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越境ECに活用できる補助金(2024年度補正予算:更新中)

越境ECを始める際、初期費用や運営コストが大きな負担になることがあります。そこで、国内外で提供されている補助金や助成金を活用することで、経済的な負担を軽減し、スムーズなスタートを切ることができます。今回は、2024年12月17日に成立した「2024年度(令和6年度)補正予算」の最新情報に基づき、越境EC初心者が活用しやすい補助金について詳しく解説します。


1. 補助金とは?

補助金によって、目的・対象・仕組みが異なります。
補助金は、国や自治体の政策目標(目指す姿)に合わせて、さまざまな分野で募集されており、事業者の取り組みをサポートするために資金の一部を給付するというものです。それぞれの補助金の「目的・趣旨」を確認し、自分の事業とマッチする補助金を見つけましょう。

必ずしも、事業の全額が補助されるわけではありません。
補助金は、必ずしもすべての経費がもらえる訳ではありません。事前に補助対象となる経費・補助の割合・上限額などを確認しましょう。

補助の有無や補助の額については審査があります。
融資などとは異なり、お金を返済する必要はありませんが、補助金には審査があるので、「申請したら必ずもらえる」というものではありません。補助の有無や金額は「事前の審査」と「事後の検査」によって決まります。また、原則、補助金は後払い(精算払い)なので、事業の実施後に必要書類を提出して検査を受けた後、受け取ることができます。

2. 補助金受給までの5つのステップ

  1. 知る:補助金は、国の政策ごとに、さまざまな分野で募集されています。まずは自分の事業とマッチする補助金を探しましょう。

  2. 申請する:申請したい補助金を見つけたら、公募要領・申請書を確認のうえ、申請書として必要書類一式を事務局に提出します。補助金によって提出方法が異なり、電子申請か書面による郵送があります。詳細は事務局のページや公募要領をご確認ください。

  3. 採択される:採択事業者が決定され、結果が事務局から通知されます。 採択後は補助金を受け取るための手続き(「交付申請」と言います)が必要となります。その内容が認められたら「交付決定(補助事業の開始)」となります。

  4. 事業の実施:交付決定された内容で事業をスタートします。事業内容を変更せざるを得ない場合は、事前に所定の手続が必要です。補助金の対象となる経費については、領収書や証拠書類をすべて保管しておきます。

  5. 補助金の交付:実施した事業の内容や経費を報告します。正しく実施されたことが確認されると、補助金額が確定し、補助金を受け取ることができます。

3. 持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、中小企業や個人事業主が販路拡大や経営力向上を目指して行う取り組みに対して、費用の一部を補助する制度です。「一般型」、「創業型」、「共同・協業型」、「ビジネスコミュニティ型」があり、これらの補助金は、越境ECのスタートアップにも非常に役立ちます。

令和6年度補正予算「持続化補助金の概要」

活用できる場面

  • 越境ECサイトの構築(海外ECモール出店・出品):Shopifyなどを活用したオンラインショップの立ち上げやShopeeなどの海外ECモール出店・出品費用。

  • マーケティング活動:海外向け広告やSNSプロモーションの費用。

  • 商品撮影や翻訳:商品ページ用の高品質な画像撮影や、多言語対応の翻訳費用。

補助率と上限額

  • 補助率:対象経費の2/3(特例で3/4)

  • 補助上限:50万円(特例で最大250万円まで増額)

注意点

  • 補助金を受けるには、商工会議所などと連携し「経営計画書」の提出が必要です。

  • 申請から交付までに数ヶ月かかるため、計画的に進めましょう。

  • ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限となります。また、ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。

令和6年度補正予算「持続化補助金(通常枠)」
令和6年度補正予算「持続化補助金(通常枠)」

本日現在、補助金事務局は公募中となっておりますので、下記サイトの事業内容、申請資料等を参考にしてください。なお、事業を営んでいる小規模事業者等の管轄地域の商工会議所、商工会管轄でサイトが違います。

▼(参考)商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者等が対象

▼(参考)商工会の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者等が対象

4. ものづくり補助金

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、新しい設備導入やITツールを活用した業務改善に取り組む中小企業を支援する補助金です。「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠」があり、越境EC初心者が、効率的に事業を拡大するための設備投資やシステム構築に活用できます。

特に、海外需要開拓等の取組を支援する「グローバル枠」では、機械装置・システム構築費の必須経費や技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費に加え、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助対象経費となります。

令和6年度補正予算「ものづくり補助金の概要」

活用できる場面

  • 越境ECサイトの構築(海外ECモール出店・出品):Shopifyなどを活用したオンラインショップの立ち上げやShopeeなどの海外ECモール出店・出品費用。

  • 在庫管理システムの導入:海外配送を見据えた在庫管理ソフトウェアの導入。

  • 物流効率化:梱包や発送作業を効率化する機器の購入。

  • データ分析ツール:海外市場のニーズを把握するための分析ツールの導入。

補助率と上限額

  • 補助率:対象経費の1/2~2/3。

  • 補助上限:750万円(製品・サービス高付加価値化枠)~最大4,000万円(グローバル枠)。

注意点

  • 補助対象となる事業には、明確な「生産性向上」の計画が求められます。

  • 他の補助金と併用できる場合がありますが、詳細は必ず確認しましょう。

令和6年度補正予算「ものづくり補助金」
令和6年度補正予算「ものづくり補助金」

▼(参考)ものづくり補助金総合サイト

5. 各自治体の補助金

各都道府県や自治体でも越境ECに特化した補助金を提供している場合があります。たとえば、以下のような内容があります。

  • 海外市場調査や展示会出展費用の補助

  • 越境ECサイト運営に必要な教育や研修費用の補助

  • 配送コストや関税手数料の一部補助

福岡市海外ECトライアル推進事業(2023年終了)

地元の商工会議所や自治体の公式ウェブサイトで確認することをお勧めします。また、経済産業省:中小機構が提供する補助金・助成金の総合窓口サイト:経営課題を解決するJ-Net21「支援情報ヘッドライン」では、企業経営や創業に役立つ国・都道府県の支援情報(補助金・助成金、セミナー・イベントなど)がまとめて検索できます。

6. IT導入補助金2025

中小企業や小規模事業者を対象に、ITツール導入を支援する補助金です。「IT導入補助金2023」では、ECサイトの構築(海外ECモール出店)は補助対象でしたが、「IT導入補助金2024」では対象外となりました。下記チラシは「IT導入補助金2025」です。詳細は後述の「IT導入補助金2025」概要(PDF)をご覧ください。

令和6年度補正予算「IT導入補助金」
令和6年度補正予算「IT導入補助金」

▼「IT導入補助金2025」概要


▼(参考)IT導入補助金2024

7. 補助金を活用する際の4つのポイント

  1. 締切を確認する
     補助金は申請期間が限られています。特に年度ごとに更新されるものが多いため、最新情報を常にチェックしましょう。

  2. 申請書類の準備
     事業計画書や見積書など、申請には多くの書類が必要です。不備があると審査が通らないこともあるため、丁寧に準備しましょう。

  3. 専門家に相談する
     申請手続きが複雑な場合、中小企業診断士や行政書士等に相談するのもおすすめです。

  4. 電子申請の準備
     電子申請システムを利用するためには、gBizIDプライムアカウントの取得が必要です。まだアカウントをお持ちでない事業者の方は、最初にgBizIDプライムアカウントの取得してください。申請から取得までは3~4週間要しますのでお早目のご準備をおすすめします。

まとめ

補助金を活用すれば、初期費用の負担を大幅に軽減できるだけでなく、安心して越境ECに挑戦することができます。まずは、商工会議所や専門家に相談し、自分の事業に最適な補助金を選びましょう。計画的に準備を進め、成功への第一歩を踏み出してください!

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