poem 風
風が ゴーゴー 吹いている
変えたいのだ
この風は
風が ビョウビョウ 吹いている
変えたいのだ
この風は
まだまだ足りない
もっと吹け
火照りすぎたこの軀
冷たく冷まして欲しいのだ
風よ
吹け 吹け
もっと 吹け
岩を砕いて地を洗い
根こそぎ彼方へ
飛ばしてしまえ
風よ
吹け 吹け
もっと 吹け
剥がれた地表に雨が降る
どうか深い地の底へ
刺々しさを埋めてくれ
次の朝日が昇るまで
ただ目を閉じて
待っている
荒々しさが尽きるまで
ただ目を閉じて
待っている
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。