(Un)seen dialogues #4
絵 : 森の呼吸音 / 幸山 将太
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曲 : grace / UYUNI
『森の呼吸音 / 幸山 将太』
この絵は、4月の終わりから少しずつ色づいていく新緑の色味を絵にしたいなぁと思いながら作りました。新緑の山を歩きながら自分のまだ知らない緑色の色調を見つけては、キャンバスの上に乗せてみたりして。そんな色遊びの中から浮かんできたイメージを元に、今回も絵を描き進めていきました。毎年この時期になると樹木たちを健やかに茂らせてゆく、緑色の血液のようなもの。そよそよと揺れる葉たちのざわめきと、木漏れ日が地面や木肌に象ってゆく紋様みたいなもの。ああ、そういえば去年の長野で絵を描いていた時もこんな風に森が呼吸する音を聴いていたっけと思い出しながら今回の着地点を見つけていきました。
何ていうか。今の自分が肌で感じている色彩を通じて現れてきた心象風景を絵にして渡してみたら、一体何が伝わってどんな返事が返ってくるのだろう。言葉ではない絵というバトンを渡して、それがまた言葉ではない曲として返ってくるそのやり取りに今回もわくわくしながら、描き上がった絵をUYUNIさんに託しました。
幸山 将太
『grace / UYUNI』
毎年新緑の時期になると新しい自然を浴びたくなり遠出しますが、今年は幸山くんの作品で一足早く森林浴できました。
幸山くんの作品『森の呼吸音』は射し込む陽の光が森の恵みになる一方で、深い森の住人が自分の居場所と比較した世界への憧れの対象になるニ面性の様なものが自分なりに感じられてとても気に入りました。
早速対話として考えた曲はその二面性に対してアップライトピアノを軸にアプローチしてみました。序盤は陽の光の恩恵を得た深く静かなモスグリーンの世界を表現しており小さな起伏やアクセントは録音したピアノのリバース音を挿れました。終盤にかけて光への憧れなど強い感情を込めて展開をつけており、同じフレーズながらコード進行をつける事でより感情的な構成としています。
自分自身木漏れ日で彩られた明るい森も、生い茂った木々が陽の光を遮る世界で深く呼吸をする森も好きで優劣は付けられないです。
改めて好きな森の情景を見つめ直すきっかけになった幸山くんの『森の呼吸音』には感謝です。また今年もたくさんの自然に触れたいと思います。
UYUNI