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story 腔

まあどうぞお聴きください

あぁ、聴こえます

これは水脈ですか?

そうです

あぁ、あぁ、良く流れている

少し打ってみますか?

宜しいんですか?

えぇ、もちろんです
さぁ

あぁ、これもよく響く

あぁ、なんて心地よい

あっ、今雫が落ちました
ほらまた…

地底湖があるのですか?
まるで鍾乳洞のようだ

どうです
他にも聴こえませんか

何でしょう…
何かが通り抜けて行くような

風ですか?

そうです
風です

風が吹いているのです
この風は止むこと無く吹いています

はて
木管のような響きもありますね

小さな泡が弾けたり
消えたりしているようだ

そうです
そのようなものもあります

これら全てが腔なのですね?

そうです
腔です

腔が作る音です

おもしろいでしょう?

はい、おもしろいです

ふふふ…
どうぞ心ゆくまでお楽しみください

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muku の森の物語
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。