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カート・コバーンとポスト・マローンが着ていた『グランジは死んだ』Tシャツ
Tシャツとロック音楽についてお話ししているYouTubeチャンネルのテキストを動画では話せなかったおまけ話やイラストとともに綴っています。
90年代における最高のロック・アイコン、カート・コバーンが着ていたTシャツについての最終回です。
■イントロ
今回は少し私的な話しの部分が多くなります。といっても今回だけでなく、90年代の話になるとどうしても私的なものになりがちなので、そこはどうかご容赦ください。
1965〜1975年の間に生まれた方でロックが好きな方であれば、それぞれその時の想い出みたいなものはあると思うので、よろしければご自身のその頃のことを想い出しながらでも観ていただけると嬉しいです。その年代以外の方は「へぇ〜、そんなことがあったんだ、そんなふうに思ったんだ」という感じで観ていただけると嬉しいです。もちろんTシャツの話しも後半に触れますので、お前の昔話はNo thank youだよという方は前半は飛ばしていただいて、Tシャツがアップになった画像(本テキストでは『グランジは死んだ』Tシャツ)の辺りから観ていただければ良いかな、と思います。
■90年代、夜明け前
前のシーズンで触れていますが、90年初期はNIRVANAのブレイクをきっかけにグランジ・ロックが音楽シーンを席巻しました。それによってパーティ・ロック、ヘア・メタルなんて呼ばれた、ちょっとバブルの匂いのするハードロックの多くのバンドがメイン・ストリームから消えて行きます。それはそれで寂しい感じはしたのですが、日本でも同じ時期に経済的なバブルが崩壊して景気が一気に下降し、その後そのまま低く停滞したことで世の中全体の雰囲気はどこかどんよりしたものになっていました。
私が大学生の頃はバブルが絶頂の頃で、当時関西の方に住んでいましたので、大阪は難波、心斎橋のあたりのマハラジャやジュビレーションといったディスコに繰り出していっては遊んだり、そこで今は日本のお笑いのトップに立つような超有名芸人さんなんかを見かけたり、人の集まる場所や興味の対象、トレンドがとてもわかりやすい時代だったので、そんな大阪の夜の街で、高校卒業以来何年も会ってないような生まれた田舎の友だちに偶然ばったり出会ったりするようなことがしょっちゅう起こる時代だったりしました。携帯電話はもちろん、ポケベルですら普及する前の話しですからね。良く言えばプリミティブな刺激があってフィジカルに、快楽的楽しさがあった時代だったと思います。
私は1991年から働き始めるんですけど、就職活動中はバブルの時だったこともあり、全く苦労せずに一番入りたかった会社にすんなりと入れました。前の年の秋から半年ほどアルバイトでその会社のショップで働き始めててましたし、二年目にはお給料がいっきに前年の40%アップしました。初任給14万円と当時としてはそんなに良い方ではなかったと思いますが、二年目で20万円くらいになりましたから、とにかくそういう時代でした。それも私の勤めていたアパレル会社の業績も好調だったこともあったんですが、勘違いしてたのか調子に乗っていたのか、私は3年でその会社を辞めて別のアパレル会社に転職しました。転職先の会社の新規通販事業の立ち上げに参画することになり、大阪から東京に出て来ることになったのが1994年の3月のことでした。
新規事業というのは本当の話しなのですが、蓋を開けてみると専任スタッフは私を含め二たりきり。当時人気のあった(今でも人気はあると思いますが)ブランドが通信販売を始めるってことで、日本全国からカタログ送付の希望があり、そうですねその頃はまだECサイトどころかインターネットすら一般には普及していませんから、通販って言うとまだカタログを見て電話とか郵便で注文をしていたんですよね。なのでそのカタログ、10万部くらいあったかな?それとそのカタログを入れる封筒と、宛名ラベルと仕分け用の段ボールが4畳半くらいの小部屋にドーンと積まれていたわけです。それでそのカタログを一部ずつ封筒に入れて、封筒を閉じて、宛名ラベルを貼って、郵便番号別に仕分けして段ボール箱に詰めるという作業。ただひたすらそれを行う。それが東京に来た私の最初の仕事だったわけです。
まぁ、気の遠くなるような作業で、朝から晩まで延々と...さすがに周りの同僚もその劣悪な環境と退屈な作業を不憫に思ったのか、オフィスにあった使われていないラジカセ(って死語ですね)を置いていってくれて、そのラジカセで音楽を聴きながら作業することを許してもらって、毎日朝から晩まですーっとJ-WAVEをBGMに作業をしていたんです。
■1994年4月6日のこと
そんな1994年の4月の6日、忘れもしません、J-WAVEの正午前のニュースコーナーで流れてきたのが、NIRVANAのカート・コバーンが亡くなった、自殺をはかった模様。というニュースでした。
それを聞いてしばらくは手が止まり、お昼休みを終えた午後も呆然として、仕事になりませんでした。その日のことで憶えているのは、今では有名なブランドの社長になって当時の同僚がふら〜っと私の作業部屋にやってきて、「カート、死んだね」とつぶやいたことです。
私の東京での生活はカートの死と同時に始まった感じなんですね。なので、カートが亡くなって、5年、10年、20年、25年と経っていくにつれ、没後何年とニュースになったりすると「東京に来て何年になるんだなぁ」と思うわけです。今はその当時とは別のところに住んでいて、この動画もそこで撮影しているんですけど、その仕事を含めた拠点はずっと東京ですから、まぁ人の生死もそうなんですが、何事も必ず始まりと終わりがあって、やはりカートの死によってグランジという一つのロックのジャンルをイメージする音楽は一気に刺激を無くしていったと言えると思います。もちろんその後も音楽としてのグランジ・ロックと呼ばれた周辺のバンドやアーティストから素晴らしい音楽はいくつも世に出ています。例えばスマッシング・パンプキンズの「メロンコリーと終わりのない悲しみ」とかアリス・イン・チェインズの3rdアルバムとか、サウンドガーデンの「ダウン・オン・ジ・アップサイド」とかただどのバンドも解散したり、calm down していったように、やはり、そこが終わりの始まりだったんだと思います。カートの死が。
■『グランジは死んだ』Tシャツ
カートの死の2年ほど前に娘のフランシスが赤ちゃんだった時に一緒に写真におさまった有名な写真で着用していたTシャツがこの grunge is dead です。その写真は Nirvana のフォトブックの中にもあったりしてとても良く知られたものだったので、その当時からこの grunge is dead タイポTシャツはロックT、バンドTを扱うようなお店で購入することは容易な方だったと思います。ですが、これまで紹介した他のTシャツとは違って、私がこのTシャツを手に入れたのはごく最近なんです。
ムーブメントとしてのグランジが好きだったこともあって、なんとなく着たい感じじゃなかったんですよね。そういう意味ではカートに共感していなかったっていうか....
じゃあなぜ今頃になって、そしてここで紹介までするかってことになるんですけれど、カート・コバーンのこと NIRVANAのことをリスペクトしていると公言するミュージシャン、アーティストであるポスト・マローンがこの grunge is dead タイポTシャツを着用していたからで、またポスト・マローンの音楽が大好きだからなんです。ポスト・マローンご存知の方も多いと思いますが、彼の見た目は全身、顔にまでタトゥーが入っていて、それもどんどん増えていっていて、ちょっとギョッとする見た目なんですが、基本ヒップホップの音楽はリリカルで、メロディがあって、切なくて、震えるような声を絞り出して歌うようなところはなんとなくカートの歌い方に似ていて、時にはアコースティック・ギターで弾き語ったり、普通にエレクトリックなギター、ベース、生のドラムといったロックのフォーマットで演奏したりといった、まさに現代のオルタナティヴ・ミュージックってこういう感じだろうと聴いていて、ぐーーーっと引き込まれるんです。私は基本古いロックしか聴かないいのですが、ポスト・マローンはよく聴きます。あと見てくれの雰囲気が私に似ていると言われたこともあって親近感みたいなところもあるのかもしれません。
今回は私の想い出話しとポスト・マローンと grunge is dead ということで話しも長くなりましたけれど、最後にポスト・マローンがチャリティのリモートLIVEでNIRVANAのカバーLIVEをやったのがYouTubeでも流れたんですけど、ホントかっこよかったですね。
LIVEでポスト・マローンは花柄のワンピースを着ていたのですが、そのスタイル、コートニー・ラブのコーディネートらしいです。YouTubeではまだその映像は観られるのでしょうか。まだ観られるようであればコメントにリンクを貼っておきますのでご興味あるかたは是非。
ということで、このシーズンは今回で最終回となります。
次のシーズンはカートの愛した音楽パンクにまつわるTシャツのお話しか、映画関連のTシャツの話しをしてみたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=f7eaGcIyhPU
今回はおまけのお話しがあります。そして未公開のイラストも(有料ですが、カートのことやTシャツのことは触れていません。スミマセン、、、)
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