プライベート展示会 part3

無期迷途のweiboに掲載してあるディス秘話。
不思議な夜にの外伝小説です。
前回のパートはこちらから。
プライベート展示会 part1

プライベート展示会 part2

翻訳機をかけて拙い意訳をしながらまとめたものですので話がなんとなく分かればいい方向けです。
それでも良ければ下へお進みください。




PART3


ミランダは毎朝8時に早めに事務所に到着し、ポストから<芸術評論>を取り出し、先生とゲストが見られるように本棚に入れる。
その後、掃除をして、電話機に残されたメッセージはないか、前日処理できなかった文書はないか確認をする。
ところが今日、ミランダはコートを脱いだ後、新聞の一面に書かれたタイトルに目を奪われ、目を離すことができなかった。
その記事は、ある別荘で起きた怪異な事件に対する報道だった。

実際、魔女の夜の事件が騒動になって以来、ニューシティでどんな怪異な事件が発生してもミランダにはそれほど驚かなかった。
しかし、今回は事件は違った。
何故なら事件の発生地がまさに彼女が数日前に先生と一緒に契約を結んだ場所だったからだ。
「現場には生存者はいなかった…
ゲスト全員の死んだ顔は非常に歪んでいます…
多くのエンフェルの作品が発見されています…
しかし、美術館によると、エンフェルの作品は作品が市内に流通されたことがなく、その作品は高確率で偽物……」

チリリン!
突然電話が鳴り、ミランダは驚いた。
彼女は急いで応接室に行き、受話器を手に取った。
「可愛いダーリン、私が恋しかったかい?」
電話の向こうから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「あ!先生!」
今までの不安が一瞬のように消えた。
先生が長い間事務所を空けたのは遠くへ出張に行っただけかもしれない。
「最近ゲストは来た?」
「そんなはずないですよ。 ベルフェゴール美術館の事件を知らない訳でもないのに…。一日中、私一人で事務所を守っているんです。」
事実だった。
魔女の夜以降、ニューシティ内の芸術品業界はまるで寒波に入ったかの様にかつて攻撃的なマーケティングを披露した展示会はいずれもオープン日を延期し、美術品コレクションに関する問い合わせの電話が大幅に減った。
「分かった、安心して。 私が事務所を捨てるわけがないさ」
マックイーンは口調を甘くし、自分の助手を静かに宥めた。
「だけど、一部のプライベート オークションについて話すのは、私にとって都合が悪いことだって事はダーリンもよく知っているよね? それでも手が空いてすぐダーリンに生存報告したんだから、あまり心配しないでよ」
「では、先生、すぐに戻ってきますか?」
「…もう少し時間がかかりそうだよ。前回のオークションで知り合った友人が気に入ったから、もう少し手伝ってもらおうと思ってる。
ゲストをよくもてなして、注文が入ったらこの番号に電話して」

マックイーンがすぐにオフィスに戻らないと聞いて、ミランダは理由もなく途方に暮れた。
「分かりました···事務所ちゃんと守っています。」
その時、ミランダは新聞の表紙のタイトルを思い出した。
「先生、悪いニュースがあるんですが···」
「え?悪いニュース?」
「前にある巨商と契約をしていませんでしたか?」
ミランダは新聞を手に取って、マックイーンに別荘での出来事を伝えた。
「相手はまだ最後の支払いをしていない…残りのお金は無駄になりますか?」

ところがミランダの予想とは異なり、電話機から聞こえた音はため息ではなく嘲笑だった。
「あれはただの贋作だから、最終的な支払いが受領されない場合、それは受領されないよ。知ってる? 数日前は私がなんと4億の価値の絵が燃え尽きてしまう光景も見たんだ」
「え?4億ですか?」
「そんなに驚かないでよ。私が教えた事を忘れたかい?」
「いいえ…現代の芸術品はただ権力者たちのお金自慢のための玩具に過ぎません。でも、4億じゃないですか…….」
「目を逸らさないで。私の新しい友達はいくつかの連絡先を持っていて、いつでもエンフェルの新作を手に入れるのを手伝ってくれる。私たちの将来の目標は、わずか4億に匹敵するものじゃないよ」
「しかし先生、恐怖芸術ジャンル作品を支持する人が残っているでしょうか。 」

ミランダはあえて後半の言葉を口にしなかった。
しかし、そのような助手の心情を知らないマックイーンではなかった。
「必ずしもホラー芸術である必要はない。
エンフェルは何か新しくて違うものに挑戦したいと言っていたよ」
「マスターエンフェル独自の芸術ジャンル?!」
エンフェルが消えただけではなく、自分だけの芸術ジャンルまで作るという知らせを聞くと、芸術界の波風を経験したことのないミランダさえも驚きを隠せなかった。
しかし、この驚きも長続きしなかった。
「でも…」
経歴が多いとは言えないが、これまで多くの芸術家が新しい画風に挑戦して挫折を味わう姿を彼女は沢山見てきた。
「まだダーリンはこの都市の本質についてよく知らないからだよ。」
マックイーンは珍しく真剣な口調で話した。
「天才芸術家であり、恐怖芸術ジャンルの完璧な継承者、マスターエンフェルには『オリジナルアートジャンル』という称号が必要なんだ。
そうしてこそニューシティの最高芸術家の隊列に名を連ねるからだよ。芸術界である芸術家の未来を心配してるの?
ダーリン。 完璧な変身とを遂げた天才芸術家であれ、恐怖芸術ジャンルのマスターであれ、全て芸術界では大きなニュースさ。
彼らが望むのは話題の種と影響力、資本がもたらす楽しさの饗宴だけさ。
これがニューシティ芸術界の宿命であることを忘れてはいけないよ。
ここでは本当に芸術を追求する人は既にに死んでいる。
あぁ、だから私は本当に気になるんだ。
果たしてマスターエンフェルがいつまで耐えられるのか。アハハハハ!」

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