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親の信仰がこどもに強要されることについて、理解しておきたいこと
宗教2世問題を考えるとき「親の信仰」がこどもに強制されることが現実的に問題になるわけですが、感情的なことは別にしても、「こどもの信教の自由」はまだ確立していないことを理解しておく必要があります。
以下、その解説について。
#エホバの証人 が700ページ以上の抗議文書をこども家庭庁に渡した、という件。
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
700Pもどんな文句を書くねん?!というビックリは脇へ置いておくとしても、理解しておきたい重要なポイントが1点あるので、メモを置いておく。
それは、当のエホバの証人のサイトでも公表されているのだが、
https://t.co/qh4PwKknuS
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
このページをじっくりみてほしい。
ここに国連の懸念、として「トラの威を借り」ながら書いているのだが、
(1)Q&Aガイドラインが,家族で信仰を実践するという国際的に受け入れられている習慣を虐待の定義に含めていること
(2)日本の厚生労働省がQ&Aガイドラインを公表して以来,エホバの証人を始め,その他の宗教的マイノリティに対するヘイトクライムやヘイトスピーチが急増したこと
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
の2点を示している。
さて、2番めについては「しらんがな」レベルの話で、被害者を装う手法としてでも書けるので別にどうでも
よいのだが、問題は1番めのほうだ。
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
「家族で信仰を実践することを尊重すべき」というのは、実際にそうで、これは観念的なものではなく、かなり法的に確保されている考え方なのである。
もっとぶっちゃけて言えば「親の信仰は家族内で尊重される」というスタンスは、国連的には正しいのだ。
https://t.co/2e4vcMtrUO
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
でも指摘しているが、たとえば「子どもの権利条約」においても、
◆ 第5条 親はこどもに適切な指導をして、国は親の指導を尊重する
◆ 第18条 こどもを育てる責任はまず親にある
とあり、「親の管理監督権限」は強力である。
当然、信教の自由において、
親が自分の信仰をもって家庭内を運営してゆくことは、「のぞましい」わけである。
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
「信教の自由」が憲法などで保証され、なおかつ「その親の考え方を尊重する」としているのだから、そこを突いてくるのは
”実に当たり前の、正攻法の戦い方”
であると、まずは認識しておきたい。
しかし、ここが弱点であるということは、ガイドライン側でも気づいているので、そのウイークポイントに触れないように最大限留意していることもまた、重要だ。https://t.co/nF7TZTXitZ
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 8, 2024
においても解説したが、その部分に触れないように「社会通念上の虐待は、虐待なんだからダメだ」と
突っぱねたのである。
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 9, 2024
さあ、ここからが面白いのである。(ごめん)
エホバ側がなんと言っているかもう一度見てみよう。
『家族で信仰を実践するという国際的に受け入れられている習慣を虐待の定義に含めている』
この文言、絶妙なのである。なかなかいい攻めである。
国際的に受け入れられているのは「家族で信仰を実践する習慣」の部分である。→
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 9, 2024
→ ガイドラインでは、その習慣を虐待である、とはしていない。
→ エホバでは、あたかもその習慣までも虐待であるとしているように装っている。
のである。ことばの「あや」を最大限利用しているのだ。
まあ、どちらも「互いの隙を絶妙に突きながらバトルしている」ので、本格的に戦うには文言や内容の『定義』を確立させながら、法的に確定していかなくてはいけない。
— 武庫川散歩 (@mukogawa_sanpo) October 9, 2024
ただ、そこまではやらないだろうので、しばらくはこのスキマバトルが繰り広げられるだろう。
そこを観戦してほしい。
という流れ、という構造です。
以上まとめでした。