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韓国で子宮全摘した話 ~費用と保険~
はじめに
前回の記事が3年前の生理の話で放置のままいきなりかーいって感じですが、昨年の春に子宮を取りました。
当時は「面倒臭いし、需要も無いだろうし、まいっかー」という感じで書く気はありませんでしたが、先日、今度は乳がんとか言われてしまい、治療費が如何ほどになるのか、さすがに若干怖気づいてググったわけです。
すると、私のように治療費にビビる人がいるだろうと、上級総合病院TOP3にランクインする医療機関での総費用を細かくブログに残してくれている方がいたのです。そこに提示されていた金額を見て「こんなもんか…(ホッ)」と胸を撫でおろしたのは言うまでもない。
そこで「やっぱ費用とか日本語で書いとけば在韓同胞の「ホッと」の一助になるかもしれない?」なんて思い直し、今暇だから(ここ大きい)書くことにしました。
かなり長くなってしまいそうなので、先にズバリ総額を書いておきます。
₩2,428,810
※手術前後外来、術前検査、入院、手術の総額
経緯
事の発端は韓国生活を始めて9ヶ月たった2021年の9月。
定期検診に訪れた産婦人科クリニックで7cmの筋腫があることを指摘されました。移住直前の前年11月に5cm弱だった筋腫が大きくなったと考えられました。数年前から筋腫がいくつかあることはわかっていましたが、無症状かつ大きさも5cm以下だったため、定期的に経過観察するだけでした。
韓国生活を始めてしばらく経った頃から、なんとなく「トイレが近いな」「尿意を感じやすいな」と思うようになっていたのですが、原因が大きくなった筋腫にあることをそこで初めて知りました(加齢だと思ってた)。
子宮筋腫は30代以上の女性にはありふれた良性疾患で、生理などに影響を及ぼす症状が無ければ積極的に治療する必要はありません。
しかし、私の場合は手術当時、一番大きいサイズが8cm近くになっており、膀胱圧迫による頻尿、便秘、腹部の圧迫感や膨満感、下腹部ぽっこりなど様々な不快症状が表れ、下腹部に触れると硬い石のようなものが確認できる状態になっていました。殆どが漿膜下筋腫だったため、大きくなるまで自覚症状を感じにくかったのです。
韓国での最初の受診から1年半ほど紆余曲折(割愛)ありましたが、昨年ようやく手術に辿り着き、子宮を取るに至ったわけです。
多発性で大小10個以上の筋腫があり、医学的な妊娠適齢期を過ぎた40歳で、妊娠希望も無いため、筋腫だけを切除する筋腫核手術は選択せず(多すぎて出血リスクが高く選択できない)、より負担が少ない腹腔鏡手術で子宮全摘出することを迷いなく決めました。諸症状がQOLを下げまくっていたので、早いとこ取っちまいたかったのです。(取りたいからって取れるわけではないが)
最終的に子宮と卵管を切除したのですが、取り出した子宮と筋腫の総重量は700g弱。通常の子宮は鶏卵大、重さ40~50gらしい。通常の10倍以上ってことですね。そりゃ周りの臓器も圧迫されるわな。
因みに、卵巣は残っています。巷では「子宮全摘すると更年期のような症状が~」とか間違った言説を見かけますが、卵巣が残っていればホルモンバランスの変化はありません。月経は無くなりますが、ホルモンの周期的な影響はこれまで通り受けます。一足早く生理の煩わしさから解放されて個人的には万々歳なのですが、PMSみたいなものはあり、基礎体温を計っていないので周期がわかりにくくなったという不便さはあります。
お待ちかねの費用と保険について
手術はソウルの순천향대(順天郷大学)で受けました。
簡単な費用内訳は下記の通りです。
術前外来&検査 ₩444,160
入院手術 ₩1,775,650
術後外来&検査 ₩209,000
(合計) ₩2,428,810
韓国の国民健康保険加入者であればご存じだと思いますが、韓国の皆保険制度は日本と似ているものの、保険適応される範囲が日本と異なります。
例えば、日本では保険適応で1万円前後のMRIが保険適応外となり、50~100万ウォン以上の費用がかかるなんてことも。
そういうわけで、国民の大半は別途「실비(実費)」と呼ばれる民間保険に最低限加入しているケースが殆どで、更に日本の民間医療保険にあたる総合医療保険に加入している方も多いでしょう。
今回は실비(実費)がどういうものかという解説は割愛するとして、加入している실비+総合医療保険から支払われた保険金額を公開します。
総額₩3,961,439
全額カバーできました。手術までに他院で支払った外来や検査費用を併せても多少余ったので、頑張った(割愛するけど本当に色々頑張った)ご褒美に一時帰国費用として使いました。
保険金が幾ら支払われるかは加入している商品によって異なるのでそれぞれでしょうが、最低限どのくらいの備えがあれば良いかの参考にして頂けると思います。
但し、入院時に一人部屋を希望したり、上級総合病院(3차병원)で治療される場合は保険適応割合や保険適応外の費用が病院によって異なるかと思います。
因みに、순천향대(順天郷大学)は大学病院ですが、2023~2024年は上級総合病院(3차병원)には指定されていません。
というわけで長々書きましたが、今回はこのくらいにしておきます。
書いているうちに当時のことを色々思い出して、外来や入院における日本との違い、注意点など、あれもこれも誰かが異国で余計な苦労をしないために書いておきたくなってしまいましたが、キリがないのでまた別途。
話長すぎ。