見出し画像

poem あぁ、大空よ

それは
一陣の風になって
去って行った

掴む間もなく
私の前を

風になって
去って行った

あぁ、大空よ
無言のままで
構わない

私の涕を流しておくれ

弱く霞んだ私の姿を
お前の内に静かに留め

私の涕を
流しておくれ

お前の遠い
向こうの世界へ


ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。