ジャスティン・ビーバー、カニエ・ウェストらセレブが愛用するパスヘッドが描いた”Doris”Tシャツ
Tシャツとロック音楽についてお話ししているYouTubeチャンネルのテキストを動画では話せなかったおまけ話やイラストとともに綴っています。
巷では大人気のメタリカのTシャツその中でも屈指の人気をほころパスヘッドのアートワークがプリントされた”Doris"のTシャツについてお話しします。
■パスヘッド
前の会でもお話ししましたが、やはり、メタリカのアートワークと言えばパスヘッドです。
この頃からメタリカはシングルカットしてリリースすることが多いのですがそのジャケットのカバーアートをパスヘッドが描いていたりします。
そのままそれがTシャツにプリントされたものも多く、パスヘッドの絵柄が前面に出たTシャツが多く出ています。
前の回でもお話ししましたが、パスヘッドのアートワークは独特の緊張感があるように感じます。例えばどんな所かと言うと、ドクロに目玉が付いていたり、毛が生えていたりする絵があるんですね。それによって、本来無機質な骸骨が有機的に見えるというか、意思を持っているように見えるというか、
そうすると見ている方にありえないものとしての不気味さが感じられるようになると思うんです。
あと、これもメタリカのセイント・アンガーアルバムのアートワークになるんですけれども、羽の生えたら堕天使か悪魔が手足を落とされて包帯みたいなものでぐるぐる巻きに拘束されて苦しそうに叫んでる絵があって、これがパスヘッドのアートワークの中で、私は一番好きなんですが、一見して邪悪なものが邪悪な仕打ちを受けている絵を見てどんな感情になれば良いのか。見た瞬間すごく混乱したんだと思います。
どうしていいかわからない時、人は緊張するんですよね。そういう感情を起こさせるだけでもアートとして成立してるような気がします。そしてただただ不気味でグロい、不快感だけが残るようなでもないんですね。
この辺りが、ただ単にアンダーグラウンド的なだけのものとの違いで、不気味な中にもコミカルな雰囲気が垣間見えるところが本当に芸術的だと思います。9割方不気味なんですけれど、1割位プッと吹き出してしまうような面白さがある感じです。
まぁ、そこの辺の感じ方は人それぞれかもしれませんが、本当にただただ恐ろしくグロいだけの絵柄であれば、その絵をプリントしたTシャツをハリウッドセレブが来たりそれを真似する若い女の子が出てきたりしないと思うんですよね。
メタリカのパスヘッドのアートワークのプリントのヴィンテージTシャツを探して着たりする若い子も多くいると言うことでこういった90年代のTシャツの値段もどんどん高騰しているようですね。今から15年ほど前にお金がなくなって困ったときに90年代のTシャツを何点かオークションなんかで売ってしまったんですけれど、今同じものを買おうとすると当時売った値段の5倍、高いものだと10倍はしますものね。男の子なら昔から一定層そういった古着やヴィンテージ物が趣味って人はいましたが、今は女子にもいるそうなので驚きます。古着女子、古ジョとか言うとか言わないとか…
■セレブも大好きメタリカTシャツ
ということでドリスのTシャツです。
この図柄はJustin Bieberが来ていたことでかなり有名になったものかと思います。他にもKanye Westだったり、日本のアーティストでもワンオクロックのボーカルのTaka なんかがこの柄のTシャツを着ていたりします。
ジャスティスアルバムのカバーで蛍光色のプリントだと私も大好きなクロエ・グレース・モレッツとかもいろんなところで着ていたりするので好きなんでしょうね。
Justin Bieberにいたってはフィア・オブ・ゴッドと言うブランドが集めてきたヴィンテージTシャツをステージ衣装としても使っていて、それをプライベートでも着用してるってことなんでしょうけれど、まぁその辺が人気に火をつけてめちゃめちゃ湧き上がってしまったと言うことでしょうか。
■偽ヴィンテージ品にご注意を!
そういったワケで、今やヴィンテージTシャツ市場はトレジャーハンティング、まさにTシャツがschatzになってるみたいなんですが、そうするとまぁいろんな輩が現れてですね、さもヴィンテージを装って偽物を売ろうと言うような考えを持ったのが現れてですね、うーん、まぁよくないことが起きるわけです。私のこのドリスプリントもシングルステッチでコピーライトもありますし、Tシャツのボディーの状態もちょうど良い着古し感があるんですけれど、価格が微妙な感じだったんです。5、6年前になるでしょうか、こういった90年代のTシャツの価格が急に上がり始めた頃で、ネットのオークションでもこのドリスだと10,000円位で取引されてたと思います。それが5000円台で手に入れられてたんですが、タグだけ見たことがなかったんです。2枚タグのメーカー部分を切ってしまったのかなと思ったりしたんですが、個人的にヴィンテージじゃないとダメだと思っているわけではないので、まぁこういうものもあるものあるのかと思って購入したんですね。そしてその後、古着を大量に取り扱う業者からフリマアプリで購入したヴィンテージと称したTシャツに全く同じタグをつけられていたのです。そしてそのTシャツのボディーにプリントされたプリントの顔料の乗り方が新品同様で顔料の匂いも残っているし、全く古着ではないものが届いたんです。これを見てちょっと古いTシャツボディーにコピーライト付きのプリントを後から施したヴィンテージ風に仕上げたものだと分かった次第です。他にも多く出品されていたので、一応評価の際にはコメントを入れてヴィンテージと誤解されるような写真や説明表現について控えてほしい旨を伝えました。今でもその業者と思われるアカウントは他の有名フリマアップアプリサイトに出品されていますけれど今はヴィンテージではない、当時のものではないと言う表現に変わっています。まぁ、私もヴィンテージ、当時物で状態が良いものであればそれは欲しいですし、そこそこの金額は出してしまうので、あまり良くないなぁと思ったりはするんですよね。まぁまぁ落ち着きましょうよ、ただのTシャツじゃないですか、と。そういう意味でこのチャンネルのタイトルが Keep calm on Tee (落ち着いてTシャツを着て)となったわけです。