スラッシュが着ていたTシャツのキャラクターを探せ!
■ビッグになったガンズの来日
デビューアルバムを大ヒットさせ、続くアコースティックなみにアルバムではアーティスティックな一面を見せ、世界規模でビックなグループになったガンズが、ワールドツアーをスタートし、新しいアルバムを2枚同時発売し、と雪だるまのようにどんどんと巨大化しているのと、それに合わせるようにか世界中のステージで起こる開始の遅延や途中中断やキャンセルといったトラブル、オリジナル・メンバーのイジ―の脱退など何かにつけスキャンダルな話題が取りざたされていました。
なので、1992年にユーズ・ユア・イリュージョン ツアーで2度目の来日公演が発表された時もかなり話題になりましたし、かつてのローリング・ストーンズのように「本当に来るのか?来れるのか?」そして「来ても(ちゃんと)やれるのか?」というようなヒリヒリした雰囲気まで漂っていたと思います。
■Feb.22.1992.Tokyo Dome
そして、いよいよガンズ・アンド・ローゼズの来日となるわけですが、公演は東京ドームで3公演のみでした。当時、関西方面にいたので、都合をつけてドームまで行って、ドタキャンのリスクもあるガンズ・アンド・ローゼズのチケットを取ることができませんでした。
ただ、Wow Wowが協賛していて、ガンズ・アンド・ローゼズのコンサートを完全放送するって触れ込みだったんです。加入者増を狙ったプロモーションだったんですけど、ガンズ・アンド・ローゼズはそれだけのインパクトをもたらすほどのバンドになっていたわけです。
大学の音楽サークルの先輩が見た目も貫禄があって、今ならハラスメントで訴えられてもおかしくないような感じの方だったんですが、逆に面倒見がよく、優しい一面もある方で、僕が「ガンズ観たいけど、東京まで行けないし、Wow Wow加入する余裕も(もちろん)ないし」とぼやいているのを聞いて「俺Wow Wow加入してるからサークルの別のヤツに録画頼まれてるから録るし、そのコピーになるけどやるわ」と言って、公演の後日ダビングしたVHSテープをくれたんです。まぁ、嬉しかったですね。それまで数々の理不尽な言いつけなどどこかへ吹っ飛んで全部チャラになっておつりを渡さないといけないくらいでした。
なので、確かWow Wowの放送は最終日だったと思うのですが、その数日後にはガンズ・アンド・ローぜズ東京ドーム公演をバッチリ観ることができたんです、
■SlashのTシャツ
ビデオで観たガンズ・アンド・ローゼズは、事前のヒリヒリした心配は何だったんだろうというくらい、安定したパフォーマンスの演奏でした。
完全なスタジアム・ロックのバンドでした。見た目もカッコイイし、アクセルの動きもボーカルも想像の通りでしたし、3時間くらいあるショウはバラエティに富んだ名曲の数々で飽きることなく、最後までやり切ってくれていて、もうお腹がいっぱいになるくらいの満足でした。一部の声ではドラムソロが長いというご意見もあるようですが、まぁそれは長いライブの休憩時間みたいなものということで、私はあまり気になりませんでした。
一回観ればお腹いっぱいになるくらいのライブの映像なのですが、私はそれを大事にして何度も何度も観ました。
理由はスラッシュがかっこよかったからです。前回お話しした通り、アクセルはダブっとしたTシャツスタイルで、そのTシャツもステージ衣装がごとく何度も着替えて出てくるんですが、それに対してスラッシュはスタジアムクラスの衣装とは程遠い、シンプルな装い黒いタイトなデニムに黒字に白一色使いのキャラクタープリントのTシャツ、くるくるのカーリーロングヘアで、レスポールをエモーショナルに弾く、その姿。ロックな感じがしてカッコよかったです。衝撃的にかっこよくて、「動き回るアクセルはもういいから、スラッシュを映せ!」と思ってしまいました。
そして、「あのTシャツのキャラ、どっかで見たことあるけど、何だっけ?」「あのTシャツが欲しい」と思ったんです。
■あのキャラを探せ!
1992年ですから、まだインターネットというやつも普及しておらず、情報にたどり着くまでの道程は舗装されていないあぜみちのようなものでした。
まず、ビデオの画面を一時停止してスラッシュのTシャツがよく見えるところで止めます。そしてそのキャラの絵を描きます。当時、周りは全員女性というところで働いていたので、まずはキャラクターものなら女子にきくでしょう、ということで職場の女子全員にききます。
残念ながほとんどがわからないという返答、一人「チップとデイルににてるかなぁ」という回答。
チップとデイルは何者か、尋ねる
リスかなんかのキャラクター、ディズニーのとのこと
ディズニーか・・・
幸い職場の近くにディズニーストアがある
行ってみるが、チップとデイルらしいものは見つからない
店員さんに聞いてみる
「チップとデイルのものはありますか?」
ディズニーストアの店員はいい歳の男がいきなりチップとデールというちょいマイナーなキャラクターをピンポイントで聞いてきたことにも同様ひとつみせず、4、5歳の男の子に接するがごとく親切に対応してくれる。
「ぬいぐるみなどチップとデールだけの商品の取り扱いはないんです。申し訳ございません。ただ絵本の中に描かれているものがございます」
と言って未だ乳幼児が見る全部ひらがなでかかれている厚めの紙でツルツルした絵本を案内してくれた。
チップとデールはシマリスのキャラクター、薄茶のデールの方が前髪があってスラッシュのTシャツキャラに似ているが、
キラキラパッチリのデールの目に対してスラッシュのTシャツキャラは皮肉めいた横目をしている。
う~ん、どうもそもそもの世界観が違うようなきがする。
ということで、ありがとうと礼を言ってディズニーストアを出ました。
一瞬僕の描いたキャラクターの絵を見せて知らないか尋ねてみようかということがよぎったのですが、おかしな人だと思われるかもと思いとどまりました。
どうやら、チップとデールではなさそうということで、捜索は暗礁に乗り上げました。
■見つけたぞ!
それから時間は経ってしまいますが、スラッシュのTシャツのキャラクター探しのことは忘れてはいませんでした。
1996年に初代のiMacを手に入れてインターネットという情報ツールを手にいれましたが、画像検索というものはまだなく(というか知らなかっただけ?)またなかなか知恵袋とか2ちゃんねるというのも黎明期でそこからは上手くキャラクターまでたどり着くことはできなかったのですが、このキャラクターが突然飛び込んで来たのです。
ある時、バスケットボールの神様マイケルジョーダンが映画に主演する、しかもアニメのキャラクターとの合成映画というその当時としては画期的な映画『スペース・ジャム』がちょっと話題になりました。
で、映画館ではなかったと思うのですが、映画公開後に衛星チャンネルだったと思うんですけどその映画チャンネルで放送されているのを観てたんです。
ジョーダンと共演するアニメのキャラクターはバックスバーニーとかワーナーブラザーズのキャラクター達で私も子供頃バックスバーニーやロードランナーなんかテレビでやっているのを観てた覚えがあったので、このワーナーのキャラクター達もそれなりに歴史あるキャラなんだなーと思っていたらその中にあのスラッシュのTシャツのキャラらしいのがいるではありませんか?!思わず、「アッ!」と声を上げてしまいました。
そこで、スペースジャムをきっかけにネットでキャラの名前をしらべたら、「ペペ・ル・ピュー」というフランス気取りのスカンクのキャラクターだということがわかりました。
なるほど、気取ったスカンクならあのTシャツのキャラのひにくめいた横流しの目も納得です。
■そしてペペ・ル・ピューのTシャツ
ただ、キャラを見つけることがゴールではなく、Tシャツが欲しいわけですから、それを探すのですが、当然日本で売っているところは見つかりません。せいぜいバックスバニーだとかトゥイティーくらい、あとロードランナーはもともとすきだったのでロードランナーのTシャツを見つけて手に入れて、というくらいでした。
90年代の末ころになると検索結果からたくさんの画像を確認することができるようになり、いよいよペペ・ル・ピューのTシャツを見つけることができたのですが、やはり日本ではなく、海外のサイトだったりしたのです。
ということで、もう相当長い時間探し求めてやっと手に入れたのがこのペペ・ル・ピューのTシャツです。
初めて海外の通販サイトから購入したものになります。
到着まで1カ月近くかかりましたが、ドキドキしましたね。色んな意味で。
こちら最初に買ったものは少し表情が異なります。それでも苦労して手に入れたものなので思い入れはありますね。
で、こちらが実際にスラッシュが東京ドームで着用していたものと同じ表情のものです。
スラッシュの影響でこのTシャツを着ている日本のアーティストの写真も良く見かけますし、今では割と簡単に手に入るようです。
なんだったんだろう?と思うこともありますが、まぁそれも良い思い出だったりします。
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