東南アジア市場で越境ECを始めるための初心者ガイド
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、経済成長が続き、越境EC市場として注目されています。初心者が理解すべきASEAN各国の特性を以下にまとめました。
ASEANの基本情報
人口と民族構成 ASEAN加盟国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ)の総人口は約6億人を超え、若年層が多いのが特徴です。この豊富な人口基盤は、EC市場の拡大において重要な要素となっています。ASEANは多民族・多文化地域です。主要な民族グループには、マレー系、華人系、インド系、フィリピンのフィリピノ人、ベトナムのキン族などがあります。
宗教 宗教面では、イスラム教(インドネシア・マレーシア)、仏教(タイ・ミャンマー・ベトナム)、キリスト教(フィリピン)などが主流で、国ごとに異なる信仰が根付いています。宗教や文化の違いに配慮した商品やマーケティングが必要です。
公用語 ASEAN各国の公用語も異なります。インドネシア語、タイ語、ベトナム語、ビルマ語などが主要な言語ですが、英語も広く通じます。
通貨 通貨も国によって異なり、たとえばインドネシアではルピア、タイではバーツ、フィリピンではペソが使用されています。
経済状況と将来展望
1人当たりGDPと世界ランキング ASEAN諸国は経済発展の度合いが異なります。シンガポールの1人当たりGDPは世界トップクラスで、インドネシアやベトナムの成長も著しいです。2023年の世界ランキングでは、シンガポールが上位に位置し、マレーシア、タイも中位にランクインしています。ASEAN全体では経済の伸びが期待されており、特にデジタル経済の成長が顕著です。
経済予測 IMFや世界銀行はASEAN地域の経済成長を楽観視しています。インフラ整備やデジタル化の進展により、2025年までに約300億ドル規模のEC市場拡大が予測されています。特にインドネシアやベトナムが、成長市場として注目を集めています。
関税 ASEANは自由貿易地域であり、域内関税の削減が進んでいますが、越境EC商品に対する関税は国によって異なります。たとえば、インドネシアやタイではEC商品の輸入に関税がかかることがありますので、各国の関税規制に注意が必要です。
ASEANの主要ECプラットフォーム
ASEAN諸国には、ShopeeやLazadaといった主要なECプラットフォームがあります。これらはASEAN全域で人気があり、越境EC初心者にとって利用しやすいプラットフォームです。また、FacebookやInstagramなどのSNSを活用したECも盛んです。
ASEANで人気の日本製品
ASEANでは、日本製品が「信頼できる」「高品質」として高く評価されています。特に化粧品、健康食品、電化製品、生活雑貨、アパレル商品が人気です。現地のトレンドや文化に配慮しながら、日本製品を活かした商品戦略が有効です。
ASEANに関するトリビア
ASEANのEC市場で「ダブルデイ」と呼ばれる大規模セールが定着しています。たとえば、11月11日の「シングルデイ」、12月12日の「ダブル12セール」など、日付が重なる日に各ECプラットフォームでセールが行われ、消費者の購買意欲が高まる時期です。