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竹花貴騎〜お金持ちが海外進出する理由〜

 お金持ちがこの先どんどん海外に進出していく。この事実の背景について知ると、自分も今すぐ海外進出をしなければと焦る気持ちになるだろう。
 今回は、会社と株主、税金についてのお話が中心となる。


企業が黒字でもリストラする理由

 企業が黒字であるにもかかわらず、リストラを行うことがある。例えば、パナソニックは早期退職者を募集した。その条件として、4000万円の退職金を支払うことを提示した。このように、高額な金額を支払ってまで従業員に辞めてもらおうとする理由は何であろうか。

◾️会社の本質

 まず、会社の本質を理解することが重要である。多くの人は「会社は社長のもの」と考えがちであるが、実際には「会社は株主のもの」である。社長は株主が雇った人間であり、株主の利益を最優先に考える必要がある。そのため、企業が利益を上げても株主が満足しなければ、経営方針を見直すことがある。

◾️株主の役割

 株主は、企業にとって非常に重要な存在である。彼らの仕事は、最大のリスクを取ることである。たとえば、誰かがレストランを開きたいと考えたとき、1000万円の資金が必要だとする。もしお金がない場合、彼らは銀行から借りるか、誰かに投資をお願いする必要がある。

  • 銀行からのローン: 銀行からお金を借りると、レストランを開く人がリスクを負う。たとえ失敗しても、借りたお金を返さなければならない。成功した場合でも、金利を支払う必要がある。

  • 投資家からの資金: 一方で、投資家からお金を得た場合、失敗したとしても返済は必要ない。ただし、成功した場合には、投資家に利益を分けなければならない。

 このように、リスクを分散するために株式という仕組みが存在する。株主は、企業が成功した際にリターンを受け取るため、リスクを取ることに対して報酬が与えられるのだ。

◾️株とは何か

 「株」とは、企業の所有権の一部を示す証明書のことを言う。企業はお金を集めるために株を発行し、株を購入した人はその企業の一部を持つことになる。これを「株主(かぶぬし)」と呼ぶ。
 たとえば、ある企業が1000株の株を発行しているとする。そのうちの1株を買った場合、その企業の1/1000の持ち主になったことを意味する。企業が利益を上げると、その利益の一部を株主に配当として渡すことがある。また、株主は企業の決定に対して投票権を持つこともある。
 株の価格は市場で決まる。企業が成功して利益が増えると、その株の価格が上がることが多い。逆に、企業の業績が悪化すると、株の価格は下がる。株を安いときに買って、高いときに売ることで利益を得ることができるため、投資家は株の売買を通じてお金を増やそうとする。
 つまり、株は企業の一部を持つことを意味し、株主はその企業の成長に参加することができるのだ。このように、株は企業と株主の関係を結びつける重要な仕組みである。

◾️株主の報酬

 株主には主に2つの報酬が存在する。それは、配当売却益である。

  1. 配当: 企業が利益を上げた場合、その利益の一部を株主に分配する。たとえば、今年は特に利益が出た場合、株を持っている人には配当が支払われる。経営者は、株主の意見を考慮しながら配当金を決定する。

  2. 売却益: 株を安いときに買い、高いときに売ることで得られる利益である。株価は期待値で決まる。たとえば、100円の水に砂糖を加えて120円で売ると、20円の利益が得られる。この利益は、他のものと違う価値を提供したからこそ生まれるものである。

◾️経営者と株主の視点

 企業は売上ではなく、利益を重視する。もし企業の中に働かない従業員がいた場合、その人の給料が500万円だとすると、経営者は500万円の損失だと考える。しかし、株主から見れば、さらに大きな損失となる。たとえば、その従業員が会社に与える損害が2500万円だとしたら、株主は無駄な人件費を払うことを寄付のように感じるかもしれない。
 このような観点から、企業が黒字であってもリストラを行う理由が明らかである。企業が利益を上げ続けるためには、無駄な人件費を削減する必要があるのだ。

◾️意図的な退職

 リストラは単なる人員削減ではない。意図的に従業員に辞めてもらうことが必要な場面も存在する。企業は、利益を上げるためにさまざまな判断を行う必要があり、従業員のパフォーマンスや企業全体の効率性を考慮しなければならない。

格差が広がる未来

 この先5年から10年の間に、社会の格差はますます広がることが予想される。テクノロジーの進化に伴い、人間の労働が不要になる業種が増えていく。日々進化するロボットやAIは、企業にとってコスト削減や効率化の手段として魅力的だ。その結果、売り上げが上がる業種がほとんど存在しなくなる時代がやってくるかもしれない。
 多くの人が低賃金で働かざるを得ない現実や、リストラの危機に直面する可能性が高まっている。株主の視点から見ると、ロボットやAIを雇った方が、従業員を雇うよりも経済的に合理的であるという考え方が浸透していく。

◾️中間層の崩壊

 過去の時代は、中間層が多く存在していた。多くの人が家を持ち、誕生日にはケーキをもらえるような豊かな社会だった。しかし、今後は低賃金で働く人が大多数を占めるようになるだろう。これに伴い、社会保障の仕組みも大きく変わっていく。
 街の安全を守る警察官や、壊れた道路を修理する作業員、ホームレス問題に対処するための生活保護制度、高齢者の医療費が安価であることなど、すべてが税金によって支えられている。高所得者は高い税金を支払い、低所得者はその逆だ。しかし、政府は富裕層からより多くの税金を取りたがっている。消費税の引き上げや、預金課税の導入がその一例だ。

◾️富裕層と税金

 貧しい人々は、「お金持ちはもっと税金を払うべきだ」と考える。しかし、その結果としてお金持ちが海外に移住することになれば、消費は減少し、企業の売り上げも減少する。これは雇用の減少や給与の未払いにつながり、さらに景気が悪化することになる。お金持ちには投資の習慣があり、貧しい人々は貯金に頼る傾向がある。この違いが、社会全体の経済状況に影響を与えるのだ。
 お金持ちに対して税金を上げることが多くなると、彼らは投資を控えるようになる。レストランを開いて投資を受け、雇用を生むことで利益を上げ、その結果、また税金を支払うという好循環が失われてしまう。企業が成長し、税収が増える構造が崩れてしまうのだ。

教育制度の欠陥

 私たちは学校で、税金に関する教育を受けていない。数学の授業や社会の授業はあっても、税金についての授業は存在しない。このことは非常に重要であり、政府にとっては、税金に関する知識が広まることは都合が悪い。人々が税金の仕組みを理解し、賢くなることは、政府の利益に反するからだ。
 「何のために働いているのか?」と問われると、多くの人は「家族のため」と答える。しかし、どれだけの金額を稼いでも、子供に残せるのはごくわずかだ。例えば、生涯で2億から3億円を稼げるとしよう。しかし、10億円を稼いだ場合、約45%が税金で引かれ、残りは5.5億円になる。会社を売却すれば、さらに税金が引かれ、最終的に子供たちに残せるのは約2億円となる。つまり、80%が税金で持っていかれてしまうのだ。

海外移住の理由

 対照的に、ドバイの場合、10億円の収入に対してわずか5%の税金しか引かれない。オンラインビジネスであれば税金は0%となり、10億円がそのまま残る。こうなると、資産を誰かに残そうとする際、家族にそのまま残すことが可能だ。このように、海外での税制は日本とは大きく異なり、資産を守るためにより良い選択肢を提供している。
 このような状況に鑑みると、日本にいるよりも海外に住みたいと考えるのは当然のことだ。税金が高ければ高いほど、経済的自由を手に入れることが難しくなる。将来的にますます格差が広がる社会において、私たちがどのように生きていくのか、真剣に考える必要がある。

まとめ

 企業が黒字でもリストラを行う理由は、株主の利益を最大化するためである。経営者は株主の声を聞きながら経営を行い、無駄なコストを削減する必要がある。私たちは、企業の仕組みや株主の視点を理解することで、経済の流れをより深く理解できるだろう。人生は一度きりである。自分が何をしたいのかを考えながら、行動を起こすことが重要である。 
 また、今後の社会では、格差が広がり、低賃金で働く人が増えていくことが予想される。テクノロジーの進化により、多くの職業が消失し、リストラの危機が高まる。また、税金に関する教育が不足している現状は、政府にとって都合が良いことであり、私たちが正しい知識を持つことが重要だ。これからの時代を生き抜くためには、経済的な知識を深め、自分自身の未来をしっかりと見据えて行動することが求められる。

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