のせてって

土曜の朝です。

すこし あたためたパンを齧りながら
うちを出ます
まあるくて ちいさくて ほんのり甘い
お米のぱんです。

くものあいだ 太陽が ひかります
空気はつめたい 光はあたたかい

ちょうど 真上のでんせんに
きれいな 白鼠色の
しゅっとした鳥が一羽

鳴かずに とまりました。

いってきまーす


ぱん もつ左手は みるみる変温してゆく
それでもわたし 恒温動物


だれもいない
寒さに とぎ澄まされていく あまさ
感じていると

ログハウスから ものおと
さっと 左手をせなかに まわす

これは ちびっ子の ジョウケンハンシャだ
みんな持ってる ノウリョクだ と思いました

そのあと すぐ
ネコと さんぽする おじいさんが
さんぽ前の いっぷく をしていました

そうだわたしも わたしも と 左手


ばす停につくと わたしのすきな
長めのばすが さきにいました

そっか土曜日 だから
やった

これは 宇宙船
外はおれんじ 中はカラフルちぇっく の
すたーしっぷ

のせてってくれ

のこりの ぱんを
ぱくっとひとおもいに

はじまるね いちにち

今夜は 満月