Not in This Life Time(生きてる間はあり得ない)
■ロック的なもの
『ガンズ・アンド・ローゼズ』という名前がアクセル・ローズのプロジェクト名になった時から、もう4~5年のスパンで会うバムがリリースされて、アルバムがリリースされた後にパーマネントなメンバーでツアーに出て、世界中を回るうち、秋から冬の時期、アジア・オセアニアのスケジュールに日本が入っていて東京ドームとかスタジアム、アリーナをソールド・アウトにして、盛り上がって、という普通のビッグネームに期待することは叶わないと思っていました。
諦めというより、それがガンズ・アンド・ローゼズでアクセル・ローズで、ロックン・ロールだと、そんな気がするんです。
なんか、現代の世の中に合っているか、多分合っていないのでしょうけど、色々問題はあるとは思うんです。
最近、矢沢栄吉さんが台風の中ライブを強行されて、非常識だとか、ファンのことを考えていないとか、と言う声が上がったというニュースをみたり、沢田研二さんが客の入りが悪いからといって公演をドタキャンしたことや声をかけたファンにステージの上から「黙れ、帰れ」と暴言を吐いたことをワイドショーが取り上げたりしているのを見ると、矢沢やジュリーに何の特別な思いもない外野が自分たちの価値観でやいのやいの言うのはお門違いな話だなぁ、と思うわけです。
ハプニングを楽しめ、許容しろ、とは言いませんが、ファンの心理は複雑で、その人だけのものです。当事者でない人の発言で良い悪いや清貧が決まるものではない世界なんじゃないの?と思うのです。世の中の大半であるそんな外野の意見に合わせてたらエンターティメントというか、ロックンロールはつまらないものに成り下がるぜ、と思うのです。
■生きてる間はあり得ない
まぁ、そんな考えもあり、私自身はチャイニーズ・デモクラシーが聴きどころのないアルバムであろうが、アクセルがコーンロウにしようが、ぶくぶくに太ろうが、まぁそんなもんだと思っていました。そういうものとして楽しんでいたと言えばいいでしょうか。
もちろんそれは私一個人のファンとしての感じ方で、ファンでも他の方は別の感じ方をされるものだと思います。もちろん、その結果そのアーティストから離れていく人も多いと思うのです。
だから、アクセルへのインタビューで「スラッシュとまた一緒にやらないのか?オリジナルのガンズ・アンド・ローゼズのリユニオンはないのか?」という質問が何度となく出るのも多くのファンの声であったのだと思います。
それに対してアクセルが「Not in this lifetime(生きている間はあり得ない)」と答えたのもその質問に辟易とした感じが込められていて、「なんかわかるわー」となったものです。
■クラッシック・ラインナップでのツアーと来日
それが、2015年の末頃になって、公式のホームページが“Appetite for Destruction”のものになったり、謎のカウントダウンが始まったりと、これはオリジナルメンバーが復帰するのでは?という噂がまことしやかに言われるようになりました。
それを否定するようなアクセルからの声明がないということはスラッシュとダフは復帰するんだろうなぁとは思いました。これでイジ―も加わってたらそれは奇跡的と思っていたりしたのですが、2016年に、スラッシュとダフが復帰してコーチュラフェスティバルに出演することが発表され、フェスティバル出演後にはスラッシュ、ダフ復帰メンバーでワールド・ツアーに出る計画もあることが発表されました。
多くのファンが歓喜し、スラッシュ、ダフと共に多くの人がファンに復帰したと思います。
クラッシックメンバー復帰早々にアクセルがウォーミングアップギグのステージ上で足を骨折するというアクシデントがあったり、波乱のスタートを切ったワールド・ツアーのタイトルが“Not in this lifetime Tour”という洒落の効いたものだったのもガンズ、アクセル、ロックンロールらしいなぁ、と何だか変な安心した気分になりました。
2017年には来日公演があり、さいたまスーパーアリーナ、京セラドームのチケットも即ソールドアウト、横浜アリーナの公園が追加されるほど大盛況でした。もちろん私もさいたまスーパーアリーナのチケットを手に入れていたのですが、追加の横浜アリーナの方が近かいのとサポートアクトのBaby Metalを観てみたかったので、さいたまはどうしても友人に譲って横浜で観ました。
Baby Metal とガンズってファン層微妙に違うんじゃないの?と思ってたら、めっちゃ盛り上がっててて、曲も振りも知っている人が多く一緒に踊ったりしている人もいて驚いたことと、スラッシュとダフはやっぱり画になってカッコイイなぁと、美麗で巨大なモニタースクリーンに映る映像を観て思ったことが印象深かったです。
ライブの演奏はあの東京ドームの感じとも、ロック・イン・リオの感じとも違う、現在のガンズ・アンド・ローゼズという感じで、目を閉じて聴くとあのアクセルの独特のスクリーミングがずっと変わらないことに気づき、感動を覚えました。東京ドーム時は30歳、ロック・イン・リオの頃で40歳、Not in this lifetimeでは50代半ばです。そして、2022年11月にはNot in this lifetime2のツアーで60歳のアクセル・ローズがまだまだ変わらない歌声を聴かせてくれるのは本当に奇跡的だなぁと思ったりするのです。
ただ、バケット・ヘッドのガンズ・アンド・ローゼズは生きている間には観ることができないと思うと、個人的には残念な気もしているのです。
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