシア緑茶のような選択肢を紹介することで、フォロワーに行動を促すことができる。

 さらに、ヘルシアの例を参考にして、ダイエット関連の投稿を作成する際には、ネガティブ情報を活用してフォロワーに危機感を持たせることが有効である。例えば、「放置していると肥満は健康リスクを高める」というメッセージに加え、運動や食事制限が難しいフォロワーに対して、「手軽に取り入れられるヘルシア緑茶を使って健康管理を始めてみませんか?」といった具体的な解決策を提示する。ネガティブ情報で問題を強調し、ポジティブな行動を提案することで、フォロワーがアクションを起こしやすくなる。

 このように、ヘルシア緑茶のマーケティング戦略に学びつつ、ネガティブな健康リスクを提示し、それを解決するための方法を具体的に示すことで、フォロワーの関心を引きつけ、購買行動を促進することができる。

まとめ

 インスタグラムを通じた集客を成功させるためには、視覚的な要素、感情を動かすコンテンツ、信頼される情報の提供が不可欠である。そして、これらの要素を統合するコンセプトの確立が、フォロワーをサポーターへと変える鍵となる。


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